らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

舟に刻みて剣を求む

2017-07-06 | 時事

先の都議選では自民党は大敗、小池知事率いる「都民ファーストの会」が大躍進し、自民党に代わって第1党の座を確保しました。
小池知事が記者会見で「期待以上の成果で、都民の理解を得たことに感動すると同時に、責任の重さを痛感する」と話しているように、都民は「都民ファーストの会」主導の都議会に相当大きな期待を寄せているようです。

今回の自民党大敗の要因は、
・加計学園問題を巡る疑惑に安倍政権がきちんと答えなかったことや、通常国会終盤の強引な運営、閉会中審査の拒否などに有権者が不信感を持ったこと。
・都議会自民党が、小池氏の改革に抵抗しているイメージを払拭できなかったこと。
・稲田防衛大臣の応援演説における失言問題。
・豊田議員の暴言、暴行。
・更に、麻生副総理兼財務相や自民党の二階幹事長が応援演説で、独自のメディア批判を展開したことも、政権党の慢心を印象づけ、逆風を加速させたと言われています。

小池知事は昨年8月の就任以降、豊洲市場への移転の件については盛り土問題などを追及し、都の縦割り組織の弊害や無責任な体質を浮き彫りにしました。
更に、情報公開による都政の透明化を掲げて都民の支持を得てきました。

これに対して自民党は、豊洲移転問題を「決められない知事」と批判してきましたが、小池知事は告示直前に、豊洲に移したうえで築地を再開発する案を示し、自民党の批判をかわしたのです。
それらの姿勢が都民に評価され、今回の都議選結果となったようです。

自民党の姿勢は「舟に刻(きざ)みて剣(けん)を求む」を地で行っているような愚かさを感じます。
この諺の意味は、時勢が移り変わった事も知らずに、いつまでも昔の仕来たり通りを守り、時代の移り変わりに気がつかないことの愚かさを例えて言う諺なのです。

この諺の出典は「呂氏春秋(りょししゅんじゅう:紀元前239年完成)」で、中国、楚(そ)の国の話です。
楚の国のある男が舟で揚子江を渡っていました。
その途中で舟の中から剣を水中に落したので、素早く剣を落とした舟べりに刻み目を印して次のように言ったのです。
「ここが私の剣が落ちていった箇所だ。印をつけておいたからもう安心だ」と。
そして、舟は対岸について止まりました。
男は刻みをつけた印の舟べりから、水中に入って探しましたが剣は見当たらなかったのです。
この故事から、時勢を見る目の無い愚かさを例える諺、「舟に刻みて剣を求む」が生まれたのだそうです。

日本にも驕り高ぶる平家を揶揄した格言がありましたよね。
そうです。よくご存知の「驕(おご)る平家は久しからず」です。

自民党の大敗はこの二つの諺のように、安倍1強体制に驕り、都民、国民の政治を見る目の変化に気付かなかったことが最大の敗因ではないでしょうか?