三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

「道」の国・ニッポン

2014年12月21日 07時17分18秒 | Weblog


日本人と道、ということについてわたしは
なぜか、ずっと考え続けているように思うのですが、
先日、中国の方が書かれている文章にめぐり会った。
”中国の「道」と日本の「技」”と題された文章で、
中国社会科学院 李兆忠という人の書かれた文章です。
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/fangtan/200108.htm/
つい面白くなったので、長いけれど要旨を以下に載せます。

中日両国の文化を比較すると、非常に興味深いことに気づく。
中国の文化が日本に伝わると、厳格な儀式を受けて、
実にかしこまった雰囲気になるということだ。
中国の書法が日本では「書道」に、
中国の茶芸が日本では「茶道」に移り変わった。
日本には数えきれないほどの「道」があり、
日本が「道」の国だということがわかる。(中略)
古来より、中国の優れた文人や画家たちは、
技巧を取るに足りないものだと見なし、
それを誇示することを否定した。
また職人を軽蔑し、才能やセンスに欠けた作品を
「職人臭」があるとしてけなした。(中略)
日本人は優れた技能を持つ「職人」として名高く、
その職人気質の意識は、深く人々の心や血液の中にしみ込んでいる。
職人の最大の特徴は「優れた技能を会得するため絶えず努力し、
名誉を命のように大切にする。(中略)
さらに注目すべきなのは、仕事に全身全霊を傾ける中で、
自我を超越することだ。(中略)
目標に向かい、全力で追求する精神があるからこそ、
日本人は他の民族に真似できないことを実現した。
日本が欧米に「追いつき、追い越せ」とばかりに自国の製品を
世界各地に輸出し、「技術立国」となったのも、
この職人気質と深い関係がある。(要旨抜粋ここまで)

似たような見方は、わたしがこのことを考える契機になった
司馬遼太郎さんの書かれた文章にもあります。
どうやら、日本人にとっての道、という概念は
世界的に見て、やはり特異な心理構造と言えるのかも知れない。
そして今後、グローバル化がもっと進展していくとき、
日本人は、こういう違いをよく認識していた方が良いかもしれないと
そのように思うようになって来ました。
わたしたち日本人が、まるで血肉のように考えていることは
全然グローバルではないのだと言うことを。
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子育て期以降の生き方

2014年12月20日 08時32分27秒 | Weblog


ことしもあと10日あまりとなりました。
わたし的にはことしは下の子、坊主が大学進学して、
手許を離れて首都圏暮らしになったことが大きな変化。
日常生活から、こどもへの直接的な関わりがなくなった。
どんなふうになるのかと、手探りの感じもあったのですが、
その分は、しっかりと仕事への集中が穴埋めしてくれたように思います。
って、去年まで仕事に集中していなかったワケではないのですが(笑)
そんな印象を持っています。
ひとそれぞれに、こういう「子離れ」の様相は違うでしょうが、
やはり一生涯続けていける仕事があるというのは
男女を問わず、生き方に大きな関わりがあると実感しました。

しかし一番感じることは
家の計画と人生行路は、なかなかちょうどよくはいかないということ。
わが家は一時期、職住一体の兼用住宅だったので
けっこうな広さ・床面積があります。
この広さはけっして自慢ではなく、いまとなっては、
まことに困ったムダな広さなのであります(泣)。
雑誌の特集でもいまや、「平屋」とか、「コンパクト」というコトバの方に
多くの人の目線は向かっている現代に、まるで逆行している・・・。
まぁしかし、いまさら「減築」もまた気が重い。
最初から兼用住宅を建てたのですが、
当初のスタッフ数の予想としては、7~8人が上限だと思っていた。
それが、あれよあれよと増加せざるを得ず、
いまは17人のメンバーでやっています。
そうすると、建築の方が追いつかなくなる。
やむなく、いったんは増築でしのいでいたけれど、
それでも窮屈になって、近所に事務所を引っ越しさせたのです。
つくづくと、わが身の先行き・見通しの悪さを思い知らされます。
で、その間に子育て時期が重なっていて
まぁ、無我夢中のような状況で過ごしていたわけです。
そんな人生行路について
子離れということが、ひとつの節目になって、
いろいろに思いをいだかせられた次第なのです。
そんな1年も、あと残りはほんのわずか。
立って半畳寝て一畳、断捨離ではありませんが、
少しでも将来に向かって、ムダを省いていきたいものだと
年の瀬に、牛歩の歩みで考えはじめています。



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炎のインテリア

2014年12月19日 07時37分14秒 | Weblog


「数年に一度の猛吹雪」という天気予報の告知を受けて
身構えていた札幌在住のわたしですが、
どうやら、猛吹雪には遭遇しませんでした。
しかし北海道内・札幌以外の地域では大きな被害も出たので、
なぜか、札幌地域だけがエアポケットのように
真空地帯だったのかも知れません。
しかし、だからといって、まだ用心はしていなければならないでしょうね。
そう言っていたら、明け方、結構な降雪。
さっそく除雪出動で、ひと片付け。

ことしもあと十数日というところまできました。
本当に月日の経つのはなんとまぁ、早いことか。
おかげさまで無事に健康で過ごすことができました。
そんな感謝の気持ちで、先日、お気に入りのフランス料理の店へ。
モエレ沼公園にあるガラスのピラミッドのなかの
フレンチレストラン ランファン・キ・レーヴであります。
ここが好きな理由は、第1に料理で、第2に眺望ですが、
わたしが大好きなのは、待ち合わせのコーナーにある
イタリアンデザインの「囲炉裏」。
集煙の「煙突」が末広がりに下りてきて
下の囲炉裏的な石場とで美しいフォルムを魅せてくれる。
で、薪ストーブとも違って、生の裸火がひとを迎えている。
つい写真のように、火で遊びたくなる。
石の質感、煙突の質感ともに好きなので、
「遊び心」が大いに刺激されるのでしょうか(笑)。
燃やしている薪木にもこだわっていて、
広葉樹の立派な薪しか使っていないのだとか。
やっぱりこういう「炎の癒やし」、
ため息が出るほどに楽しいです。
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古びた空間の魅力

2014年12月18日 06時20分23秒 | Weblog

写真は小樽の古い石造り倉庫を改装した店舗。
地ビールの店舗になっていて、そういう意味では
ビヤレストランというのは、こういった雰囲気が定番ではあるけれど、
わたしたちがヨーロッパの街並みを見ていて感じるノスタルジーと
やや似通った、「古び」の魅力というモノがある。
この小樽運河倉庫群が観光の目玉として再活用されるようになったこと自体
こういった魅力に日本人が、そこになにかを再発見しはじめた
そういう事実を明かしているように思います。





で、住宅シーンでは
戦後一貫して、規格大量生産型の画一化が進行した。
敗戦に伴うアメリカ支配は、同時に生活文化面にも否応なく押し寄せ
エネルギー大量消費・力づく快適性を助長し、
建材も規格大量化が図られてきた。
「古い」ということは、そのまま否定的なとらえ方が一般化した。
しかしいま、長寿社会が本格化し、
ようやくにして、空間性の美学の中に、「古美」があることも
広く多くの人の共通認識になって来た。
住宅産業でも、ひたすら新築の大量生産追求が通用しなくなってくる。
既存の「古美」た、家をどうやったら魅力的な空間に再生できるのか
そういう新しい住宅マーケットが生まれてくる可能性が高い。
すでに若い世代の方たちの中には
ごくふつうの住宅を再生利用して、その経年的な劣化、
素材の質感の深まりのようなモノを受容しようとする考えがあると思う。
既存住宅の魅力の再発見、
それをどうやって掘り起こしていったら良いのか、
そこらへんに、どうも可能性が出てきているように思えてならない。


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Replan北海道・最新号「予約販売」

2014年12月17日 09時30分17秒 | Weblog


きょうは北海道地方、「数年に一度の猛吹雪」という気象台発表。
NHKニュースのトップでも報道されていた。
異常気象が拡大してきている中で、このような事前告知を
積極的に進めてきているのですね。
きのうのうちにスタッフには告知しましたが、十分な注意が肝要と思います。
さて本日は、申し訳ありません、わたしどもの雑誌の宣伝であります。
ブログは、本来は個人的な音信を伝えるモノという
本来の趣旨からすると、やや違和感はあろうかと思いますが、
雑誌編集長であり、経営者でもあるということで、ご理解願えれば幸いです。

Replan北海道VOL.107  2014年12月29日発売号
本体価格463円(税込:500円)
事前予約販売のご案内。
12月12日~23日までにご購入された方は、
一部地域の方を除いて、29日までに配送致します。

●【巻頭特集】 リノベやDIYで Re・home
家は日々の暮らしを楽しむ器。
決して、背伸びしたいわけではないけれど、
やっぱり譲れない"こだわり"もあるわけで。
だから選ぶ、リフォーム、リノベーション。
DIYだって、そのひとつ。
便利なエリア、好みのデザイン、憧れの素材、生活スタイル。
自分らしく暮らせる住まいを手に入れる
いまやスタンダードとも言える選択肢です。
○Story1 ライフスタイルを楽しみ尽くす家
○Story2 愛着はそのままに、暮らしやすく
○Story3 エリアもインテリアもこだわって
○Extra Story タイミングを逃さず、築1年でリフォームを決断

その他必読情報満載 Contents
●エリア特集/旭川の心地よい家
●エリア特集/オホーツクの住まい
 大好評の「エリア特集」。今回は一挙2地域を特集しています。
身近な情報満載。各地の家づくり情報は、みんなに役立つ情報です。
●リフォーム企画<Re・home実例集>
 実例6件/北海道R住宅システムなど
●New Building Report<新築実例集>
●連載 いごこちの科学「給湯」<東京大学准教授・前 真之>
 地方住宅雑誌ながら、大注目・気鋭の住宅研究者渾身のシリーズ掲載。
 全国から大きな反響が寄せられています。とくにプロこそ「必読」。
●連載・ STORY OF ARCHITECTURE   vol.8 森の家
●北の建築家
 「唐松」 永田 大
 「円山西町の家」弘田 亨一

12月12日~23日までにご購入された方は、
一部地域の方を除いて、29日までに配送致します。
Replan北海道版107号の書店発売は、12月29日です!
お申し込みは以下のReplan北海道通販ページまで。

http://www.replan.ne.jp/content/bookcart/b1hok/h107/index.php/


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トホホのドカ雪到来

2014年12月16日 05時18分04秒 | Weblog


きのうは朝から休みなく降り続く雪。
朝一番で、ことし最初のような本格的な雪かきをしました。
で、年末の週明けということで、面談多数や銀行要件を片付けたりしたのですが
その間も、ずっと降り続いておりました(泣)。
事務所の方は、スタッフが手分けしてやってくれていたのですが、
自宅の方はまったくの放置プレー状態。
で、早めに切り上げて、自宅の方を
朝に続いて2度目の雪かきを夕方6時過ぎにやむなく再挑戦。
日中ずっと降っていて、体感でおよそ30cmくらいの積雪がありました。
これくらいになってくると3倍くらいの時間がかかる。
でもまったく止む気配はなく、その後も降雪が続いていて
さすがにいっぺんに来たドカ雪なので、カラダ各所が痛く、辛く、
早々に降参してベッドイン。
で、早朝に起きたのですが、ごらんの状況。

今年の冬の札幌は、
本州日本海側のみなさんをよそ目に、
比較的に平穏な状況で推移していて
雪はほとんど見られなかったのですが、
やっぱり、雪は許してはくれませんでした(笑)。
朝、メッチャ寒かったりするので、さすがにここ2~3日は
散歩に行けず仕舞いになって来ましたが、
その分、神様が按分してくれて、
雪かきという貴重な運動機会を与えていただいていると
無理矢理、感謝の気持ちを持って(笑)
この冬も淡々と、北国人の勤めを果たしていきたいと思います。
さてさて、よっこらしょっと・・・。

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日本民主主義・野党への期待

2014年12月15日 07時03分24秒 | Weblog


選挙の結果、「いまの日本の民意」は明瞭に示された。
投票率は大変低い結果になったけれど、
それも含めて民意なのだと思うし、
決まった結果に対して、それでどうこうは言えないと思う。

