らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

睡眠負債

2017-07-21 | 情報

2015年に発覚した東芝の不正会計問題を受け、同社は2017年3月期の決算発表ができていません。
東芝の債務超過額は5816億円になると言われており、同社では8月10日までに監査手続きを終え、臨時株主総会で説明するとしています。
債務超過とは、債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態。 つまり、企業が株主から預かった資本金や利益の蓄積などの合計(自己資本)がマイナスになり、自社の資産をすべて売り払っても借金を返し切れない状態のことで、企業の財務体質としては危機的な状況であり、資本増強が急務となります。
しかし、決して倒産と同じと言うことではありません。

人にも「睡眠負債」という「負債」があるのをご存知でしょうか?
「睡眠負債」とは、わずかな睡眠不足が、まるで借金のようにじわじわ積み重なる状態のことです。
睡眠を研究する専門家たちは、この「蓄積する睡眠不足」を「睡眠負債」と名づけ、対策の重要性を指摘しています。

先日のNHKの報道によれば、睡眠負債がたまっていると、自分では気がつかないうちに仕事や家事のパフォーマンスが落ちてしまったり、命にかかわるような病気のリスクが高まってしまったりする可能性があるというのです。

「睡眠負債のリスク」
そのリスクとは、
1.能力低下・・・睡眠負債によって、日常の仕事や家事、車の運転などの能力が低下するため、生産性が落ちたり、事故などの危険が高まる。
2.がん・・・・・・・最新の研究で睡眠負債がガン細胞の増殖を加速させることが分かってきていて、東北大学で行われた男女2万人以上の7年間にわたる追跡調査では、
          男性では、前立腺がんの発症リスクが1.38倍。
          
女性では、乳がんの発症リスクが、1.67倍増加しているそうです。
3.認知症・・・・・睡眠負債が続くと、認知症の原因物質であるアミロイドβが蓄積しやすくなり、脳の神経細胞が傷つけられ、脳の働きが衰える。    
          40~50代の人が7時間未満の睡眠時間の場合、認知症の発症リスクが1.59倍も高まるという事が判明しているそうです。
5.心筋梗塞や脳血管障害
          心筋梗塞や脳血管障害でも、発症リスクが2~3倍高いという事がわかってきたそうです。

・寝付きをよくする10カ条


「睡眠不足の対策」
では、睡眠負債のリスクがあるとわかったら、どうすれば良いのでしょうか?
NHKの報道によれば、その方法は、「これまでより長く寝る」ようにすればよいということです。
ただし「週末の寝だめ」に頼ろうとすると生活リズムが乱れ、平日の睡眠に支障が出て、かえって負債を増やしてしまうリスクが高いのだそうです。
従って、平日の睡眠時間を今よりちょっとだけ多めにし、週末も同じ時間をキープすることです。

「必要とされる睡眠時間」
1日に必要とされる睡眠時間は年齢によって変わりますが、20~50代の働き盛りの世代であれば1日7〜8時間とされています。
統計的に見て1日7~8時間睡眠をとっている人は
 ・最も寿命が長い
 ・生活習慣病の罹患率が低い
 ・スタイルの変化が少ない
といわれています。

皆様の睡眠時間は如何ですか?
東芝のような超一流企業が陥った一つの過ちからの債務超過と同じように、健康体の皆様も、睡眠不足の蓄積という睡眠の負債超過に陥って、そのリスクにさらされないよう、負債の返済は確実にしていただきたいと思います。
もし、今の自分の睡眠が6時間以下であれば、少しでも延ばせるように暮らしのスケジュールを見直してみては如何でしょうか?

なお、睡眠負債リスクを調べるチェックリスト「睡眠負債 チェックリスト」にリンクしておきますので、関心のある方はご参照ください。
判定もお試しください。


ウナギのかば焼き

2017-07-20 | 季節

昨日、近畿、中国、東海から関東甲信地方は梅雨が明けたと発表されました。
大阪市では早速35.5度を記録し、今年初めての猛暑日が出迎えてくれて、いよいよ夏本番の到来となりました。
若い人たちには、夏は水辺のレジャーを満喫できて楽しいのでしょうが、これだけ暑くなると体力を奪われ、夏バテや熱中症が危惧されます。
熱中症予防には水分補給が、夏バテ防止にはウナギのかば焼きがよいと言われています。

折しも、昨日から夏の土用に入りました。
土用とは、二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの直前18日間を指します。
今年の夏の土用は、昨日の19日から立秋の前日に当たる8月6日までです。

夏バテを防ぐため「土用の丑の日」にウナギを食べる風習は有名ですが、今夏の「土用の丑の日」は7月25日と8月6日の2回あって、ウナギ好きの人には朗報だと思います。
何故、丑の日が2回かと言うと、今年の土用が「ひつじ」から始まっているためで、順番に数えていくと7月25日が最初の「丑」となり、土用最後の日となる8月6日が再び「丑」に当たるためです。

・ウナギのかば焼きです。(ネットより)


ところで、鰻と言えばかば焼きですが、何故、ウナギを開いて焼いたものを「かば焼き」と言うのでしょうか?

