三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

デザイナーズマンション 「価格減衰」の現実

2015年12月24日 06時43分43秒 | Weblog
わたしは、いわゆるデザイナーズマンションというのには興味がありません。
なので、先日観てきた世田谷の家々のなかで、
通りすがったこの「ガーデンコート成城UNITED CUBES」というのにも
まったく興味を持てませんでした。
ということで、撮影してきた物件の中でひとつだけ残っていた画像。
とはいっても、それこそ通りすがりに外観だけ見ただけなので、
その住宅建築どうこうという判断基準は何も持ってはおりません。
この建物は「世界的な建築家・妹島和世」の作品ということだそうですが、
わたしには、どうにもミスマッチのように感じてしまった。
ということで興味を覚えなかったので、たった1枚残った写真ですが
それでブログを書こうという意味合い・認識を持てなかった次第。
わたしの場合、その時感じた思いが写真として固定され、
その思いが膨らんでいって、なにごとか書きたいというように盛り上がる。
そういう意味では、この物件には格別の思いを持てなかった。
しかし、せっかく見てきたので後学のためにインターネットで調べてみたら、
どうもなかなか日本の建築にとって不都合な現実のようです。
そんなわけで、まったく違う角度で興味が持てた次第。

この物件は、1億5,600万円で2007年新築当時販売され
新築の売れ残り3戸が44%割引の8880万で売られた物件だそうです。
物件概要は以下の通り。
所在地:東京都世田谷区成城5丁目
交通:小田急小田原線「成城学園前」駅から徒歩10分
総戸数:14戸
構造、建物階数:地上3階地下1階
敷地の権利形態:分譲マンション
完成時期:2007年
売主:オリックス不動産
14戸のウチ3戸が「売れ残ったと云うことは
2割以上が売れなかった物件ということになる。
で、いま、このマンション名で不動産中古販売情報を見ると
この8800万円前後で販売されているようです。
拙ブログで何度も触れてきたように、日本の不動産は、
海外の一般的な「資産価値」と比較して価格の激変、急激なダウンは一般的。
売り主や設計者の思惑をはるかに超えて
そういう厳しい現実が、襲いかかってきているのだと思いました。

いまもうすでに始まっている人口減少社会では
不動産の価値というものは、容赦の無い市場原理にさらされていく。
いったいどんな「価値感」がこういった市場原理のなかで、
それでも価値が減衰せずに継続していくのか、
まことにきびしい時代が否応なく到来しているのだと実感します。
コメント
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