民主党政権、いよいよ、問題の核心が見えてきたのか。
きのう、「行政刷新会議」の仙石大臣さんが、
テレビ朝日系の政治討論番組に出ておりました。
行政刷新、という言葉はいいし、その志はまことにいい。
その仕事の進捗状況をかいま見せていた番組なんですが、
行政の現在の行き詰まりの実態を見るようでしたね。
よく、官僚が悪い、というように簡単に言い切ってしまう風潮がありますが、
やはりことはそう、簡単ではない。
総体としてのシステム全体が、
いわば機能不全を呈していることが問題なのだと思えました。
たしかに、わたしたちが日頃接している「住宅行政」という部分を見ていても、
同じように感じてくる部分があって、
そうか、このようなことが、どこでも起こっているのが現状なのだ、
っていう印象を強く持った次第です。
住宅の政策でいえば、
現場と乖離した政策行政になっていて、
目的に合致しない施策が山ほどある、ということなのです。
そしてそれらは、ひとつひとつ見ていると、
それぞれすべてに必然性があって、簡単に否定できるものではないのです。
長期優良住宅法、という法律が6月に成立したのですが、
そこでは、耐震等級2を遵守すること、という規定が盛り込まれていました。
このことは、たぶん、国の政策目標として、
継続的に取り組まれてきたことなのだろうと思います。
しかし、その法律は作ったけれど、実施段階でどのようなことが起こるか、
どうも施策の行政側には見通すことは出来ていないと思う。
で、実際に起こっているのは、
この法律に合致させるためには、
木造住宅でも「構造計算書」を作成するということになったこと。
これも、法律が示されて、事業者が実際に自分の申請する建物と
照らし合わせて、詳細に検討しなければ、すぐには判明しなかった。
一応、簡易な方法というのも示されていたけれど、
すぐに、使えない代物と判明した。
で、大急ぎで構造計算事務所に駆け込んで、20万円ともいわれる費用を掛けて
みんな計算書を作り上げた。
なかには、不慣れなソフトを扱うことで、
過重な設計要求が計算結果として出たりもしたそうです。
まぁ、そのように出てきた申請が、今度は受理する側の不慣れで、
申請許可がなかなか下りない、ということが起こった。
遅延が常態化して、現場は着工できない、という現実になった。
本来、景気刺激としての政策としてはじめられた施策が、
現実には、長期優良不況、というような言葉までささやかれるようになってきた。
そういう現実がありますが、
どうも、仙石大臣のドキュメントを見ていても、
同様の病根が、あらゆる場面で噴出しているようだと思いました。
まことに根が深い、と思わざるを得ない。
行政刷新、というのは、このようなシステムをそのプロセスごとに
解剖して、システムとしての改善方法をみつけるという
ちょっと気の遠くなるような作業だと思います。
時間がかかる・・・。しかし、時間は掛けられない。
現場的に見ていても、さてどうやったら改善できるのか、
なかなか、口で言うほど簡単なことではないと思います。
いわんや、官僚が悪い、という簡単な断罪で終わらせられる問題でもない。
しかし、道は遠くとも、普通の感覚を大切にして、
民主党政権は、頑張って欲しいと思いますね。
<写真は、落葉の散歩道>
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