小中学生にソフト開発を教えるよりも、コンピュータとは何かの勉強になるのでRassberryPiを使ったシステム開発のほうが良い。しかも値段が安く、通常のPCと同じインターフェース 表示系、外部記憶系、通信系と一通り備わっているし、簡単な応用事例集もたくさんある。ちょっと複雑で便利な電子機器と言うのもあろう。大学生がアルバイトで製品開発をして学費稼ぎにもなろう。
値段は、上位モデルの「Raspberry Pi 3 Model B+」は35ドル、無線LANとBluetoothでの通信が可能な「Raspberry Pi Zero W」は10ドル、エントリーモデルの「Raspberry Pi Zero」はたったの5ドル。
- 試作品開発の支援
- 少量生産、高価格製品への組み込み
- 産業用PCの代替
- クラウドとBluetoothデバイスをつなぐ仲介機器
- 小型の多用途サーバ
用途1.試作品開発の支援
Raspberry PiはUSB端子、イーサネット端子、HDMI端子、拡張カード追加用の端子など、さまざまな端子を備える。40ドル弱のRaspberry Piを購入して手近な工作室に行けば、迅速かつ低コストの概念実証(PoC)が可能になる。
用途2.少量生産、高価格製品への組み込み
40ドル弱という価格を考えると、Raspberry Piを比較的安価な製品に組み込むのは、ビジネスとして採算が取れない。製品を100ドル前後で小売り販売するとしたら、卸売業者がメーカーに支払う金額は50ドル程度にとどまる可能性がある。そうなると、Raspberry Piに40ドル弱を負担していては、ほとんど利益が得られない。
数千ドルのハイエンドな製品の開発なら、40ドル弱の投資はささいだ。Raspberry Piには、汎用(はんよう)入出力(GPIO)のような多様な制御機能や拡張機能があり、開発の時間とコストを大幅に削減できる。
用途3.産業用PCの代替
Raspberry Piとモニター、キーボードを組み合わせて、安価で簡単な、信頼性のあるクライアントPCを作成できる。Raspberry Piはモデルによっては、ワークステーションとの間で簡単にデータのコピーや共有ができるSDメモリーカードスロットも備えている。 工場でも、製品の製造を円滑にする目的でRaspberry Piが導入されている。工場で一般的に利用されている産業用PCの代わりにRaspberry Piを導入することで、数1000ドルの節約になる可能性がある。
用途4.クラウドとBluetoothデバイスをつなぐ仲介機器
Bluetoothでの通信機能は備えているものの、インターネットにアクセスできないデバイスがあるとする。こうしたデバイスには、クラウドのサーバからファームウェアやデータを更新する方法がない。接続手段が必要だ。
Raspberry Piは、こうしたデバイスとクラウドとをつなぐ、優れた仲介機器になる。簡単なコードを作成するだけで、Webサーバから自動的にアップデートなどのデータをダウンロードし、そのデータをBluetoothデバイスに送り込むことができる。これはクラウドとBluetoothデバイス間で、データを自動的に受け渡しする安価な手段になる。
用途5.小型の多用途サーバ手頃な価格、
コンパクトなサイズ、少ない消費電力を特徴とするRaspberry Piは、優れた小型サーバになる。研究開発施設内でのデータのログ記録、製品のテストデータの保管などに、Raspberry Piを使用している企業は少なからず存在する。開発者はRaspberry Piで本番サーバをエミュレーションして、その環境にテストデータを転送すれば、実際のデータを破損せずに済む。
Raspberry Piは、速度要件を問わないWebサーバやバックアップサーバ、NAS(ネットワーク接続ストレージ)サーバに適する。