らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

上を下への大騒ぎ

2017-07-13 | 時事

安倍総理周辺では、国家戦略特区における加計学園の獣医学部新設問題を始め、自民党議員の暴言・暴行や閣僚の失言などによる逆風が東京都議会議員選挙での自民党大敗の要因とされ、加えて、各報道機関の世論調査で安倍内閣の支持率が大幅に下落したことで、総理の求心力低下がささやかれています。
官邸では支持率に一喜一憂しないとしていますが、内心では慌てふためいていることでしょう。

さて、この慌てふためき混乱した様を表現する言葉として「上を下への大騒ぎ」がありますが、この慣用句について間違って使用している人が多いようです。
文化庁は毎年国語に関する世論調査を実施していますが、平成27年度の調査で、この慣用句の意味・言い方について質問しています。
その結果、6割以上の人が間違った言い方をしていると言うことなのでご紹介します。

平成27年度の国語に関する世論調査、
「慣用句の意味・言い方」
「混乱したさま」を表現する時、どちらの言い方を使うかという質問をしたところ、次のような結果でした。
                          27年度   18 年度
・(a)「上や下への大騒ぎ」を使う       60.8      58.8
・(b)「上を下への大騒ぎ」を使う       22.5     21.3 (本来の言い方)
・「( a)と(b)の両方とも使う 」           1.5       2.5
・「( a)と(b)のどちらも使わない」        12.7      12.9
・「分からない」                    2.5       4.5

年齢別に見ると,本来の言い方とされる(b:青)の「上を下への大騒ぎ」は全ての年代で(a:赤) の「上や下への大騒ぎ」を下回っており、20 代以下で他の年代より低く1割台前半となっています。
「(a)と(b)のどちらも使わない:紫」は年代が低いほど高くなる傾向があり、20~30 代で2割台、16~19 歳で最も高く33.3%となっています。
この傾向は過去の調査結果(平成18 年度)と比較しても余り変化は見られないということです。

年代別では各年代共に(a:赤)の「上や下への大騒ぎ」を使う  が5割から6割以上となっています。


混乱している様子を「上」「下」を使って表す場合は、「上を下へ」となり、「上を下への大騒ぎ」と表現するのですが、これは、本来なら上にくるはずのものを下にし、下にくるはずのものを上にするくらい混乱している様子ということで、「上を下へ」と表現するのだそうです。
ところが、人々が、あちらへこちらへ慌しく動きまわっている様子をイメージして、「上に行ったり下に行ったり」という意味で「上や下へ」或いは「上へ下へ」としてしまいがちですが、それは誤用となります。

支持率の下落や都議選大敗に加え、九州北部の豪雨災害の発生など、正に安倍総理周辺は「上を下への大騒ぎ」の真っ只中でしょう。
菅官房長官が言われるように一喜一憂することなく、着実に「大騒ぎ」を治めていっていただきたいものです。