花オクラ
ネバネバ食品は体によいと言われています。
ネバネバの主成分は、たんぱく質とマンナンなどの糖が結合した「ムチン」、水溶性の食物繊維「アルギン酸」「ペクチン」などです。
・ムチンはたんぱく質分解酵素を多く含み、いっしょに食べた肉、魚などのたんぱく質の消化吸収を助け、消化不良を防ぎます。
また消化器・呼吸器の粘膜を保護して胃炎や胃潰瘍、かぜなどを予防するほか、細胞を活性化して老化を予防する効果もるそうです。
・そして、アルギン酸・ペクチンは血中コレステロール値を下げたり、糖の吸収を抑えて糖尿病を予防します。
また腸内の善玉菌を増やして便秘を予防する働きもあるということです。
・他にもネバネバ食品に含まれるコンドロイチン硫酸は、関節や軟骨を保護したり、肌のみずみずしさを保つ効果があるそうです。
ネバネバ食品の代表には次のようなものがあります。
・イモ類……ヤマイモ、サトイモ
・野菜類……オクラ、モロヘイヤ、アシタバ、ツルムラサキ
・海藻類……コンブ、ワカメ、メカブ
・きのこ類……なめこ
・加工食品……納豆
そのネバネバ食品の一つにオクラがあります。
今日はオクラの中でも花を食用にする「花オクラ」をご紹介します。
オクラの花は「世界で一番美しい野菜の花」と言われています。
実を食べる一般のオクラの花は通常7~8センチの花を咲かせます。
・これがその実を食べるオクラの花です。
一方、実は食べず、花を食べる品種に「花オクラ」があります。
花オクラの花は、大きいものでは30センチ近くにもなる大きな花を咲かせるようですが、私の畑で咲いた花は17~18㎝ほどでした。
それでも、実を食べる一般のオクラの花と比べると3倍近い大きさの美しい花です。
・これが花オクラの花です。
花オクラはトロロアオイの別名で、アオイ科トロロアオイ属の植物です。
原産地は中国で、この植物から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用されるそうです。
一方、オクラもアオイ科トロロアオイ属の植物ですが、原産地はアフリカ北東部でエチオピアが有力だそうです。
・大きい花が花オクラ、小さい花は一般のオクラの花です。花オクラの右に突き出ているのは蕾です。
花オクラはその美しさもさることながら、一日花と言われる種類で、花自体が一日で散り、もしくは萎んでしまい、食すには不向きになります。
また、花として収穫してもすぐに丸まってしまい、冷蔵庫で数日はもっても見た目の美しさは損なわれます。
このようなことから市場に流通することはないようです。
花オクラには、オクラの香りと粘りがあり、野菜らしい濃密な甘さがあり、花びらを刻んでサラダにしたり、花びらで生ハム等をくるんだりと、食感と彩りが楽しい食用花なのです。
花オクラのレシピはネット上にたくさんありますが、食べてみたい方は自分で種を蒔く以外に方法はありません。
食べたい方、花を観賞したい方、栽培して見ては如何でしょうか?
綺麗な花なので、食べなくとも、花を眺めるだけで感動するかも知れませんよ。
・左に萎んでいるのは前日に咲いた花オクラです。