調べてみると、かば焼きはウナギなどの長身の魚に用いる料理法で、その名称の由来については諸説あります。
一説には、ウナギを裂かずに口から竹串を刺して焼いた形が蒲(がま)の穂に似ていることからとする説と、焼いた色が樺(かば)の樹皮に似ているからとする説があるようですが、前者が有力のようです。

かば焼きは約300年前の元禄年間(1688年~1704年)に始められており、材料としては、ウナギ、ドジョウ、アナゴなどが用いられたそうです。
ウナギの蒲焼きは関東と関西では作り方が違います。
ご存知のように、関東ではウナギを背開きにし、内臓を取り出し頭を落として素焼きしたあと、蒸してからたれをつけて焼くのに対し、関西の蒲焼きはウナギを腹から開き、頭はつけたまま、蒸さずに強い火力で焼き、表面の脂肪などを焼き捨てて味をよくしているようです。

どちらの調理法にしてもウナギのカバ焼きは美味しいですよね。
今年の夏もウナギを食べて元気に乗り越えましょう!


奨学金制度

2017-07-19 | 時事

安倍首相(自民党総裁)は憲法改正に併せて、幼児から大学などの高等教育までの教育無償化をする考えを示しています。

現在では奨学金制度があって、親の収入が低かったり、学費を親に頼れなかったりするときに借り受けて、卒業後働いて、得た収入から返済するという制度です。
現在、国の奨学金制度を利用している人は2015年度で132万人、貸与された金額は1兆638億円にのぼります。
2013年度以降、国の奨学金制度利用者は微減傾向だそうですが、それでも民間や自治体等の奨学金を合わせると、学生の2人に1人が利用していると言われています。

国の奨学金制度を利用している人は、卒業後、非正規雇用で働くなど、安定した収入が得られない場合、在学中に借りた奨学金の返済が重い負担になってしまうケースも少なくないようです。

そこで、国は今年度から低所得世帯の大学生などを対象に、返済の必要がない「給付型」の奨学金を始めました。
しかし、その対象者は児童養護施設の出身者など、経済的に厳しい一部の学生向けの制度となっています。
来年度からは適用対象者を生活保護世帯にも広げる予定だそうですが、それでも、希望する人全てと言う訳ではありません。

そもそも、奨学金制度とは、以前は育英会制度と呼ばれ、経済的・社会的な理由により教育の機会を得るのが困難な者を対象として援助を行う制度で、日本育英会法に基づいて、主として独立行政法人日本学生支援機構が主体となって運営されているのです。
この育英会制度の目的である、教育の機会を得るのが困難な者全てを対象に貸し付けが行われ、運営されることが望まれるところです。

ところで、日本最古の奨学金制度は、8世紀ごろ律令制の下で設けられた歓学田(かんがくでん)の制度だそうです。
歓学田制度とは、平安時代、学問奨励のため、大学寮・歓学院等に付属させて、諸学生の食糧・費用に充てた田地です。

近代日本の奨学金制度はまだ幕藩体制が残る明治初期に登場した、いわゆる貢進生の制度です。
貢進生(こうしんせい)とは、1870年に各藩からの推薦を受けて大学南校に入学した生徒のことで、大学南校は明治初期の政府所轄の洋学校のことです。
諸藩は優秀な子弟に対して学資金を援助し、貢進生として江戸・東京の大学南校に送り込みました。
その後、時代ともに民間団体や旧藩による奨学制度が充実するようになったそうです。

現在、日本ではOECD(経済協力開発機構)の中でも学生の私費負担が多いと指摘されていることから、給付型奨学金など、教育に対する経済的支援を増やし、学力も意欲もあるのに家庭の事情で進学を諦めざるを得ない状況を改善することが求められています。