あんまり語られなかったけれど、
今回の民意の底流に、朝日新聞の問題があったように思う。
日本に、国民に、仇を為してしまったリベラルというイメージ。
安倍政権への反対概念=「リベラル勢力」とは必ずしもくくりきれないが
しかし現状でいちばんわかりやすい概念として「リベラル」があると思う。
その勢力側が、もっと自身の問題として
あのことの本質を、深刻に受け止めなければならなかったのに
それをネグレクトしてしまったことが実はたいへん大きいと思う。
きちんと真正面からあの問題を受け止めようとはしなかった。
朝日新聞の単なる「誤報」として、いわば「ちょっとした間違い」のように
スルーさせようとしたことに対して、
日本国民の底流意識として、リベラル勢力に対して
「あなたたちは、日本が本当に嫌いなのですか?」
という素朴な感情を持たせてしまったことが大きいと思う。
その国民的受け止め方に対して、きちんと正対する反論を聞いたことがない。
もちろん、いまでも朝日新聞を購読されている方も多いだろうし
「全体として」朝日の論調に正義を見ているひとも多いだろうと思う。
けれど、朝日新聞が取った行動は、けっして公明正大なものではなかった。
それこそ少なくとも、2/3以上の国民はそう思ったに違いない。
野党側は、朝日新聞を擁護して正面からこれが正しいとも言えず、
しかし現政権には反対だ、というような
国民から見たら「中途半端」なスタンスと見えていたのではないか。
結局、野党が上げられた「声」は、
国民への、現政権に対する「告げ口」くらいしかなかった。
そんな姿勢の「野党」に投票するのなら、むしろ共産党が一番スッキリする。
「批判だけする」のであれば、筋の通った批判主体を選んだ、ということ。
やはり低投票率も含めて、民意は絶妙に表現されるのだと思う。

さて、しかし民主主義には健全な野党が必要であることは論を待たない。
そうでなければ、日本国民は不幸だと思う。
思えば、民主党政権が大敗し、政権が現政権側に移行して以来、
「次の日本の政権はどのようであるべきか」について
建設的な進路は、野党側からまったく示されていなかった。
ここを明確にしていく努力を、日本の民主主義のためにも
野党勢力は、ただちに取り組んでいかなければならない。
本来その「旗」になるべき野党最大勢力の民主党の党首までが落選した。
危機は深いけれど、いや、だからこそ根源的に
次の政権はどうあるべきか、真摯に向き合っていく必要がある。
日本国民は自然権として、そういう民主的な選択肢を持つ権利がある。
民主主義発展のためには野党の役割はきわめて大きい。
現政権側が危機感を持つような「政治的正統性」を訴える必要がある。
なるほど、次はこうあるべきだというビジョン。
わたしとしては、そのとき野党側は少なくとも
「この国と民を愛しています」という強いメッセージを伝える必要があると思う。
別にいわゆる「愛国的・右翼的」になれというのではない、
リベラリズムとしての「正義と公正」という価値観とともに
「深く国を愛している」と、そのようなメッセージが必要なのだと思う。
たぶん、いまの日本社会は過去何回もあったに違いない
海外の価値観のストレートな「受容期」から、
この列島社会のオリジナリティへの「復元期」に相当しているのだと思う。
稲作を受け入れ、「国家」を受け入れ、漢字を受け入れ、
鉄砲文化を受け入れ、開国し、帝国主義競争に参加し、敗戦し、
というような揺れ動きが一段落して、
そのあとこの社会では常に、本来回帰するような民族社会を復元してきた。
そういった洞察に踏まえた、次の選択肢を野党に期待したいと思う。

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笹島明夫Jazz "Kenson" Brother's

2014年12月14日 06時49分28秒 | Weblog


先日友人のFacebookを見ていたら、
さりげなく北海道での演奏ツアーのことが書かれていた。
しばらくかれの生演奏を聴いていないし、
とても聴きたくなって仕方なかった。
友人の名前は、笹島明夫くん。
高校の同期生で、Jazzギタリストとして活躍している。
主な活動はアメリカだけれど、ときどき日本に里帰りしてくれる。
年末のシーズン、札幌で数カ所、ライブをやっている。
きのう、ようやく用事がない週末の時間ができて
聴いてくることが出来た、シアワセです。

今回のツアーでは、NYのJazzシーンで活躍する2人の
Jazzメンも帯同してきてくれた。
きのうのメンバーは
笹島明夫(ギター)
David Berkman(ピアノ)
Gene Jackson(ドラム)
重松忠男(ベース)
MIZUHO(vo)
という構成でした。
重松さんと、MIZUHOさんは地元からの参加でしたが、
David BerkmanさんとGene Jacksonさんはアメリカから。
わたしは音楽はもっぱら聴くだけなので、
解説的なことはできませんが、そういう素人でも
この2人の素晴らしさは、了解できた。
しかも、このふたりとも笹島君の軽妙な語り口と
スピーチやボディランゲージでもスウィングしてくれて
日本人のような「謙遜」のしぐさを披露してくれていた(笑)。
勝手に名付けると笹島も含めて「"Kenson" Brother's」かなぁと。
趣向もいろいろで楽しく、終わってしまうのがさみしく感じたけれど、
力一杯の演奏を聴かせてくれて本当に感謝であります。
笹島も言っていたけれど、
たぶん、NYでのJazzLiveもこんな雰囲気なんだろうなと、
想像を巡らせられました。

