我が家には、「暫定箱」というものがある。
例えば、電気、水道などの検針表、あとでゆっくり読みたいダイレクトメールなどを暫定的に入れておく箱。
今の住まいへ引越したばかりのとき、ゴタゴタの部屋の中で紛失してしまったら大変と、大事な書類などを入れておいたのがきっかけだった。
でも、まめに片付けができないずぼらな私は、その後もずっと使っている。
数ヵ月に一度、箱の中身を全部出して分類し、ファイルなどに閉じたり、不要なものは処分している。
先日も片付けをしようと「暫定箱」をひっくり返したら、一枚の新聞の切り抜きが出てきた。
『P.S.アイラヴユー』という本の書籍広告だった。
著者はセシリア・アハーン、訳は林真理子。
そこには、こう書かれている。
最愛の彼は逝ってしまった。10通の手紙を残して。
最愛の夫を喪い、絶望にうちひしがれるホリーに届いた10通の手紙。一度に読んではいけない。3月、4月……毎月1通ずつ開封すること。そう記された手紙の最後には、いつも"P.S. I love you."
ずっと前に、読みたい本の候補として私が切り抜いておいたもので、図書館に本がなかったためそのまま仕舞い込み、すっかり忘れていた。
新聞を切り抜いて取っておくというのは、私としてはすごく珍しい行為。
そのときは、どうしても読みたかった。
が、家の書棚にこれ以上本を増やさないと決めていたので、購入をあきらめていた。
図書館のHPで再び本の検索をしたら、書架にあることがわかり、すぐに借りに出かけた。
カタカナが苦手な私は、翻訳本を読むと、人名やら地名やら、いろいろこんがらがってしまう。
けど、この本はそんな混乱もなく、一気に読めた。
それぞれの人物、特に主人公の心の内がとても素直に描けていると感じた。
おそらく、著者自身が常に内省し、自分としっかり向き合っているのではないか、そう思った。
あとがきで、林真理子氏が「苦言を呈するが…」と前置きし、著者に対して厳しいことを書きながらも、彼女のみずみずしさを褒めている。
今、何が一番欲しい? と訊かれたら、私は、「彼女のようなピュアな感性」と答える。
例えば、電気、水道などの検針表、あとでゆっくり読みたいダイレクトメールなどを暫定的に入れておく箱。
今の住まいへ引越したばかりのとき、ゴタゴタの部屋の中で紛失してしまったら大変と、大事な書類などを入れておいたのがきっかけだった。
でも、まめに片付けができないずぼらな私は、その後もずっと使っている。
数ヵ月に一度、箱の中身を全部出して分類し、ファイルなどに閉じたり、不要なものは処分している。
先日も片付けをしようと「暫定箱」をひっくり返したら、一枚の新聞の切り抜きが出てきた。
『P.S.アイラヴユー』という本の書籍広告だった。
著者はセシリア・アハーン、訳は林真理子。
そこには、こう書かれている。
最愛の彼は逝ってしまった。10通の手紙を残して。
最愛の夫を喪い、絶望にうちひしがれるホリーに届いた10通の手紙。一度に読んではいけない。3月、4月……毎月1通ずつ開封すること。そう記された手紙の最後には、いつも"P.S. I love you."
ずっと前に、読みたい本の候補として私が切り抜いておいたもので、図書館に本がなかったためそのまま仕舞い込み、すっかり忘れていた。
新聞を切り抜いて取っておくというのは、私としてはすごく珍しい行為。
そのときは、どうしても読みたかった。
が、家の書棚にこれ以上本を増やさないと決めていたので、購入をあきらめていた。
図書館のHPで再び本の検索をしたら、書架にあることがわかり、すぐに借りに出かけた。
カタカナが苦手な私は、翻訳本を読むと、人名やら地名やら、いろいろこんがらがってしまう。
けど、この本はそんな混乱もなく、一気に読めた。
それぞれの人物、特に主人公の心の内がとても素直に描けていると感じた。
おそらく、著者自身が常に内省し、自分としっかり向き合っているのではないか、そう思った。
あとがきで、林真理子氏が「苦言を呈するが…」と前置きし、著者に対して厳しいことを書きながらも、彼女のみずみずしさを褒めている。
今、何が一番欲しい? と訊かれたら、私は、「彼女のようなピュアな感性」と答える。