らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

奨学金制度

2017-07-19 | 時事

安倍首相(自民党総裁)は憲法改正に併せて、幼児から大学などの高等教育までの教育無償化をする考えを示しています。

現在では奨学金制度があって、親の収入が低かったり、学費を親に頼れなかったりするときに借り受けて、卒業後働いて、得た収入から返済するという制度です。
現在、国の奨学金制度を利用している人は2015年度で132万人、貸与された金額は1兆638億円にのぼります。
2013年度以降、国の奨学金制度利用者は微減傾向だそうですが、それでも民間や自治体等の奨学金を合わせると、学生の2人に1人が利用していると言われています。

国の奨学金制度を利用している人は、卒業後、非正規雇用で働くなど、安定した収入が得られない場合、在学中に借りた奨学金の返済が重い負担になってしまうケースも少なくないようです。

そこで、国は今年度から低所得世帯の大学生などを対象に、返済の必要がない「給付型」の奨学金を始めました。
しかし、その対象者は児童養護施設の出身者など、経済的に厳しい一部の学生向けの制度となっています。
来年度からは適用対象者を生活保護世帯にも広げる予定だそうですが、それでも、希望する人全てと言う訳ではありません。

そもそも、奨学金制度とは、以前は育英会制度と呼ばれ、経済的・社会的な理由により教育の機会を得るのが困難な者を対象として援助を行う制度で、日本育英会法に基づいて、主として独立行政法人日本学生支援機構が主体となって運営されているのです。
この育英会制度の目的である、教育の機会を得るのが困難な者全てを対象に貸し付けが行われ、運営されることが望まれるところです。

ところで、日本最古の奨学金制度は、8世紀ごろ律令制の下で設けられた歓学田(かんがくでん)の制度だそうです。
歓学田制度とは、平安時代、学問奨励のため、大学寮・歓学院等に付属させて、諸学生の食糧・費用に充てた田地です。

近代日本の奨学金制度はまだ幕藩体制が残る明治初期に登場した、いわゆる貢進生の制度です。
貢進生(こうしんせい)とは、1870年に各藩からの推薦を受けて大学南校に入学した生徒のことで、大学南校は明治初期の政府所轄の洋学校のことです。
諸藩は優秀な子弟に対して学資金を援助し、貢進生として江戸・東京の大学南校に送り込みました。
その後、時代ともに民間団体や旧藩による奨学制度が充実するようになったそうです。

現在、日本ではOECD(経済協力開発機構)の中でも学生の私費負担が多いと指摘されていることから、給付型奨学金など、教育に対する経済的支援を増やし、学力も意欲もあるのに家庭の事情で進学を諦めざるを得ない状況を改善することが求められています。

但し、国の資金を利用して修学した人は、国の歳費で活動している一部の議員のような反日的な思想を持たないように願いたいものです。