広報邂逅記

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ブログ160402 あさが来た 最終回にあたり

2016-04-11 23:08:03 | 食べ物




NHKの連続ドラマ「あさが来た」
年末年始にダイジェスト版を観てしまったのが、運のつきで(笑)正月明けからは、週末にお得意のTOSHIBAタイムシフトで毎週欠かさずに楽しみに観るようになってしまった。。。

五代様が亡くなってしまったのは残念だが、個人的にはあさの旦那様である飄々とした新次郎の役柄が好き。
もちろん、玉木宏の好演のお陰もある。
あんな、旦那様はなかなかいない。
凸凹がいいと言うが、まさに男女逆転でしっくりいくし、後半は新次郎が大きな懐であさを暖かく包み込み見守る姿がもてもいい。
ダメダメ若旦那かと思いきや、いやいや誰よりも男っ振りが良かったかも。
やはり、人間はお人柄なんだと言うことをあらためて示してくれた。

下記は、玉木宏さんが語った撮影秘話を抜粋したものです。
玉木宏さんの言葉も添えられると益々“新次郎”の良さが伝わってくる。

ところで、「あさが来た」の最終週だが、新次郎さんの亡くなるシーンまでは良かったが、ドラマにありがちだが、ごたくに漏れず「あさが来た」の最終回4月2日もいまいちな終わりかただった。

なんで最終回って、つまんない( -_・)?んだろうか?不思議。。。


何はともあれ、久振りに面白く愉しいドラマであった。




玉木宏が語り尽くす『あさが来た』撮影秘話

03.30 NHKホームページより

「ワテは何にもしてまへんから」いつもそう言って微笑んでいた。情けないボンボンかと思わせておいて、締めるところは締める。五代さんもよかったけど、やっぱり新ちゃん、あんたが最高だった。


■ゴールの見えない撮影現場で

「新次郎は、柔らかい力を持った男です。炭坑であさのほっぺたをつねりながら『あんたの武器は、このやらかい大福もちだす』と言う場面がありましたが、柔らかいという言葉が『あさが来た』の一つのキーワードだと思っています。

新次郎は、相手を嫌な気持ちにさせない人。いつも周りの空気を読んでいて、『わては何もしてまへん』と言ってはいるけれど、何も言わず、実行する。無言実行ですね。それがとてもスマートで、撮影を通して彼の生き様のほうがすごく男らしいと考えるようになりました」

さっぱりとした顔つきで笑う。俳優、玉木宏。4月2日に最終回を迎える連続テレビ小説『あさが来た』でヒロイン・白岡あさ(波瑠)の夫・新次郎を演じてきた。

『あさが来た』には、女だてらに実業家を目指すあさを始め、大阪経済の父・五代友厚(ディーン・フジオカ)、お調子者の番頭・亀助(三宅弘城)など、個性あふれるキャラクターが揃う。一歩間違うと破茶滅茶になりそうな物語は、新次郎の立ち回りでうまく展開していく。まさに、ドラマを支える本作のMVPと言える存在だったのではないか。

撮影は主にNHK大阪放送局内のスタジオで行われたが、劇中だけでなく、実際の撮影現場においても玉木なりの心遣いがあった。


「ドラマの後半は世代交代が進み、小芝風花さん(あさ夫婦の一人娘・千代役)や工藤阿須加さん(東柳啓介役)といった途中参加組がたくさん現場入りしてきました。僕もドラマでゲスト出演したことがありますが、途中参加というのは始めはどうしても居心地が悪い。

ですから、時間を見つけては、今までの演者と新しいメンバーで食事に出かけるようにしていましたね。焼き肉を食べに行くことが多かったでしょうか。ほかにも、控え室でみんながつまめるように、駄菓子を差し入れたり。そうするうちに、次第にみんな打ち解けていきました」

同作は週間平均視聴率23・7%と最後まで好調が続いた。しかし、実力派俳優として知られる玉木にとっても、朝ドラの現場は想像以上に過酷なものだったという。

「正直に言うと、楽しいだけではありませんでした。長丁場の撮影ですから、季節や天候も変わっていく。夜中まで続く撮影はゴールが見えず、いったいどれだけ撮ればいいんだと途方に暮れることもありました。

