今年3月1日、厚生労働省は日本人の平均寿命が男性80.75歳、女性86.99歳と過去最高を更新したことを公表しました。
都道府県別では男女とも、第1位の長野県と最下位の青森県の平均寿命の差は、男性3.6歳、女性1.84歳で、地域によって差が見られます。
更に、男性と女性の全国の平均寿命差は6.24歳ですが、1位の長野県では6.93歳、最下位の青森県では8.06歳と女性が長くなっています。
この事は婚姻関係があることを前提にすれば、ご主人が亡くなった後、平均で6年から8年ほどは奥様が長生きをし、この期間は、所謂、未亡人になることを意味しています。
おっと、未亡人と言う表現はご主人を亡くされた奥様に大変失礼な言い方をしました。
この言葉はご本人が謙遜して言う言葉であり、第三者が使う言葉ではなかったですね。
今日は「未亡人」と言う言葉の本来の意味について調べました。
夫と死別した女性を「未亡人」と言い、漢字では、未だ亡くなっていない人と書きます。
漢字だけを見ると「生きていたらいけないのか?」と言いたくなるようなこの言葉ですが、何故、女性に対してのみ使用される言葉なのでしょうか?
未亡人と言う言葉が使われている最古の文献は儒教の基本経典である五経の内の一つ、「春秋左氏伝(さしでん)」の魯(ろ)の成公(せいこう)と衛(えい)の定公(ていこう)の箇所です。
それによると「未亡人」とは、夫とともに死ぬべき筈であったが、残っていて未だ死なない人という意で、夫に先立たれた妻が自分の事をへりくだって言う言葉なのです。
それがいつしか「みぼうじん」と読んで夫を亡くした婦人の事を他人が指して言う言葉に変わっていきました。
この言葉の本来の使い方は、謙譲語として自らが「私は未亡人です」というのが、正しい使い方なのです。
従って第3者が使う言葉ではなく、男性中心の封建社会に生まれた本来の言葉の意味からすれば、現在の使い方はまことに失礼な使い方となっているということです。
ご主人を亡くされた奥様に対しては、失礼にならないように気をつけたいですね。