大人になれないオヤジたち

模型作例と模型工具について紹介するブログです。
現在は主としてガンプラをターゲットに改造工程を紹介しています。

カテーテルアブレーション体験記(4)

2009年03月20日 | カテーテルアブレーション
入院二日目(術中)

体覆った布に、手術を行う穴を開けたら、即手術開始である。
「まず鎖骨部からカテーテル入れます」と言われ、部分麻酔を打たれる。
部分麻酔は痛いと効いていたが、インフルエンザの注射くらいの痛みで
ほとんど痛くない。
即効性があるらしく、すぐにカテーテルを入れるツーンとした痛みが。
まあ、耐えられない痛みでは全くないけど、、ちょっと痛いと言ってみる。
するともう1本麻酔打ちますと、、2本目は麻酔が効いているので感覚なし。

しかしカテーテルが心臓部へ向かう感触には閉口した。
ドクドクッと、正に血管に異物を入れられている感触。
確かに「痛い」わけではない、吐き気を伴わないので「気持ち悪い」という
表現も適当ではない、血管に異物が入る感覚なぞ、動物の、人間の
生物的設計上おそらく予期されていない現象なのであろう。
おもわず、「うぐわぁぁぁ」と声を出してしまう。
痛くはないけど、針金で体を串刺しにされている異物挿入感覚ははっきりとある。
こんな状態で数時間もいるのかと思うと、冷や汗が出てくる。

「次は下から入れます。」と言われ、ソケイ部に麻酔が、、またちょっと挿入時に
痛みを感じて、麻酔追加。鎖骨部でも2本打ったのだから、あらかじめ
二本打っておいて欲しいよなぁ、、と思っているうちに
またカテーテルが入ってくる違和感。しかも今回は腹の辺りで血管の壁に
ぶつかったらしい、、一瞬激しい腹痛!「ごめんなさい」と言われるが
これはたまならい! 間髪いれずに2本目が入ってくる。
今度は腎臓の辺りの血管壁にあたり、また激痛が!「いたた!」と声が出る。
そして3本目、これは挿入部が痛くて、麻酔を3~4本打ってもらったみたいだ。

カテーテルは入れるときが痛くて、あとはそれほどでもないと聞いていたが、
そうでもない。カテーテルを動かすたびに、挿入部は若干痛い。
そして心臓内をカテーテルが動く異物感を感じる。
「痛い」手術かと聞かれれば、「たいして痛くはない」手術ではある。
しかし「たまらなく嫌」な感覚の手術である。

早速検査が始まる。これは事前に聞かされていたので恐怖感はない。
人工的に心臓に電気を走らせドクドクと勝手に心臓を動かしている模様。
苦しいけど、頻脈を起こしたときの感覚に似ていて、まあ息苦しい程度。
いろんな波形を入れているようで、心臓のあっちがうごいたり、こっちが
動いたりしている様に思えたが、実際のところはわからない。
応答波形を見ながら、焼ききるべきケント束を特定している。
しかしその見極めは難しいらしく、、、
「P波先行している?」
「良くわかりません」
「ピークtoピークでみるしかないんじゃない?」
「それだと30、、う~ん35くらいかなぁ先行しています。」
「そう、けっこういいねぇ」
「ここ、わるくないよねぇ、、どう思う?」
「いいんじゃないんでしょうか」
「じゃあいこっか」

いや、、そんな適当なもんで大丈夫かなぁ、、、と思っていると
「一回検査しますので体が熱くなります」といわれる。
検査?熱い?アブレーション本番なの?でも検査?ん?
と思っていると。体の中にカーッと熱い感覚が生まれ、お尻に抜けていく
ような感覚が走る。別に苦痛ではない。
それ以上説明がなく、これで終わりだったらいいなぁ、、と思ったけど
やっぱりただのテストだったみたい。

以降、何の説明もなく以下の会話が聞こえてくる。
「テストします」「はいどうぞ」
「118オーム」「はい」、「スタートします。」
「40℃、22V、15秒」、「42℃、24V、20秒」、「45℃、24V、25秒」
「45℃、24V、30秒」、「切れました」
「45℃、24V、35秒」、「45℃、22V、40秒」、「ストップ」

