らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

七夕と洗車雨

2017-07-08 | 季節

多くのドイツ人は節約・倹約の生活が暮らしの習慣になっているのだそうです。
その一つに雨の日の愛車の洗車があります。
雨の日の僅かな晴れ間を見つけて、大きなスポンジを取り出すと、車のボディに残っている雨滴を使って、せっせと車体を洗い、窓やミラーを磨きます。
どうしても、雨が降らない晴れ続きの日には、小さなバケツに1杯の水だけで汚れをゆっくり拭き取り、ワックスで磨き上げるのだそうです。

いきなり、雨の日の洗車を取り上げましたが、今日のテーマ「洗車雨(せんしゃう)」は雨の日にクルマを洗う事ではないのです。
「洗車雨」は七夕に関係する言葉なのでご紹介します。

「洗車雨」
7月と言えば「七夕(しちせき)の節句」の行事があり、七夕とは、7月7日の夕方を意味しています。
七夕の行事は、中国に古くから伝わる牽牛・織女星の伝説から発達した乞巧奠(きこうでん)の行事に、日本古来の棚機津女(たなばたつめ)の信仰が混ざり合って形成されたものです。
その七夕の前日の7月6日に降る雨を「洗車雨(せんしゃう)」と言います。

洗車雨は七夕伝説において、彦星(牽牛)が織姫(織女)に会う際に乗って行く牛車を洗う水になぞらえているとされています。
即ち、牽牛は七夕の前日の6日に、翌日、織女と逢うために乗って行く牛車を洗うのですが、その時の洗車の水滴が雨となって地上に降ると言われているのが「洗車雨」なのです。
そして、もし、七夕の当日の7月7日に雨が降れば、その雨は「催涙雨(さいるいう)」または「洒涙雨(さいるいう)」といい、織姫と彦星が流す涙だと伝えられています。

「催涙雨」
七夕伝説では、牽牛と織女は7月7日に年に1度だけ天帝が会うことをゆるし、天の川にどこからかやってきたカササギが橋を架けてくれて会うことができるのですが、ここ数日は、九州北部から見る天の川は大雨のようであり、水かさが増して織姫は渡ることができず、彦星も彼女に会うことができなかったようです。
きっと彦星も織姫も天の川をはさんで大粒の涙を流し、大声で泣いているのだと思います。
その涙(催涙雨)が九州北部に線状降水帯と呼ばれる積乱雲を発生させ、豪雨をもたらしたのかも知れません。

折角、天帝が許した逢瀬なのに、お天道様はひどい事をなさいます。
せめて、「洗車雨」程度の雨にとどめておいてくだされば、今回のような大きな被害は出なかったろうにと悔しくてなりません。
被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。