昨日、清水寺の森清範貫主(もりせいはんかんす)の揮毫により、「今年の漢字」が発表されました。
「今年の漢字」とは、毎年12月12日の「漢字の日」にあわせて、日本や世界の世相を表す言葉一字を全国から募集して、その中から一番多いものを発表しているものです。
今年の応募者数は161,365通で過去最高の応募があり、そのうち14,093通で8.73%占めた「新(しん・あたらしい)」が今年の漢字に選ばれました。
今年は、日本漢字能力検定協会の大久保昇前理事長親子による不正経理問題が発覚し、発表が危ぶまれましたが、鬼追新理事長が就任して、協会は生まれ変わることを条件に例年通り発表となったものです。
・年末の風物詩となっている、清水寺の森貫主(もりかんす)による揮毫です。(共同通信HPより)
「今年の漢字」に「新(しん・あたらしい)」が選ばれたその背景には、政権が自民党から民主党になった「新」政権の発足や、アメリカ合衆国の「新」大統領に
オバマ氏が就任するなど、政治や社会の一新に加え、「新型インフルエンザの流行」、「高速水着による競泳の世界新記録ダッシュ」、「イチロー選手の連続200本安打の新記録」などといった世相からで、更に、「新」の文字は入っていないものの、心機一転しなければという日本漢字能力検定協会への思いも込められているように言われています。
なお、1995年(平成7年)に発表された第1回目の「今年の漢字」には「震(しん・ふるえる)」が選ばれましたが、これは、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、
金融機関の倒産などがあり、社会不安が拡大したことが背景になっています。
参考までに、昨年までの「今年の漢字」一字と主な出来事をご紹介します。
1995年(平成 7年)「震(しん・ふるえる)」 阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件
1996年(平成 8年)「食(ショク・たべる)」 O157による集団食中毒事件発生
1997年(平成 9年)「倒(トウ・たおれる)」 大型企業の倒産や山一證券の廃業
1998年(平成10年)「毒(ドク)」 和歌山毒物カレー事件発生
1999年(平成11年)「末(マツ・すえ)」 1000年代、1900年代、1990年代の最後
2000年(平成12年)「金(キン・かね)」 シドニーオリンピックで谷亮子、橋尚子が金メダル獲得、きんさん、ぎんさん逝去
2001年(平成13年)「戦(セン・たたかう)」 アメリカ同時多発テロ発生、対テロ戦争
2002年(平成14年)「帰(キ・かえる)」 北朝鮮の拉致被害者が帰国
2003年(平成15年)「虎(コ・とら)」 イラク戦争勃発、「虎の尾を踏む」ような自衛隊派遣
2004年(平成16年)「災(サイ・わざわい)」 新潟県中部地震発生、台風23号の被害
2005年(平成17年)「愛(アイ・いとしい)」 愛知県で「愛・地球博」開催、紀宮内親王のご結婚
2006年(平成18年)「命(メイ・いのち)」 悠仁親王のご誕生、小学生・中学生の自殺多発
2007年(平成19年)「偽(ギ・いつわる)」 食品表示偽装が多発
2008年(平成20年)「変(へん・かわる)」 日本の首相交代や次期アメリカ大統領のChange(変革)
2009年(平成21年)「新(しん・あたらしい)」