ん?なんだ?アブレーション?と思っていると
「熱くなかったですか?」と聞かれる。全く感覚がない。
結局これが一回目のアブレーションであった事が後々わかる。

以降は次々に場所を変え、探っては人工ドクドクをして
アブレーションで焼くという行為が延々と繰り返されたのである。
アブレーションは全く痛くも熱くもない。ただし時間が30~40秒を超えて来ると
心臓が若干締め付けられるような感覚は出てくる。最大90秒やったが
さすがにそこまで来るとちょっとキューっとするが、まあ言われなければ
気が付かない程度である。

しかしHPなど見ていると3回程度アブレーションやると手術は終わっているのに
一向に終わる気配がない。
「逆電きえたか?」「消えません」の繰り返しで
何箇所焼くの?というくらい、アブレーションしまくり。
アブレーションはいいけど、カテーテル動かすときが痛く気持ちが悪いので
一刻も早く終わって欲しいけどおわらない。

「どうも太いんじゃない?」「いや私もそう思います」
なんて会話がしてくる。
「順番に焼いてきたけど、、太いんだよこれ」「順番に焼いてきて正解だね」
「そうですねぇ」「いや、、ブロードバンドだなぁ」
、、、、そういうことか、、どうもケント束が太くてなかなか焼ききれないらしい。

「先に失礼します」という看護士の声が聞こえた。
おそらく3時間経過して昼になったのだろう、、、、予想より長い。

「電極の先を曲げよう」といわれ鎖骨のカテーテルが一旦抜かれ
また入れられる。カテーテルの抜き差しは痛いので勘弁して欲しい、、
そしてまた延々と場所特定とアブレーションの繰り返し、、

「逆電きえないねぇ」「しぶといねぇ」
「もしかして左じゃないか」「左もみようよ」
といわれ足のカテーテルが入れなおされた。入れなおしはやめてくれー
と思ったが、だんだんこれにも慣れてくる。
足は新たにカテーテル入れる場所を変えたみたいだ。

ようやく先生から「どうもケント束が太くて、2本あったみたいです」
と説明がある。

そしてまた同じ作業の繰り返し、、、腰が少しずつ痛くなってくる、、、、、
猛烈に長い、、、家族は心配しているだろうなぁ、、

何度か手術が中断し、どこかに医師が集まり相談している。
なんか、嫌な感じ、、、このまま焼ききれずに終わるのか??

人工ドクドクをしていると、急に腹を殴られたような、ドデカイドクドクを
食らう。思わず「うぉー」という。
「おい高すぎるぞ」「でも下げすぎるとわかりません」
「でも患者さん苦しいって」
オイオイ、何をしてくれるねん、、と思っていると
少し小さい動きにされて、このくらいなら大丈夫ですか?と聞かれる。
冷や汗がどーっとでる。

しかしこれが最後のチェックだった。
「長かったです。お疲れ様でした。6時間かかりましたが全部焼ききりました。」
ほっとするが、、本当に焼ききれたのかぁ、、とも思う。

そこからカテーテルを抜き止血をするのに結局プラス1時間。
合計7時間の大手術となった。さすがに腰は限界であった。
ちなみに、カテーテルを完全に抜き取るときは、また別格の痛みがあり
これが今回の手術で最も痛かった。でも一瞬だしこれで終わりと思うと
まあ許せるのである。

時刻は16:00となっていた。

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カテーテルアブレーション体験記(3)

2009年03月16日 | カテーテルアブレーション
入院二日目(術前)

病院の朝は6時と早い。

巡回の看護士さんが検温・血圧測定、昨日のトイレの回数を聞きに
やってきた。そこで思わぬイベントが!

