明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

温泉旅行、3人で行くはずが・・・

2023-05-12 | 旅行
結論を先に言えば、2人で行くことになってしまった。
連休明けの旅行日和、楽しいはずの温泉行きが・・・まぁそれなりに楽しんだけど。
ちょっと残念、いろいろ考えさせられた出来事ではあった。



始まりは「たびとも」のIさんからのLINE。
「Eさんが温泉に行きたいと言ってるので、一泊でどこか行きませんか」

「え、行けるものなら行きたいけど大丈夫?」
去年会った時のEさんは歩くのはおろか、立っているのもやっとという感じだったし、
Iさんも脊柱管狭窄症で調子が悪かった。
もうこの3人での旅行は無理と思ったものだ。

去年の記事↓
たった2年、されど2年(2022.06.24)


Iさんが電話でEさんと話したところによると、
薬の影響で頻尿気味だがトイレ休憩があれば大丈夫、
こないだも娘さんの車で栃木の息子のところまで行った、
電車は階段の上り下りがあるからバスのほうがいいと言っていると。

本当に?
好きな時にトイレ休憩できる自家用車とバスとでは訳が違うけど。

「そういうあなたの脚は大丈夫? 辛そうやったけど」
今は調子がいいから大丈夫、とIさん。
もしEさんが行くなら、「湯快リゾート」ならバスで宿まで直行だから歩かなくて済むという。

Eさん曰く、不安がないわけではないがバスだったら行けそうと。
温泉入ってゴハン食べて、おしゃべりしたいと。

ふーむ。
Eさんはそれでいいとしても、私とIさんはちゃんとEさんをサポート出来るだろうか。
要介護2のEさんがコケたり歩けなくなったりしたらどうしよう。
宿では車椅子を借りるとして、無事に帰ってこられるかしら。
これでもしIさんまで調子悪くなったら・・・
なんかもう気分は温泉でノンビリどころではなくなってきた。

でもせっかく行きたい気分なのだから、じゃあ近いところで白浜でも行く? 



湯快リゾートの白浜行きバスは京都→新大阪→天王寺とお客を拾いながら宿まで直行する。
IさんとEさんは京都から乗り、私は新大阪から合流。
京都からだと約5時間のバス旅だ。
連休明けだし、渋滞もないだろう。
よし、白浜にしようということになった。


旅行当日。快晴
そろそろ家を出ようとしていたらIさんから電話。
ドキッ、悪い予感が・・・。
「Eさん、バスに乗れませんでした」
「えー!なんで?」
「あれだけ乗り場は八条口と言ったのに、中央口で待ってはった。
 早く八条口まで来て、と言ったけどEさん、無理やよう行かんて。
 バスの運転手さんに出発を待ってもらってたけど、これ以上は無理と言われて
 今、私だけ乗ってます」

ああ~やっぱり。何か起こると思ってた。
不安的中。

娘さんはEさんを中央口(駅の北側)に降ろして行ってしまった。
八条口(南側)まで、人の群れの中を足の悪いEさんひとりでの移動は無理だ。

「タクシーに乗って八条口まで来て、て言うたんやけどよう乗らへんて。
 私もバスに乗らずにEさんと新幹線に乗って新大阪まで行ったらよかった。
 きっと間に合ってたと思うわ。今やから思いつくけどあの時はもう頭真っ白で。
 あれだけなんべんも八条口、八条口て念押したのに、なんでやのん」

バスの中で責任感じて落ち込むIさん。
しょうがないよあなたのせいじゃないと慰めつつも、
しょっぱなからなんでこうなるかなぁと。
デイの送迎じゃないけど、身体が不自由ならやっぱり人から人へ対面で送り出し、
迎え入れないといけなかったのだ。
今、Eさんはどんな気持ちでいるだろうと思うと、私もどんよりしてしまった。





気持ちを切り替えて。
2人ならどこでも行ける。パンダでも見に行く?
バスの1日フリー乗車券を買い、アドベンチャーワールドへ行こうとしたら
運転手さん、「連休中頑張ったからパンダお疲れ。今日は休みやよ」
ガクッ。まぁ別にパンダ見なくてもいいし。
終点の三段壁まで行き、そこから海沿いの道を歩いて、途中バスに出合ったら乗って、
テキトーにごはん食べたりお茶したりして、ブラブラ行こか。



ところがこの辺、元々飲食店が少ないうえにパンダがお休みならお店もお休みなのよね。
おまけにバスもなかなか来ない。天気は良すぎる。
干からびそうになりながら地元の人にバス停はどこか、飲食店はどこか、尋ねながら歩く。
ようやくバス停を見つけ、一時間に一本のバスが10分待ちで来るとわかった時にはもう、
太川&蛭子みたいな心境に。
でも行き当たりばったりもドキドキで面白かった(^0^)


円月島。このあたりのバスがナカッタ。


後でわかったこと。
娘さんが「八条口でしょ」と言ったのにEさんが中央口と言い張るから、
おかしいと思いながらも娘さんは中央口で降ろしたらしい。
私たちと何度か中央口で待ち合わせたことがあったので、勘違いした or 思い込んだのだろう。
頭もアカンようになったと自分を責めるEさん。
「京都駅からどうやって家まで帰ったんですか?」
「タクシー乗った」
あら、タクシーひとりで乗れるやん。その能力をあの時発揮していれば・・・。



「次はゼッタイ行きたいて言うてはる。次は京都近辺にしよ。
 Eさんの家まで押しかけて私の車で送迎するわ」とIさん。

うーん、次は果たしてあるのか~!? 
しばらくはちょっと勘弁してほしい(ホンネ)。

気軽に旅行と言うけれど、Eさんはこれからはサポート体制の整った、
例えば看護師同行のツアーとかに参加したほうがいいかも。
ホテルの浴場は階段でしか行けない場所にあったし、部屋もバリアフリーじゃなかったし。
気軽にどこでもという訳にはいかない段階に来ていると思う。


つくづく自分の足でどこでも行ける歩ける幸せを嚙みしめた旅でもあり。
太かろうが短かろうが、ちゃんと動いてくれる我が足に感謝した。