三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

大慈清水

2008年03月27日 07時05分17秒 | 出張&旅先にて

盛岡の旧市街散策途中で発見した湧水利用施設。
インターネットで調べてみると、

その昔、大慈寺の前には大きな沼があり青龍(せいりゅう)が住んでいたとか。
祇陀寺(ぎだじ)と原敬 の墓所がある大慈寺の二つのお寺の境内から清水が湧き出で、木管を通して共同井戸の水源としました。 これが青龍水と大慈清水で、これらの清水は雛壇形式の箱で造られていて、一番目が飲み水、二番目が米研ぎ用、 三番目が洗い水、四番目が足洗い用と決められており、今でも生活水として多くの人たちに利用されています。

ということだそうです。
市中をおおくの川が流れている盛岡では、
いたるところにこうしたわき水があって、利用され続けてきたようですね。
共同の管理費用を払って維持し続けてきているのだとか。
ある建築家の方から、「公と共とは違う」と聞いたことがあります。
そういう仕分けでいえば、この清水は「共」が民間で続いてきた
そういう側面を表すようなものではないかと思います。
官に支配されることなく、民間がお互いのために知恵と労力を
出し合ってこういう設備を維持し続けてきたのでしょうね。
その知恵が、使用法の決まりに端的に表されています。
平民宰相といわれた原敬の出身地に近いこともあり、
そういう人間を育む素地のような文化性を感じ取るのは、オーバーでしょうか。

飲んでみると、なかなかにおいしい。
水道水のようなカルキ臭さはなく、自然な透明感。
周辺には地酒の蔵元があったり、豆腐の製造元があったりしていて、
この清水が人々の暮らしに大いに役立ってきたことが感じられます。
英語の語感でいえば、「パブリック」
ということばの感覚に一番近そうな印象を与えてくれる清水です。
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