らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

天下り

2017-08-06 | 時事

加計学園問題で国会が揺れていますが、元を糺せば、禁止されていた天下りを「文部科学省」が組織ぐるみで行っていたことから、文科省のNo.1であった前川喜平前事務次官がその責任をとらされる形で辞任に追い込まれたことが発端の、官邸と官僚の遺恨試合のようなものです。
もし、前川氏が辞任していなければ、今回の問題は決して表面化しなかったでしょう。
政権政党が政策を遂行するためには、日本も、アメリカのように政権政党から事務次官を任命し、政権が変われば事務次官も代わるような制度にして見てはどうでしょうか?

ところで、高級官僚がが民間や特殊法人に就職することを、何故、「天下り(あまくだり)」と言うのでしょうか?

「天下り」とは、元々神道の用語で、神が天界から地上に下ること、所謂「天孫降臨」を指して言い、漢字では「天降る」と表記します。
官僚が「天下る」と言うことは、まるで役所が天で、官僚が神様のような大げさな言葉となっているのです。
何故なのか?

調べてみると、昔からお役所は民間の上に立つという考えが支配的だったこと。
更に、明治時代以降に官庁から民間への強制的な命令をさすようになったことからで、「下り」とはそんな考えを象徴した表現のようです。

「天下りの弊害」
では、天下りが何故いけないのでしょうか?
・天下りの弊害は、天下りをした元官僚の多くが、団体のトップなどになって、高い給料をもらっていることで、こうした団体の多くは、役所からたくさん仕事をもらっているのです。

・更に、役所が、会社や団体に仕事を任せるときには、一般的には競争入札をして最も安い値段で引き受けるところに任せるのですが、天下り先の団体には、他との競争なしで仕事を任せることが多いのです。

・そして、こうしたお金は、もともと税金から出ており、これが高い給料の元になっているとなると、問題だということです。

実際、会計検査院が調べた結果、天下りしている元官僚がいる団体が国の役所からもらうお金は、いない団体と比べて25倍も多くなっているということです。
さらに、団体のトップになった元官僚は、何年か経つと退職しますが、同じ役所の次の人に譲り、ほかの団体にまた就職することがあります。
ここでも給料がもらえますし、何年か勤めるとやはり退職金がもらえるのです。

次に行く団体が無くならないよう、官僚は、わざわざ新しく仕事を作り出して、それを担当する団体をつくることもあると言われています。
こうして天下りの後、渡り鳥のように次々と団体を渡り歩くことを「渡り」と呼んでいます。
この渡りを繰り返して、何度も退職金をもらい、最後には何億円も受け取った人もいるということで、批判を受けているのです。

高級官僚は民間と比べても比較にならないような高報酬を受けている筈です。
天下りしなくても、生涯給与は民間大企業よりは多く、余裕を持って老後生活を送れる筈です。
税金の無駄遣いとなる「天下り」を無くし、官僚と官邸は互いに協力し合って政策を実行して欲しいものです。