らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

ひそみ(顰み)に倣う

2017-07-01 | 雑学

中国故事に「顰み(ひそみ)に倣(なら)う」という諺ががあります。
意味は、ことの良し悪しを考えず、やたらに人まねをすること。また、自分が他人の言動を真似て同じ行動をとることを謙遜していう言葉です。

顰(ひそ)みとは、「眉をひそめること」で、その故事には次のように記されています。
春秋時代(前770年~前403年)、越の国に西施(せいし)という美しい女性がいました。
西施は中国歴史上の四大美女の一人と言われている女性です。

会稽山(かいけいざん)の戦い(前494年)で呉に敗れた越王の勾践(こうせん)は、一計を案じて、呉王の夫差(ふさ)に絶世の美女・西施を献上しました。
夫差はすっかり彼女の美しさにおぼれて、政を怠っている間に、呉は越に滅ぼされたのです。

その西施に纏わることから生まれた諺が「ひそみ(顰み)に倣う」です。

ある時、西施は癪(しゃく:胸部、腹部に起こる激痛)を病んで実家に帰りました。痛む胸を手で押さえ、眉を顰(ひそ)めて歩くのでしたが、それでも流石は美人です。
何とも言われぬ風情で、まことに魅力的であり、村の衆はうっとり見惚れてしまいました。

それを見たのが村でも評判の醜女(しこめ)たちです。
自分たちもあのようにすれば美しく見えるものと眉をひそめて歩きだしたのです。
これには堪りません。
ただでさえ気味が悪く、妖怪とも言うべき女のしかめっ面に、うっとりしていた村の衆は雷に打たれたように身震いして逃げ出し、門を閉ざしてしまったのです。

この寓話から、自分にしっかりした考えもなく、むやみに人真似をすること。また、そのようにして失敗すること。更に相手に対して私もあなたのなされる通りにやりましょう。と謙遜して言う時の言葉にこの諺が使用されるようになりました。

中国ではこの諺があるからでしょうか、現在でも平気でパクリ行為が行われていますが、これも中国2000年の伝統なのですかねェ。