三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

挫折の履歴書

2007年07月05日 06時43分19秒 | 住宅取材&ウラ話

こういう種類の興味というのは、どういうことなのか?
自分でもよくわからないのですが、
いろいろな土地を訪れるたびに、崩壊寸前のような建物を見るのが、
習いのようになっています。
素晴らしい建築を見るのとはまったく違う意味合いで、
こういう種類の、いわば挫折の履歴書のようなものが、
その土地のさまざまなことを語ってくれるように思えるのです。

写真は、6月のはじめに赤井川村を通過したときに
以前から気になっていた、うち捨てられた家屋を撮影したものです。
赤井川村は、札幌市に隣接する村ですが、
札幌からのアクセスは、高い山々が遮っていて、
峠越えの、急峻な道を通って約1時間くらい掛かる地域。
この道が通る前には、小樽や余市を回ってしか行けない村。
産業らしいものがあるわけでもなく、
この家の持ち主は、たぶん開拓農家として入植したのでしょう。
どのような経緯があったかは、知るよしもありませんが、
結果は、こういう崩壊する家屋がすべてを語ってくれています。

最近の小泉改革以降、
地方という経済基盤は大きく揺らぎ、
その打開方向というのも、まったく見えてこない現実があります。
首都圏や、中京、関西といったメガシティ以外の地域は、
中核的な都市部という、ごく一部を除いて、
生き延びていく方向性をなかなか持てない。
というような雑感を、どうしても感じてしまう次第です。
そういうなかで、どのように地方に生き延びていく仕事や、
地域社会を作っていけるのか、
地方零細企業としては、勇気を持って取り組まなければならない課題ですね。
ま、しかし、みんなで知恵を絞るしか、ないのでしょうね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フリーペーパーの状況 | トップ | 目も楽しませる懐石 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住宅取材&ウラ話」カテゴリの最新記事