『よう頑張りましたな』。クランクアップを迎え、まず波瑠さんに掛けた言葉です。彼女は面には出しませんでしたが、体調的にも精神的にも追い込まれ、苦しんでいるのを何度も見てきましたから……。僕が十分フォローできたかは分かりませんが、苦闘を知っている人間として自然と口に出てきました。

波瑠さんは泣いていて、それを見て僕ももらい泣きしてしまった。振り返って(脚本家の)大森(美香)さんを見ると、大森さんも泣いている。それを見て、またもらい泣きしてしまうという連鎖に(笑)。

今までいろいろな作品を演じさせてもらいましたが、涙が出るということは、数えるほどしかありません。それくらい役と向き合い、作品と向き合い、臨んできた11ヵ月だったんですね。



■新次郎はチャーミング

放送が始まったばかりの頃、プロデューサーは『あさが来た』の見所はデコボコ夫婦の面白さなんだ、とおっしゃっていました。デコボコというのは記号で表すと凸凹で、向き合わせると一つの形になります。ですから、あさと新次郎は似たもの夫婦ではなく、足りないところを補って一つになれればいいと思っていました」

新次郎を演じるうえで、長丁場だからこそ、一貫性のある人物だと視聴者に思ってもらえるよう心を砕いた。

「朝ドラという環境は、これだけ長い間演じるわけですから、役の解釈は誰よりも演じる本人が一番徹底して行わなければいけません。周りはもしかしたら見落としているようなことでも、自分が役の人柄を感じて演じなければその役を成立させられない、ということがだんだんと分かってきました。

大森さんの書いた世界を崩すということではありません。台本の合間合間に、この一言があったほうがいいのかな、という感じでアドリブが出るんですね。ずっと役を繋いできたので、今までの流れからすると、こういうことを言ってもおかしくない、むしろこういう言葉のほうが合っているんじゃないかと肌で感じるようになるとでもいうか……。

たとえば加野屋の廊下で千代の恋する東柳啓介と初めて対峙した場面もそう。

『帝大生の東柳啓介です』と名乗られ、『わ、わてはおとうちゃんの白岡新次郎だす』と返すところは、そういう言い方に変えさせてもらったんです。相手にはちゃんと肩書があって、でも新次郎にはない(笑)。だから慌てて『おとうちゃん』と肩書を付けて、張り合おうとする感じ。

台本上は『はじめまして』くらいでしたが、もうちょっとチャーミングに見えたほうが良いんだろうな、と」



■あの涙が意味するもの

本誌が昨年11月に行った取材では、玉木はあさが身ごもったことを知って、炭坑へ駆けつけた場面を挙げ、「父親になることが、新次郎の人生のターニングポイント」と語っていた。

「千代が生まれ、反抗期を迎え、そして結婚して巣立っていく。朝ドラはホームドラマですから、世代交代をして盛り上がっていきます。

一方で、自分自身は死期というものを考え始めなければいけない。おとうちゃん(正吉)が亡くなったときや、五代さんが亡くなったときは、ただ悲しみに明け暮れるだけでした。

それが3月18日放送の回でよのさんが亡くなったときは少し違った。自分の人生の先も見据えて、どこか悟っている状態になっているんです。悲しいだけでなく、受け入れていくということをもうお芝居の中でしている段階ですね。

そう考えると、もう一つのターニングポイントとなったのはあさが生死の境をさまよう場面でしょうか……」

萬谷与左衛門(ラサール石井)に刺され、あさは意識不明の危篤状態に陥る。あさの傍ら、新次郎はしっかりと手を握り「わてな、知ってる思うけど、あんたに惚れてます」と涙ながらに語りかける。