なんと毛剃りのチェック! 昨日の看護士さんが若かったために
ベテランの看護士さんにチェックを申し送っていたらしい、、
ベテランといっても、20代後半のこれまたスラットした美人看護士さんである!
毛を剃られた情けない陰部をまた自らさらす事となった。
まあ、職業柄看護士さんはなんとも思っていないんでしょうけど。

今日は手術が9:00からなので朝は絶食である。
尿管をつけないので、トイレに3回ほど行って搾り出してくる。
まあ3時間程度の手術なので大丈夫だろうと、勝手に決め込む。

さすがに緊張していないといえば嘘になるけど、術着に着替えると
もうまな板の鯉である。朝一手術だと待ち時間もなくバタバタと
始まっていくのに助けられている部分もあるような気がした。

9:00 いよいよ妻とお袋に付き添われ、自分で歩いて手術室へ、、

手術室はドラマのイメージと全然違って、明るく最新鋭の装置がならんでおり
近未来を感じさせる空気が流れていて、怖さを全くといって感じなかった。
手術台は狭くて硬いと聞かされていたが、確かに狭いけどホ-ルド性がよく
なにしろクッションが薄いのに良く出来ていて、腰がとても気持ちよい!
こういった部っておそらく日進月歩で技術革新が行われているんだろうと
思いながら、台に横たわる。

手術用の布で全身が覆われる。顔の上は直接顔に布がかからないよう
アルミ製の治具で空間が設けられる、が、しかし顔の上空には
布があるわけで、以後全く手術の状況は見えず、先生方の声でしか
進行状況がわからなくなる。
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カテーテルアブレーション体験記(2)

2009年03月15日 | カテーテルアブレーション
入院1日目

朝10:00から妻同伴で入院手続きを済ませ、循環器病棟へ、、
看護士さんから治療スケジュールの説明がある。

上手くいけば三泊四日で済んでしまうとの事。
最も恐れていた尿道カテーテルは付けても付けなくても良いとの事で
もちろん「付けない」を選択。

尿道カテーテルとは手術中、おしっこにはいけないので
尿道に管を差し込み、袋をつけて、無意識におしっこが管から
流れ出て袋にたまるというもの。
尿道に管を差し込むときに、「痛い」という人と「気持ちよい」
という人と意見が2つにわかれるのである。

でもこの病院は手術中も尿瓶で尿を取ってくれるので、
尿道カテーテルは、希望者のみなのである。

説明後、パジャマに着替えていよいよ入院である。

まずはじめのメニューは「毛剃り」である。
股間と大腿部の毛を剃るのである。
太ももの付け根からカテーテルを入れるので清潔を保つためと、
何よりテーピングをするので術後はがすのに痛くないようにするためだそうだ。

担当の看護士さんは若くてとてもかわいらしい人!
恥ずかしがる間もなくズボンとパンツを下ろさざるを得ない状況に。
そしてバリカンで陰毛をバリバリ剃られる。たまにバリカンに毛が引っかかって
痛いですが、、、それよりなにより、ペニスをひょいと持ち上げられて
作業されうるこの恥ずかしさ、、、看護士さんは慣れていて全然平気
見たいですが、、、これにはちょっと参りました。
妻は大笑いでしたが、、、

妻はこの時点で帰宅。その後シャワーを浴びAMは終了。
病院食1回目である昼食をすませ、PMは心電図検査とエコー検査を受けて
14:00頃には全メニュー終了。

翌朝9:00の手術開始を宣告され、後は21:00の消灯まで、夕食を挟んで
借りてきたDVDを鑑賞しながら心を落ち着けるのみである。

鑑賞したのは
「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」と「機動戦士ガンダムⅢ」
大好きなガンダムとウルトラマンを見て、嫌な事はしばし忘れる。
劇中ウルトラマンタロウが「ストリューム光線!」と言う所に激しく
感動!!ウルトラマンタロウ世代の私にとっては、これで体に
力がみなぎってきて、手術の恐怖を振り払えた気がした。
でもゾフィーは「M87光線」って言ってくれなかったのは残念、、、
もっと力が湧いたのになぁ、、、

消灯はずれ込み21:45。早いと思ったが、意外と眠れてしまった。
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カテーテルアブレーション体験記(1)

2009年03月14日 | カテーテルアブレーション
無事に手術を終えて、生還しました。

めったに体験できる手術ではない(二度としたくはないですが、、)ですから
体験記としてまとめておこうと思います。
しばしお付き合いくださいませ。


まず私に起こった頻脈は、「WPW症候群」と「心房細動」の併発による最も
危険性の高いものでした。

通常心臓を動かしているパルス波は「房室結節」なる心筋を通して心臓を
コントロールしているわけですが、1000人に1~2人の割合で先天的に「ケント束」
なる心筋を持つ人がいて、パルスの通り道を2箇所持ってしまう場合があります。
これをもつ人のことを「WPW症候群」と言います。

