西海岸で最近、VRやAI, 自動運転に加えて、チャットボットが話題になっていて急劇に普及しそうな勢いであるという。チャットボットは、全く新しい技術ではなく、音声メールとか音声による通知システムと思えばよい。画期的な斬新なシステムではなく、音声合成と音声認識を上手にシステム化したものではあるが、日本の技術者は、根源的な事柄への執着心はあるが、ちょっとした発想は不得手で、既存の技術をシステム化する技術を身につけないと世界的競争時代に存在できなくなるような気がする。
以下Forbesの紹介::::
チャットボットとは
チャットボットとはスマホなどで、メッセンジャーやチャットを元にしたインターフェース – 例) LINE, Facebook Messanger, SnapChat, Slack等, を活用して提供されるサービスである。ユーザーはまるで生身の人間と”会話するような感覚”で情報収集を行うことができる。最新のものはAIによる高度な会話の実現も可能になっている。
チャットボットの画面例

注目されるきっかけはFacebook社がF8カンファレンス
世の中にチャットボットが広く知られるようになったきっかけは、2016年4月にサンフランシスコにて開催されたF8カンファレンスにてリリースされたFacebook Messangerを利用したチャットボット機能でした。現在では、Facebook Messengerボットの他にも、LINE, Skype, Kik, Telegram等が同様のボットを発表しており、ボットへの注目度が急速に高まっています。
どのようなシーンで利用されるのか?
現在までにすでにいくつかのチャットボット系サービスがリリースされているが、その多くがニュース・情報系、旅行案内系、ショッピング系である。また、AIを活用したヴァーチャルパーソナルアシスタント系のサービスの人気も上がってきています。
チャットボットを利用したサービス例:
- 天気ボット:天気を聞いたらいつでも答えてくれるボット
- 日用品ボット:週ごとに日用品・食料品を注文するのを手伝ってくれるボット
- ニュースボット:面白いニュースがあった際に知らせてくれるボット
- スケジューリングボット:ミーティング・友人との約束など何か予定があるときに教えてくれるボット
- パーソナルアシスタントボット:スケジュールやタスク管理などの秘書の役割をしてくれる
なぜ注目すべきなのか?
チャットボットを利用して得られる情報自体には大きな変化があるわけでもなく、チャットボット系のアプリを通じて提供されるサービスも既存のサイトやアプリでも利用可能でした。しかしながら、モバイルユーザーのデバイス利用に費やす時間の90%近くがメールやメッセンジャー系のチャットUIを実装したアプリという統計もあります。
また、下記のBI Intelligenceの統計によると、2016年にはついにメッセージ系のアプリ利用時間がSNS系のアプリ利用時間を超えたとのことで、これからはメッセージ系アプリ内にサービスを展開することにより、より多くのユーザーへリーチすることが可能になるのです。

これからのUXのスターンダードとしてのチャットインターフェース
また、ユーザーエクスペリエンスの側面からも、今後、ユーザーが求める最適な体験として”チャットインターフェイス”をベースにした利用体験がが辿り着くべき姿だと考えられています。
チャットボットを利用すると何が良いのか?
ではモバイルデバイスにてチャットボットを利用した場合、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか? 簡単に言うと「達成したいゴールへのショートカットが可能になる」という事です。多くのユーザーが画像をレイアウトしたタイプのページよりも、チャット形式のインターフェースの方が馴染みがあるため、より求める結果にストレスを少なく、短時間でたどり着くことが可能になります。
例えば既存のオンラインショッピングの場合、これまでは、下記の様なインターフェースを通じて商品の検索、購入を行なっていました。しかし、これをモバイルの小さな画面で行うのは至難の技です。
既存のモバイル向けECサイト

チャットボット型ECサイトの例 (kik上)
そこで、メッセンジャー系のアプリ内にチャットボットでのオンラインストアを設置すれば、ユーザーとの”対話”で欲しい商品を届けることができ、より多くの売り上げを期待することができるという仕組みです。

上記のチャットボットでは、下記のような会話がユーザーとシステムの間で行われ、ユーザーが求める商品により効率的にたどり着くことが可能になっています。

このように実際にお店の人と会話をしているような感覚で使用することができるため、普通のオンラインショッピングより格段に使いやすくなります。
海外ではすでに利用されているニュース系のチャットボット
チャットボットが威力を発揮するのはECだけではありません。天気予報やニュースなどの情報取得においても、対話型インターフェイスは通常のページよりも、よりパーソナルで短時間での情報獲得を可能にしています。
ニュース系のチャットボット例: TechCrunch

どのようにボットは人としゃべって答えるのか
ボットには主に2つの機能が備わっておりそれらを駆使することによって人との高度な会話を可能にしています。
- 簡単なアルゴリズム: プログラムされたレベルの質問にのみ答えることができる。難しい質問がされた場合はエラーが起こってしまう。
- 自動学習機能: 人工知能 (AI) を使用し言語を理解し会話することが可能。会話している中でさらに学習することができ、自己学習能力も備えている。
機械+人間: チャットボットの基本は機械が返答しているが、カスタマーサポートなど、サービスによっては途中から生身の人間が答えることもある。
これらの方法でユーザーの要求に対して適切な返答を返すことができるようになっています。
ボットを作る際のコツ
ボットを作るときには実はそこまで難しい技術は必要ありません。なぜなら既にボットを簡単に作るサービス等が提供されているからです。チャットボット系のサービスを作成する際により重要になってくるのは、その目的のサービス内容、そしてユーザーに届けるべき正しいユーザー体験(UX)のデザインです。
サービスの目的: 誰に何の目的で使ってもらうのか
チャットボットを作る際に一番重要なのはそのサービスを作る目的です。例えばショッピング用のボットであれば「人々に何かを買ってもらう」ことが目的であり、カスタマーサービス用ボットであれば「お客の質問に適切に答える」ことになります。まずはその目的を明確にすることからサービス作成のプロセスが始まります。
サービス内容: どのような内容でユーザーの目的を達成するのか
そしてユーザーの目的が何であるか、どのようにしてその目的を達成するかを考えます。そのサービスを利用するユーザー像をクリアにし、そのユーザーが求める目的を明確にして、サービス設計を行います。
ユーザー体験(UX): 上記にとってもっともふさわしいユーザー体験とは
もう一つの重要な要素がユーザー体験の設計です。サービスの目的とユーザーの目的が明確になったのであれば、最終的のその目的をもっとも最適に体験するためには、どのようなUXが求められるのか。最大限時間を短縮するような体験が良いのか、それとも少し遊びをもたせたほうがよいのか等、細かな味付けにも気をつける必要があります。
例えば、天気予報アプリのPonchoは、現在地を知らせると「あー、僕の元カノもサンフランシスコ出身なんだよね!」などと答える、遊び心を重要視したかなりふざけたアプリになっています。この辺の味付けがチャットボットを設計する際には非常に重要なファクターになってきます。
遊び心満載の天気予報アプリ: Poncho