「あんたのすることな、何でも応援してあげる。何にも怒らへん。そやけどな、わてより先に死ぬことだけは、金輪際許さへんで。許さへん。わて置いていったら許さへんで」

いつもと違う新次郎の真剣な姿は視聴者の大きな反響を呼んだ。

「素直な心を打ち明けることの少ない男なので、本当にどストレートな言葉でした。あれほど思いの丈をぶつける新次郎はそれまでになかった」

新次郎の思いが通じ、病床のあさは意識を取り戻す。抱き合う二人に朝日が差し込む演出が印象的だった。

クランクアップを迎えた今、『あさが来た』というタイトルに込められた意味をどう考えているのだろうか。

「非常に難しい質問ですね……。『九転び十起き』という言葉も、ドラマの大きなテーマになっています。あさほど波瀾万丈な人生はそうないかもしれませんが、みんなそれぞれの人生を生きていて、毎日いろいろなことが起こる。良いことも悪いこともある中で、モチベーションを保って前に進んでいかなければいけないんです。

鈴木梨央ちゃんの演じる子供時代のあさに『ようよう考えて進んだ道には、必ず新しい朝が来る』と語りかけましたが、前を向いて進んでいれば、いつか朝を迎える。

当たり前のことかもしれませんが、時間が経って朝を迎えるうちに、悲しみだって薄れ、人は大人になっていく。本当に朝ドラにふさわしいタイトルだったと思います」

新次郎役を通して新たな一面を見せた玉木。実は、『あさが来た』の撮影初期は、二足のわらじを履く日々だったという。

6月4日に公開される主演映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』の探偵・御手洗潔役のことだ。

「『探偵ミタライの事件簿』は昨年4月から撮り始め、『あさが来た』のクランクインと被っていたんです。役柄も全く異なり、飄々とした新次郎に対して、御手洗はにこりともしない。

僕はもともと器用なほうではないので、作品が二つ重なることはあまりないのですが、こうなってはやるしかないと腹をくくりました。とはいっても、どうしていたか正直無我夢中で覚えていない(笑)。ただ、時代劇と現代劇なので、差は付けやすかったかな、と。現代劇と現代劇、ましてや両方東京が舞台ですと、ややこしかったでしょうね……。

新次郎のイメージで映画を見ると、ギャップしか感じないかもしれません。特に終盤の新次郎は、年齢を重ねるにつれ、台詞のトーンも下げ、会話のペースも落としていますから」


■巡りあえて良かった


ドラマはいよいよ最終週を迎える。通常は報道陣に公開される最終収録が今回は非公開だったことも話題を呼んでいる。どのような大団円が待っているのか。そして、新次郎の去就はどうなるのだろうか。

「新次郎にも、健康面の陰りが見えてきます。あさからも『病院に行きなはれ』と心配されて。

新次郎役のオファーが来た段階では、彼の死を演じるかどうかは決まっていなかったんです。年老いたところまでは演じるのですが、早めに亡くなってしまうのか、最終回まで生き続けるのかは、分かりませんでした。

でもね、最終週を読んで僕は感動しました。大森さんのメッセージがすごく込められた台本だったので……。これ以上の最終週はないと思います。きっと大森さんの中では、着地点はある時点から見えていて、そうコントロールして着地されたと思うのです。そして、僕ら演者も同じ考えでした。これ以上のラストはないでしょうね」

『あさが来た』の終了に伴う、「あさロス」がいまから懸念されている。

「大丈夫、あさロスを迎えても、また新しい朝が来ます(笑)。放送が終わった次の次の日には『とと姉ちゃん』が始まりますから元気を出してください!

でも、そう言っていただけるような作品に巡りあえて良かったと思います。撮影の最中は、視聴者の方の反応も何となく聞こえ、もちろん励みになっていましたが、ただひたすら撮っていかなければいけなかったんです……。いま全て終わって、結果として、この作品に関われて本当に良かった。

ずっと大阪に身を置いた合宿生活のような日々で、一言でいえば、青春のような、すごく濃密な時間でした」

たまき・ひろし/'80年愛知県生まれ。'98年に俳優デビュー。主な出演作に、映画『ウォーターボーイズ』『のだめカンタービレ』など。6月4日に主演映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』が公開予定

「週刊現代」2016年4月9日号より
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