ダイアモンドも日本企業、じり貧と言う認識。ほとんどの人がそういう認識をしているが、その中で社員が生き残る方法を説いていた。唯一、自民党は解っていらっしゃらない。

日本企業の不幸はみんな同じ?:::::::::::

現在の日本では人口減少から需要が減退し、この先、多くの企業で国内売上の低迷と過当競争が避けられない状況にある。

バブルの折には、それなりの大企業はこぞって多角経営をし、海外に進出した。しかし、バブルは弾け、多角化もグローバル化も失敗し、莫大な特損を出して沈んだ。その後は本業回帰を叫び、同時にコストダウンのため、正社員を減らして、外注化で収益力を高めた。そして、国内依存ではやはり将来がないと考え、海外市場に再チャレンジをしたが、グローバル化に成功した企業は少ない。しかし、やはりこのままではいけないと今度はM&Aを中心に海外や新領域への進出を図るものの、失敗と復興を繰り返してきたのである。

10年前にはリーマンショックの到来で、いよいよ終わりか……と思ったところに、金融緩和と円安誘導による景気回復で息を吹き返し、なんとか今はうまくいっているように見える。しかしどの企業も車裏い展望は見えておらず、相変わらず、次の手を探している状況。

新規事業はタブーの歴史社内にノウハウが蓄積されない::::::::::: 

結局、多少の内部留保がある企業では、経営陣は思いついたように「新しいことがやりたい」と言う。しかし新規事業に投資するといっても、幹部層の中には新規事業を成功させた者がほとんどいないから、どう進めていいかわからない。そこで研修に出てこい、と言って送り出す。そんなことから、事業開発の研修はどこも盛況だし、事業開発のためのコラボレーションを売りにした共同オフィスなどもたいへんな人気だ。

 しかしながら、これまで新規事業は、やってもやっても、結局失敗して赤字になることを運命づけられた鬼子であったのだ。そのため過去の歴史から会社には数限りないタブーが蓄積されているのである。なにか新しいアイデアが出ても、「ああ、それは以前すでにやって失敗したからダメ」と言われてしまう 例えば「ミャンマーに出たい」と提案すると「東南アジアは、政府関係者とのつきあいが難しく、以前ヒドい目にあったからやらない」と言われる。ヒドい目にあったのは10年前の某国であって、今日のミャンマーではなくても同じように扱われてNGを出されるのである。

 ベンチャーと合弁を作りたいと言うと、「いやいや、ベンチャー企業のオーナーというのは自分勝手で、1つのことをやり遂げないからダメだ。前にもこんな会社とこんなことをして大失敗した」などと言われてGOサインが出ない。

 新規事業をやらなければと思う企業は多いようだが、現実の仕事のプロセスでは、上記のようなタブーが蒸し返されて四方八方から潰されてしまう。以前とは一体いつのことか、ベンチャーの社長といってもいろいろいるだろう、などと首をかしげざるを得ないのだが、とにかくそう言われるのだ。

 できることは本業の収益性を高めることだが、同業他社も同じように頑張り、大して差別化できないから、競い合って売り上げは伸びない。そうすればコストダウンしかない。ポストは増えず、給与もさして上がらない。そして、お茶を濁したような新規事業(や新商品)はやるが、大型の投資を要する新規事業には乗り出さないのが「不幸な会社の共通の姿」である。

 もちろんそうでない会社もある。ジリ貧だったのに、一発逆転できた会社だ。ミクシィも気息奄々だったが、モンストで甦った。富士フイルムも写真フィルムから医療領域への注力や化粧品で起死回生を遂げた。大型スポンサーを獲得したJリーグもそうかもしれない。思えばIBMもアップルも、不振時代を乗り越えた経緯がある。ただ、これらはごくごく一部にすぎない。しかもどの企業もそれなりの蓄えがあり、能力のある経営者と社員が社内にいるときのチャレンジだったからこそ、乾坤一擲の勝負ができたとも言える。じりじりと体力と能力が奪われてしまって、さらには気力もうせたあとの一発逆転は難しいかもしれない。

ジリ貧企業に所属する普通の個人はどう生きればよいのだろうか。大まかには3つのシナリオがある。

1)大きな流れの前にあっては個人の能力など無力と考え、さっさと転職する。
2)救国の英雄になるべく努力し、自ら新規事業を起こして会社を復活させる。
3)持ち場で全力を尽くして、思いもよらない何か良い展開が起こるのを待つ。

2)は、 AIやIoTやビッグデータ解析などテクノロジーの進展はビジネスの形態を変えつつある。ルールが変わったのだから、やれることはいくらでもあるはずなのだ。しかし、こうした新しいテクノロジーの利用に際しては、会社の偉い人たちはかなり懐疑的だろうし、知見も(まったく)ない。話をしても理解すらしてくれない可能性が高いだろう。お金も人ももらえず、現場からの協力も得られない新規事業担当者ほどみじめなものはない。そして失敗したら左遷され閑職に追いやられるのだから、まずやめておいたほうが無難だ。

 3)のは、古典的だが、与えられた分野で業績を挙げれば、チャン背うがひろがる。