12月7日は二十四節気の一つ「大雪(たいせつ)」です。
そこで、この「大雪(たいせつ)」と「雪の美学」について調べました。
「大雪」とは、雪が激しく降り始める頃という意味で、暦便覧にも、「雪いよいよ降り重なる折からなれば也」と説明しています。
この頃になると、山々は雪の衣をまとって冬の姿となり、朝夕には池や川に氷が見られるようになります。 平地で霜柱を踏み始めるのもこの頃と言われています。
大阪南部の熊取では降雪を見ることは殆どありませんが、今日は、日本人の雪についての美学(感じ方)をご紹介します。
・「六花(りっか)」
雪の結晶には「六花(りっか)」という名前もついています。
これは雪の結晶が六枚の花弁を持つ花のように美しいこと、そして、この美しい花もやがて消えてしまう儚さに、愛(いと)しみを感じてこのように呼ばれているよう
です。
・「風花(かざはな)」
「風花(かざはな)」とは、空から舞い落ちる雪や風上(かざかみ)の降雪地から風に送られて、まばらに飛来する雪のことで、すくい取ろうとしてもすぐに融けて
しまう「幻の花」です。
雪の結晶の研究家で随筆家の中谷宇吉郎は、「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残しています。
北海道大学で雪の研究をしていた中谷教授は、3,000枚もの雪の結晶の写真を撮り研究してきました。
その結果、降ってきた雪の結晶の形を見れば、その結晶が成長した雲の状態が推定できることからこの言葉を残したそうです。
・「垂り雪(しずりゆき)」
雪が積もるとシーンとした静けさがを感じると思いますが、これは雪の結晶の小さな隙間に音の振動が吸収されてしまうため、音が遠くに届かないことからこの
静寂が生じるようです。
このため、屋根や木の枝から落ちる雪の音がとても印象的に聞こえます。
このような雪を「垂り雪(しずりゆき)」と呼んで、昔から音の風情を楽しんでいるようです。
・「雪うさぎ」
「雪うさぎ」は雪国の子供の遊びと共に、見立ての美学としての側面があるようです。
丸めた雪に南天で赤い目や耳をつけた「雪うさぎは」、野山の春を待ちわびる気持ちと日本人の細やかな感性を表わしているといわれています。
このように見ると、小さな「雪うさぎ」に息づかいを感じるように思いませんか?
時代は変わっても、日本人の繊細な感性は大切にしたいですね。