昨日のNHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」で「屈原(くつげん)故事」を説明するシーンがありました。
そのシーンとは、息子に赤紙が届いたので、出征する前に美味しいものを食べさせたいと、柿の葉寿司を作ろうとしたのですが、柿の葉が無いことからササの葉で作った粽(ちまき)を食べさせるシーンです。
粽(ちまき)の謂れと粽には「難を避ける」という意味が込められていることの説明に「屈原(くつげん)故事」を持ちだしたものでした。
私は「屈原(くつげん)故事」を全く知らなかったので早速調べてみました。
その故事とは、次のようなものです。
今から2300年くらい前、中国が戦国時代だった頃に楚国という国があり、屈原(くつげん)という人がいたそうです。
賢人だった屈原は、楚国王(そこくおう)の乱行ぶりに我慢ができず、ある日、王を諌めようと忠告しました。
しかし、それは王の逆鱗にふれてしまい、屈原は江南の地へ流刑されました。そして屈原は王を慕いながら、ベキラ川へ身を投げてしまったのです。
里の人々は屈原を哀れみ、毎年、屈原の命日である5月5日に、竹づつに米を入れたものを水に流して屈原の霊を弔いました。
その後、漢の時代に里の者が川のほとりで屈原の幽霊に出会いました。
その幽霊は、
「里の者が毎年供物を捧げてくれるのは有り難いが、残念なことに私の手許に届く前に蛟龍(こうりゅう)という悪龍に盗まれてしまう。だから、今度からは蛟龍が苦手にしている楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み、五色の糸で縛ってほしい。」と言ったそうです。
里の者は、
「わかりました。」と承知して以来、楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み五色の糸で縛って川へ流したので、無事に屈原の元へ供物が届いたというものです。
これが粽の始まりと伝えられ、その風習は、病気や災厄(さいやく)を除ける大切な宮中行事、端午の節句となったと言われています。
5月5日の端午の節句に作る柏餅と粽(ちまき)の内、柏餅は日本のオリジナルの祝い餅であり、粽は中国の行事とセットで日本へ伝わってきた習慣だそうです。