白く雪が降り積もった札幌の夜景の帰り道、
クルマを走らせながら、
ある幸福感に満たされていました。
わたしたち高校同期も還暦を過ぎてきたけれど、
きのうまで続けてきて今日を生きていることに、
明日もまた、普通に前を向いて立ち向かって行く。
そういうことが、いちばんシアワセなんだと、
Jazzの一本道を歩き続けている友人に、
音楽という形の、メッセージをもらったように思いました。


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200万都市札幌・歳末街歩き

2014年12月13日 08時58分54秒 | Weblog


きのうは住宅関係団体の忘年会。
ここんところ、やはり忘年会は多くなっている。
なんですが、きのうは札幌の中心からクルマでも30分かかる
住宅地の中の商業施設内の居酒屋さんが会場。
会員の方が、経営するお店なのですね。
なので、中心部からのバス送迎付きであります(笑)。
さすがに年なので、行く道では居眠りし、
帰りもすっかり車外の光景に見とれておりました。
まぁ忘年会で、バスツアーというのも乙であります。

帰りには札幌の駅を通りました。
わたしは札幌育ちで、3歳からですからもう60年近く
この札幌駅とは馴染んで暮らしてきていますが
いまの札幌駅に夜に来るというのは、初めてくらいかも。
幼い頃の札幌駅の記憶とはまったくの別物になってしまっていて
ノスタルジーが湧くということはない。
バスで見続けた夜の札幌の光景も、馴染みを感じない。
街の記憶、というようなもの、
廃れていく町について語られることが多いけれど、
いつか、倉本龍彦さんも言っていましたが、
氏の故郷である東京世田谷方面でも、
どんどんと記憶のよすがが消滅してしまって
記憶と現実の街に整合性が見いだせなくなっていくようです。
人間の寿命が延びて、街の変化スピードと
人間記憶が相関関係を維持できなくなってきたのでしょうか?
そんな2014年的な現実の歳末を
ゆったりと感じながら、家路についた次第です。

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復興提案住宅2 片付けしやすい家

2014年12月12日 06時19分55秒 | Weblog


また、きのうからの続きです。
っていうか、「復興提案住宅」って、いまの一般のユーザー心理に
けっこうフィットしていると思うのです。
復興住宅は基本的に「コンパクト」に作らねばならない。
これは、家事労働の時間節約型住宅への志向性の高まりという
広く待望されてきている流れとも共鳴している。
北海道で取材していて、平屋志向であるとか、
コンパクト住宅志向であるとか、
そういった、いわば生活合理主義が高まってきていると感じます。

とにかく、現代の家族はみな一様に「忙しい」。
主婦である女性はそのなかでももっとも時間が足りない。
とくに被災地の場合、若年労働力も不足していて
共働き率が高いように感じます。
子育てしながら、フルタイムで働くというのは、
非常にしんどいんだけれど、みんな明るくそんな状況に立ち向かっている。
夫もフルに家事労働をシェアしてがんばるのはもちろん、
その上でも、徹底的に家事労働時間を節約したい。
そういった生々しい現実の中で、自らもそうした立場であるという
女性建築家の栗本直美さんの提案にこころが動かされた。
コンセプトは明解、「片付けしやすい家」。
まったくそうです、その通り。
実はわたし自身も、共働きで家事をシェアしながら、
子育てと仕事、両方に立ち向かってきた思いが強いので
そんな提案を聞いたとき、無性に応援したくなってきた次第であります。
でもそれは、今の時代のひとたちの、とくに子育て世代の
共通する思いであることも明白なのです。
本来日本の家、家族のライフスタイルとしては
嫁というのは貴重な労働力であって、子育て労働は
老親がかなりの部分をシェアしてきたのに対して、現代では
個人主義が行き着くところまでいって、
核家族という生活スタイルはたぶん、維持する方向に行く可能性の方が高い。
そうなると、当面は「家事労働時間削減型」の家づくりが
大きなテーマになって行くのではないか。
みんなで考えていかなければならないテーマだと思う次第です。

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