但し、国の資金を利用して修学した人は、国の歳費で活動している一部の議員のような反日的な思想を持たないように願いたいものです。


アイスクリーム頭痛

2017-07-18 | 情報

昨日の大阪は、太陽は顔を見せませんでしたが、それでも日中の最高気温が32度を越えて暑い一日でした。
これだけ暑いと、氷やアイスクリームなど、冷たいものが無性に食べたくなります。
ところが、アイスや氷菓子等の冷たいものを食べる時は注意が必要です。
急に冷たいものを食べると頭がキーンとすることがありますよね。
これは暑い場所で急に冷たいものを飲み込むと起こる、こめかみや側東部位がキーンとなる頭痛なのです。
この頭痛には正式な名称があるのですが、ご存知でしょうか?
この頭痛、正式には「アイスクリーム頭痛」と言います。

「アイスクリーム頭痛の原因」
アイスクリーム頭痛は寒い冬にはあまりなく、気候が暑い時期ほどなりやすいという特徴があります。
その理由は、
・冷たいものを食べた際に口腔内の温度が急激に低下し、反射で体温を上昇させるため頭に通じる血管を膨張させて血流を一時的に増大させ、それにより頭の血管に一時的に炎症が発生して頭痛を引き起こします。
・冷たい物が喉を通過することにより、喉の三叉神経が刺激され、この時に発生する伝達信号を脳が勘違いし、関連痛として頭痛が発生するのです。
この頭痛の発生要因は概ねこの2説のようです。

「治し方」
・アイスクリーム頭痛は、それほど長く続きません。冷たいものを食べるのをやめて10分間もすれば、頭痛は治まります。
・より効果的に治したい方は、口蓋(こうがい:口腔のアーチ形をなす上壁)を温めてください。
 温かい飲み物を飲んだり、舌を口蓋にくっつけることが効果的のようです。
これらにより、血流が安定して頭痛が治るということです。

「予防策」
アイスクリーム頭痛を事前に予防する方法は、
1.冷たいものをゆっくりと食べることです。 ゆっくりと食べることによって、大抵アイスクリーム頭痛を防ぐことができます。
2.鼻の両脇を圧迫・マッサージする。 即効で痛みを和らげます。
3.口蓋を舌で温める。 口蓋に冷たさが直接伝わってしまうとアイスクリーム頭痛になります。
4.最初に一口、アイスやかき氷を舌先に乗せて、口の中でゆっくりとなじませるとよいそうです。

美味しいアイスクリームやかき氷ですが、急いで食べてアイスクリーム頭痛にならないようにご注意ください。


失笑と爆笑

2017-07-17 | 雑学

今日も誤解しやすい言葉について調べました。
文化庁の平成23年度の国語に関する世論調査で、その意味を尋ねた項目に「失笑」がありました。
調査では、「彼の行為を見て失笑した」との例文を挙げて、どの意味で使っているかを尋ねたところ、下記のような結果でした。

(ア)こらえ切れず吹き出して笑う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.7%(本来の意味)
(イ)笑いも出ないくらいあきれる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60.4%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.7%
(ア)、(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4.1%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.2%

「失笑」
失笑とは、広辞苑では、(笑ってはならないような場面で)おかしさを堪えきれず、吹きだして笑うこと。と説明しています。
このように失笑の本来の意味は「堪えきれず、吹きだして笑うこと」ですが、調査では本来の意味である(ア)と回答した人は27.7%、本来の意味ではない(イ)の「笑いも出ないくらい呆れる」と回答した人が6割以上となっていました。
年代別でも、全ての年代で、本来の意味ではない(イ)の「笑いも出ないくらいあきれる」を選んだ人の割合が本来の意味である(ア)の「こらえ切れず吹き出して笑う」を選んだ人の割合を上回っていたのです。
特に、30代以下の年代では、(イ)を選択した人の割合が8割前後と高くなっています。
一方、60歳以上では本来の意味である(ア)を選んだ人が40.2%と他の年代に比べて高くなっていますが、この年代でも本来の意味ではない(イ)を選んだ割合が43.6%と(ア)より高く、誤解している人が多いようです。

「爆笑」
失笑は「おかしさをこらえることができず吹き出して笑う」ことですが、 一方で「爆笑」と言う笑いもあります。
例えば、一人で面白いバラエティ番組を観ているときに大笑いすることがありますが、この笑いを爆笑と表現してもいいのでしょうか?
結論から言えば、一人で大笑いすることを「爆笑」と表現することは誤りになります。

「爆笑」とは、大勢のひとが同時に笑うことで、一人で大笑いすることではありません。
広辞苑で調べてみると、「爆笑」とは、大勢が大声でどっと笑うこと。と説明しています。

辞書が示すように、番組やネットを観ていて面白いことに笑ったとしても、一人であれば爆笑という言葉は使いません。
もし、一人での爆笑のイメージを伝えるのであれば、「ひとりで大笑いした」と表現するのが無難のようです。

「笑い」は健康によいそうです。
しかし、恥をかかないためにも、「爆笑」と「失笑」、言葉の本来の意味をよく理解しておきたいですね。


ジャンボ スイカ 誕生

2017-07-16 | 家庭菜園

7月に入り、線状降水帯と呼ばれる積乱雲によって、各地で数十年に一度と言う豪雨に見舞われ、床上・床下浸水や家屋の倒壊、土砂崩れなどの大災害が発生しています。
九州北部の豪雨災害では32名の方が命を落とされました。誠に痛ましい限りです。
毎年、梅雨の終盤には豪雨が報じられていますが、今年は特にひどいように感じます。これも地球温暖化の影響なのでしょうか?

ところで、数十年に一度と言えば、私が家庭菜園を始めて二十数年になりますが、今年は私の菜園でも二十数年に一度と言う作物が収穫できました。
その作物とは、そうです。 
タイトルに書いた「ジャンボスイカ」のことです。

・蔓が枯れ始めたスイカ畑です。


菜園を始めてからは毎年スイカを植えていますが、昨年までの最大のものは9キロ余りでした。
ところが今年は5月23日に受粉したスイカが10.1キロの大きさに成長し、わが家の記録を更新したばかりでしたが、先日収穫したスイカがこの記録を大きく上回ったのです。
このスイカは、6月3日に受粉したものですが、3週間くらいまでは普通サイズの生長ぶりでした。
しかし6月下旬から7月初旬にかけての雨続きでいっきに大きくなったような気がします。
そして、受粉から40日が過ぎたので収穫して見ると、今までに感じたことがないような、とても重量感のあるスイカでした。
持ち帰って量ってみると、何と、過去最大の13.3kgあったのです。
“やったぜ!”
思わず、満面に笑みが浮かんだと思います。

・収穫直前のジャンボスイカです。


このスイカは 夏武輝(かぶき)という品種です。
直径は30センチ、高さ31センチ重さが13.3kgのジャンボスイカに成長してくれました。
正に、二十数年に一度の、初めてのジャンボスイカの誕生です。

昨日はメロンの失敗で悔しい思いを記事にしましたが、今日は一転、満面に笑みが浮かぶ傑作の記事となりました。

・左がジャンボスイカ、右は直径25センチ、重さ7.4㎏の普通サイズの大玉スイカです。いずれも品種は夏武輝です。



失敗続きのメロン栽培

2017-07-15 | 家庭菜園

メロン栽培を始めて3年になります。
そのきっかけは、家内が懇意にしているFさんから自家栽培で収穫したメロンを頂いたことです。
美味しくて立派なメロンを作っていたことから、わが家でも挑戦することにしたものです。
ところが、一昨年、昨年共に収穫を目前にして、立ち枯れ病という茎が枯れる病気になり、悔しい思いをしました。
そして、今年こそはと決意して、3度目の挑戦を試みたのです。

昨年までの経験から、立ち枯れ病の予防薬散布を早めに、しかも数回行いました。
その甲斐あって、当初は順調に生育していました。
しかし、梅雨入りした6月中旬からベト病やタンソ病の兆候が見え始めたため急遽、殺菌剤の予防散布をしましたが間に合わず、結局、葉っぱが枯れて茎も伸びなくなりました。
いっそのこと茎を抜いてしまおうかと思いつつも、その時点では既にソフトボール大の幼果がついていたので、茎の先端を切り取り、葉っぱも枯れたままで果実を実らすことにしました。

・葉っぱが枯れ、新芽の伸長が止まった哀れな茎です。


植物は葉で光合成を行って生長することから、茎や葉が枯れると果実の肥大が見られなくなります。
生長が止まったわが家のメロンは、そのままの状態で放置しておくことにしました。

メロンの収穫の目安は受粉から45日~50日くらいのようです。
見放された哀れなメロンは、先日、その日数が経過したことから収穫したのですが、矢張、十分な肥大が見られず、大きさは直径13センチほどの小さなメロンでした。
メロン栽培は素人には難しいとは聞いていたものの、三度まで失敗するとは思いませんでした。



