大人になれないオヤジたち

模型作例と模型工具について紹介するブログです。
現在は主としてガンプラをターゲットに改造工程を紹介しています。

カテーテルアブレーション体験記(1)

2009年03月14日 | カテーテルアブレーション
無事に手術を終えて、生還しました。

めったに体験できる手術ではない(二度としたくはないですが、、)ですから
体験記としてまとめておこうと思います。
しばしお付き合いくださいませ。


まず私に起こった頻脈は、「WPW症候群」と「心房細動」の併発による最も
危険性の高いものでした。

通常心臓を動かしているパルス波は「房室結節」なる心筋を通して心臓を
コントロールしているわけですが、1000人に1~2人の割合で先天的に「ケント束」
なる心筋を持つ人がいて、パルスの通り道を2箇所持ってしまう場合があります。
これをもつ人のことを「WPW症候群」と言います。

WPW症候群だけで、別に問題があるわけではないですが、
偶発的に頻脈を起こすことがあります。しかし起こしてしまっても一定時間で
直ったり、薬によって収めることが出来るそうです。

ところが、もっと偶発的にWPW症候群が「心房細動」を引き起こすことがあり
これが発生すると、心拍が200を超えて突然死をする危険性がグッと高まります。

原因はまだ定かではなく、偶発としか言いようがないらしいですが、
今回私は38年間、発作など経験が皆無で、自分がWPW症候群だということも
知らずに生きてきましたが、最悪である「偶発の偶発」が重なり
頻脈が発生し、心拍は300を超えてしまったのです。

しかし奇跡的に死に至ることはなく、胸が苦しいなぁと思いながら
家族を乗せて深夜の高速道路を東京から三重まで運転していたのでした。
心拍300を超えると死に至らないまでも、意識を失うことがほとんどだそうです。
私の仕事の知り合いも先日同症状が発生し、心拍200を超えてホテルのフロントで
意識を失い倒れたそうで、、、

心拍300を超えた私は心臓死しなくても、高速で意識を失い
一家で交通事故死していた可能性はものすごく高かったのです。

このようにWPW症候群をもっていても、一生何も発生しない人も多々いるそう
ですが、私のように心房細動を引き起こした場合、次は突然死を覚悟しなければ
ならないそうで、、、基本的にはケント束を焼き殺す手術、すなわち
「心臓カテーテルアブレーション手術」を受けて再発防止をする事となります。

成功確率は90%です。10年前くらいから確立された危険性の少ない手術で、
それまでは開胸手術であったために、もっとリスクは高かったそうです。
しかしそれでも成功率90%であり、1割は失敗のリスクがある手術であることに
違いはありません。

失敗の事例の大半は「焼き切れない」という結果、極わずかですが
本来の心筋である「房室結節」まで焼きってしまい、ペースメーカーを
埋め込む事態となってしまう例や、最悪死亡という事例もあるそうです。

そういったリスクがある事を承知した上で、手術同意書にサインしなければ
なりませんから、妻帯者としてはかなり迷うところですが、、
やはり「突然死」は困りますので、90%の成功例に賭ける形で今回手術を
受ける決断をしたのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする