詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

(詩 NO2) 笑え

2008年01月21日 | 日記
誰もがもう いまでは
自分の悩みや
迫り来る不安のために
挨拶も 笑うことさえ
ますます難しくなってきてしまった

脳脳梗塞と心臓動脈瘤破裂手術とで
ボケが急速に進行して
もう十数年間寝たきりの母に
ある日突然 聞かれたことがある
「死んだらどうなるんだべか」

どんな立派なことを言おうと 
どうな素敵に振舞おうと 
ぼくらは 
身近な自然についてさえ
ほとんどなにひとつ知らない
ちっぽけで傲慢な存在だ
だから
笑いで誤魔化してでもいいから
その不安に耐えて生きるべきなんだ
いつかは それが
ほんとうの笑いに変わってしまうことだって
ないとは言えないのだから

だからぼくは
もう十数年間寝たきりで
床ずれだらけの母を できるだけ
笑わしてやろうとしたんだ

笑え 笑え 
もっと笑え
もっと大きく口を開けて
笑え 笑え もっと笑え
のどチンコが見えるぐらいに
もっと もっと 口を開けて
笑え 笑え 
もっと笑え

(詩 NO1)「タンポポ」  今後このブログは詩をアップすることに!

2008年01月21日 | 日記
ぼくが生まれて初めて描いた
タンポポの野原の絵の
真ん中には
どこまでも平行な黒い線路が
大都会札幌まで

そのぼくの絵を覗きこんで
ヒゲモジャの先生がつぶやく
「線路をよく見てごらん」
それで ぼくは
この世には
遠近法というものがあるんだと知った

機嫌がいい時には
バイオリンを持ち出して
あちこち黒光りした教室で
素敵なバリトンで歌いだす
ヒゲモジャの先生
「タンポポ タンポポ
 黄色いタンポポ
 タンポポの花は 太陽の花
 タンポポは花は 平和の花」

タンポポの首飾りをそっと差し出した
ちいさな君の真上を
ふんわり ふんわり
大空へと飛んでいった
タンポポの綿毛たち

故郷北海道はいまや
全体が夕張市化しているという
廃線や 閉鎖した郵便局だらけという
あれだけ多くの与党有力政治家がいながら

灯油の値上げのために
駅や大型スーパーで一日過ごす高齢者や
病気や怪我をしても
病院に行けない人々が増えているという 

まだ タンポポは
野原一面を埋め尽くして
咲いてるんだろか
以前みたいに
微笑みあう子供たちや 老人たちの
笑いさざめき合う背景を
黄金色に染めて