三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

用に徹した建築の清々しさ

2016年02月04日 07時06分10秒 | Weblog


2日間、工務店グループ・アース21の道南例会に参加したあと、
きのう午後には行動を別にして、いまは青森です。

写真は一昨日見学して来た木材製材工場・ハルキさんの様子。
たくさんの製材プロセスなどを見学していたのですが、
だんだんとその背景である工場の建物群に目が行き始めてしまった(笑)。
木材の製材には広大なストックヤードや加工のためのスペースが必要。
それらを経営効率よく建築していかなければならない。
そこには「遊び」の要素などは入り込む余裕はない・・・、
って思っていましたが、しかしあにはからんや、
建物としてみているウチに、その「清々しさ」に目からウロコの思い。
とにかく、雨露をしのぐという基本の性能確保を
どうやったら、いちばん効率的に、小コストで実現するのか、
徹底的にムダをそぎ落とした解を求めている姿に感動であります。
わたしは文系の人間なので、こうした様子を見ていても
構造力学的な解析力はありませんが、
しかし、ほとんどのムダがなく合目的的な建築であろうことは
きわめてわかりやすく「伝わって」くるもの。
そしてなおかつ、そうした姿というものが、
むしろ清々しい美を生み出すことにも、発見の面白さを感じた。
「いいじゃないか、これで」という笑いが自然に込み上げてくる。
屋根を掛けるのに、必要最小限で工夫すると
この程度の重力対応が必要なのだとスケルトンに伝わってくる。
その「スケスケ」な表れようが、なかなかに「クール」だと。
また、木材を外気で自然乾燥させて保管するのに
柱を立てて屋根だけを掛けて持たせるのに
その保管する木材にも、「安定」の役割を持たせているかのような
こういった工夫には、ミニマリズム的なデザインセンスを感じて
面白く、ワクワクさせられていた次第であります。

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