「失敗の原因」
失敗の原因は植え付けている畝にあるような気がします。
私はスイカの横にマクワウリの畝を作り、その畝の端にメロンを植え付け、蔓を登らせるように支柱を立てて栽培しています。
スイカはタンソ病になりやすく、マクワウリはベト病やうどんこ病になりやすい野菜です。
それらと同じ場所に植えていることが、毎年失敗を繰り返している原因のような気がします。

来年は場所を変えて再度挑戦したいと思っているところです。
今回収穫した失敗作のメロンですが、果たして熟れているのか、味はどうなのか、少し気になるところです。




姑息と卑怯

2017-07-14 | 雑学

「姑息」。この漢字は「こそく」と読みます。
失礼しました。どなたもよくご存知ですよね。
ではその本来の意味をご存知でしょうか?
「姑息な手段」のように表現されますが、「卑怯」と同じような意味に捉えている人が案外多いようです。

ある調査によれば、「姑息」を「ひきょうな」という意味と考えている人が70.9%、本来の意味とされる「一時しのぎ」とこたえた人は15.0%となっているそうです。
姑息が「卑怯」や「ケチ」の意味で用いられるのは「姑息な手段(その場しのぎの手段)でごまかそうとする」など、よくない場面で用いられる言葉であることや、こざかしいことや生意気な意味の「小癪(こしゃく)」と音が似ていることから、その混同によるものと考えられているようです。
「姑息な人間だ」と人を罵るときに用いられることの多い「姑息」という言葉ですが、「姑息」には「卑怯」や「ケチ」という意味はありません。

広辞苑を調べると、「姑息」とは、(姑はしばらくの意)一時の間に合わせ。その場のがれ。と説明しています。
一方、「卑怯」とは、(「比興」の当て字という)①心が弱く物事に恐れること。勇気のないこと。臆病。②心だての卑しいこと。卑劣。と説明しています。

辞書が示すように、「姑息」とは「その場しのぎに何かをする」、「一時の間に合わせに物事をする」という意味です。
たとえば大怪我をして出血がはなはだしいとき、病院に到着するまでの間にガーゼや包帯で止血をすることがありますが、これが「姑息な方法」の正しい使い方なのです。
根本的な解決にはならずとも、間に合わせに何かを行う仮の方法や手段のことを言い、会話では「とりあえず」という言葉で使われる感覚が「姑息」なのです。

「姑息の由来と故事」
「姑息」がどうして「とりあえず」とか「一時のまにあわせ」という意味になったのでしょうか?
「姑」にはしばらく、「息」にはやむ・しずめるという意味があるので、「しばらくその場をしずめる」というのが熟語としての成り立ちとなります。
そしてその由来は、「礼記」の故事にある孔子の門人・曽子の言葉からです。

病床にあった曽子は、自分の寝台に身分と合わない上等なスノコを敷いていました。
お付きの童子にそのことを指摘された曽子は息子の曽元にスノコを取り替えるよう命じます。
曽元は父の病状の重いことを考慮し、明朝、具合が良くなったらにしましょうと答えます。
それに対し曽子は、お前の愛は童子に及ばない、と次のように言いました。 

「君子の人を愛するや徳を以もってす。細人の人を愛するや姑息を以もってす」と。
 意訳:君子たる者は大義を損なわないように人を愛するが、度量の狭い者はその場をしのぐだけのやり方で人を愛するのだ。

その場にいた者たちは曽子を抱え上げてスノコを取り替えますが、彼は間もなく亡くなってしまいました。
曽子は一時しのぎの配慮に従って生き長らえるよりは、正しいことをして死ぬ方がよいと考えたのです。

この故事が「姑息」の由来です。
「姑息」には「卑怯」という意味はありません。
間違わないようにしたいですね。


上を下への大騒ぎ

2017-07-13 | 時事

安倍総理周辺では、国家戦略特区における加計学園の獣医学部新設問題を始め、自民党議員の暴言・暴行や閣僚の失言などによる逆風が東京都議会議員選挙での自民党大敗の要因とされ、加えて、各報道機関の世論調査で安倍内閣の支持率が大幅に下落したことで、総理の求心力低下がささやかれています。
官邸では支持率に一喜一憂しないとしていますが、内心では慌てふためいていることでしょう。

さて、この慌てふためき混乱した様を表現する言葉として「上を下への大騒ぎ」がありますが、この慣用句について間違って使用している人が多いようです。
文化庁は毎年国語に関する世論調査を実施していますが、平成27年度の調査で、この慣用句の意味・言い方について質問しています。
その結果、6割以上の人が間違った言い方をしていると言うことなのでご紹介します。