WPW症候群だけで、別に問題があるわけではないですが、
偶発的に頻脈を起こすことがあります。しかし起こしてしまっても一定時間で
直ったり、薬によって収めることが出来るそうです。

ところが、もっと偶発的にWPW症候群が「心房細動」を引き起こすことがあり
これが発生すると、心拍が200を超えて突然死をする危険性がグッと高まります。

原因はまだ定かではなく、偶発としか言いようがないらしいですが、
今回私は38年間、発作など経験が皆無で、自分がWPW症候群だということも
知らずに生きてきましたが、最悪である「偶発の偶発」が重なり
頻脈が発生し、心拍は300を超えてしまったのです。

しかし奇跡的に死に至ることはなく、胸が苦しいなぁと思いながら
家族を乗せて深夜の高速道路を東京から三重まで運転していたのでした。
心拍300を超えると死に至らないまでも、意識を失うことがほとんどだそうです。
私の仕事の知り合いも先日同症状が発生し、心拍200を超えてホテルのフロントで
意識を失い倒れたそうで、、、

心拍300を超えた私は心臓死しなくても、高速で意識を失い
一家で交通事故死していた可能性はものすごく高かったのです。

このようにWPW症候群をもっていても、一生何も発生しない人も多々いるそう
ですが、私のように心房細動を引き起こした場合、次は突然死を覚悟しなければ
ならないそうで、、、基本的にはケント束を焼き殺す手術、すなわち
「心臓カテーテルアブレーション手術」を受けて再発防止をする事となります。

成功確率は90%です。10年前くらいから確立された危険性の少ない手術で、
それまでは開胸手術であったために、もっとリスクは高かったそうです。
しかしそれでも成功率90%であり、1割は失敗のリスクがある手術であることに
違いはありません。

失敗の事例の大半は「焼き切れない」という結果、極わずかですが
本来の心筋である「房室結節」まで焼きってしまい、ペースメーカーを
埋め込む事態となってしまう例や、最悪死亡という事例もあるそうです。

そういったリスクがある事を承知した上で、手術同意書にサインしなければ
なりませんから、妻帯者としてはかなり迷うところですが、、
やはり「突然死」は困りますので、90%の成功例に賭ける形で今回手術を
受ける決断をしたのです。
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次週より入院です。

2009年03月06日 | 日記
活動再開と思っていた矢先の出来事でした。

胸が少し苦しいと思ってかかり付けの医者に行ったら、「頻脈」だといわれ
救急車で大病院へ、、、

投薬で収まらず、全身麻酔をかけて、生きたままAEDを受ける羽目に、、
まあ、死んでいてもおかしくなかった危険な状態だったそうで、、
でもおかげで肋骨にひびが入りました。

その次の週には、予防接種を受けていたのに一家でインフルエンザA型に、、、

そして、来週には心臓発作の再発防止手術で入院です。
今度は部分麻酔手術ですので、地獄を見そうです。
血管からカテーテルを入れて心臓まで送り、高電圧で不整脈発生場所を
焼ききるんだそうです。

HPでいろいろ体験談を見ると、カテーテル挿入時にかなり痛いとか、
カテーテルが心臓に向かってくるときはムカムカするとか、
テスト的に頻脈を起こさせられるので苦しいとか、、
焼ききるときは麻酔が効かないみたいで、すごく熱く痛いとか、、、
失敗すると1%の確率でペースメーカー埋め込み手術に移行するとか、、

これじゃあまるでショッカー改造手術じゃないか!!!

と、言うわけで、ブログ更新どころではない1ヶ月を送っておりました

次週の手術で死亡しなければ、また更新いたしますってことで。

ちなみに死亡する確立も0.1%あるのだそうで、、、、
まあ帝王切開でも死亡確率0.1%でしたけどね 、、、、
コメント (2)
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