名刺
2014-08-20 | 雑学
退職してからは名刺を持っていませんが、現役の頃は大変お世話になった小さなカードです。
この名刺、漢字では「名」を「刺す」という物騒な字が使われています。
何故、訪問時や人と接する時に使われるカードに「刺」が使われているのでしょうか?
名刺の起源は中国だと言われています。
すでに7~10世紀(唐の時代)の書物にも登場しているそうで、当時は訪問先が不在のときに木や竹の札に自分の名前を書き、戸口に刺して訪問したことを知らせていました。
その木や竹の札を「刺」と呼んでいたとから「名刺」という呼称となったということです。
ヨーロッパでは名刺が使われ始めたのは17世紀から18世紀だそうで、家を訪ねた際に不在だった場合、トランプのカードの裏に自分の名前やメッセージを書いておいたのが始まりと言われています。
その後このカードがパーティ等の挨拶に使われるようになり、現在の「ビジネスカード」へと変化していったそうです。
そして日本で名刺が使われるようになったのは19世紀初期、江戸時代からです。
和紙に墨で名前だけを手書きしたもので、日本でもまた訪問先が不在のときに、訪問したことを知らせるために使われていたようです。
現代の形に近い印刷された名刺を使うようになったのは幕末(1860年代)の頃からで、自分の名前の上に紋所が入り、使い方も役人たちが外国人と接するために使うようになったということです。
現在のビジネス社会では名刺は不可欠ですが、リタイアして名刺と縁が切れると気持ちが楽になりますね。