平成27年度の国語に関する世論調査、
「慣用句の意味・言い方」
「混乱したさま」を表現する時、どちらの言い方を使うかという質問をしたところ、次のような結果でした。
                          27年度   18 年度
・(a)「上や下への大騒ぎ」を使う       60.8      58.8
・(b)「上を下への大騒ぎ」を使う       22.5     21.3 (本来の言い方)
・「( a)と(b)の両方とも使う 」           1.5       2.5
・「( a)と(b)のどちらも使わない」        12.7      12.9
・「分からない」                    2.5       4.5

年齢別に見ると,本来の言い方とされる(b:青)の「上を下への大騒ぎ」は全ての年代で(a:赤) の「上や下への大騒ぎ」を下回っており、20 代以下で他の年代より低く1割台前半となっています。
「(a)と(b)のどちらも使わない:紫」は年代が低いほど高くなる傾向があり、20~30 代で2割台、16~19 歳で最も高く33.3%となっています。
この傾向は過去の調査結果(平成18 年度)と比較しても余り変化は見られないということです。

年代別では各年代共に(a:赤)の「上や下への大騒ぎ」を使う  が5割から6割以上となっています。


混乱している様子を「上」「下」を使って表す場合は、「上を下へ」となり、「上を下への大騒ぎ」と表現するのですが、これは、本来なら上にくるはずのものを下にし、下にくるはずのものを上にするくらい混乱している様子ということで、「上を下へ」と表現するのだそうです。
ところが、人々が、あちらへこちらへ慌しく動きまわっている様子をイメージして、「上に行ったり下に行ったり」という意味で「上や下へ」或いは「上へ下へ」としてしまいがちですが、それは誤用となります。

支持率の下落や都議選大敗に加え、九州北部の豪雨災害の発生など、正に安倍総理周辺は「上を下への大騒ぎ」の真っ只中でしょう。
菅官房長官が言われるように一喜一憂することなく、着実に「大騒ぎ」を治めていっていただきたいものです。


「飲む」と「のむ」と「呑む」

2017-07-12 | 雑学

暑い日が続いています。
大阪では昨日の最高気温が猛暑日一歩前の34度と、とても暑い一日でした。
熱中症で搬送される人も急増しているようです。
総務省消防庁によると、今月3日から9日までの1週間に全国で熱中症で病院に搬送された人は4241人で、前の週から2倍以上に急増したそうです。
消防庁では、体がまだ暑さに慣れていない人が多く、気温が急激に上がると熱中症になる危険性が高まるとして、適切に冷房を使い、こまめに水分をとるなど、熱中症に十分注意するよう呼びかけています。
皆様も熱中症にならないよう、ご注意ください。

このように暑くなると晩酌に飲むビールが美味しいですね。
ところで、ビールや薬をのむ場合の「のむ」ですが、文字で書くとしたら「飲む」でしょうか? それともひらがなで「のむ」? 或いは「呑む」でしょうか?
今日はこの三つの「のむ」について調べました。

【「飲む」、「のむ」、「呑む」の使用区分】
・「飲む」・・・液体を「のむ」場合には「飲む」を使用します。
・「のむ」・・・液体以外の場合にはひらがなの「のむ」を使用します。
・「呑む」・・・常用外なのでできるだけ使用しない方が好ましいとされています。

上記を説明すると、
「飲む」と「のむ」の使用区分は、液体の場合は「飲む」を、それ以外の場合は「のむ」と表記するものとされています。
例えば、
・お酒を飲む、がぶ飲みする、飲み干す。・・・・これらは液体なので「飲む」を使用します。
・条件をのむ、薬を丸のみする、息をのむ。・・これは液体以外のものなので「のむ」と平仮名で書きます。

辞書によっては小さな固形物を「のむ」ときも「飲む」を使うと書かれていることがありますが、口の中で噛み砕くことなく文字通り「飲むように」流しこむ場合に限って使われることもあるようです。

また、漢字の「呑む」は常用外とされているので、出来るだけ使わないほうが好ましいということです。
なお常用漢字とは、現代日本語の表記の目安とされているものです。
常用外漢字でも使ってはいけないという意味はなく、個々の表現にまで影響を与えるものではありません。
また、過去の著作や文書における漢字使用を否定するものでもないので、たとえば「清濁併せ呑む」「固唾を呑む」などのことわざの表記を改めることもありません。

使用区分はこのようになっているので、文章を書く時の参考になれば幸甚です。