上砂理佳のうぐいす日記

3月31日(月)から4月6日(日)まで銀座中央ギャラリーの「10×10版画展」に銅版画小品を出品します★

「ばらの精」

2005-06-12 | バレエにハマって幾星霜
↓の私のコメント、タイトルと名前と逆に記入してしもたわ。お馬鹿。やはり忙しくて頭がまわっとらんな…。
今ねー。梅の時季でしょ。母は梅酒、私は梅ジャム・梅シロップ作りの算段で、ますます忙しいのよ。ホレ、私ビンボーだから(笑)なんでも手作りなのよ。山崎えりこさんの「節約生活のススメ」を読んでからは、アイスクリームも自家製でっせ。仕事もいよいよお尻に火が…なのに、ああ、なぜジャムなんか作ってんだよー。わたし~お~い(叫ぶ)。
「マラーホフ来日記念特集」で、も少し引っ張ろうかしら…。なぜならフィギュア・オフの時期でないと、なかなかこういう話も出来ないのですよ。トリノ五輪がありますからね。気もそぞろー。でも続々と海外バレエ団も来日するから、話が追っつかないんだよね…。

えー。「ダンスマガジン人気投票」も毎年1位のウラジミール・マラーホフ。この写真ではコスチュームがわかりにくいですが、雰囲気だけ感じてください(笑)。
彼の当たり役(違うかな?)でもある「ばらの精」の紹介を少し。私、実はジョニーにこれも滑ってほしいんですよね…無理だけど(笑)。衣装だけでも着てほしかったりして。似合うと思うのよね。
「ばらの精」は10数分ほどのクラシック小品で、ガラ・コンサートなどで踊られるロマンチックバレエです。ビデオも豊富で、いろんなダンサーで見比べると「美男品定め」的にも楽しめます(笑)。振付はフォーキン(たしか)。音楽はウェーバーの「舞踏への招待」。
舞踏会から帰ってきたばかりの美しい少女。今日の楽しい出来事を、自分の部屋のソファにひとり座り思い出しているうちに、いつのまにか眠ってしまいました。
開け放たれた大きな窓から、突然、空中を跳んで一人の妖精が現れました。ピンクの花びらに身をつつんだ「ばらの精」です。男でも女でもありません。美しくしなやかに踊る、踊る。ばらの精は少女の腕をそっと取り、やがて二人は一緒にワルツを踊ります。今日の舞踏会のように。少女はもう夢心地です。
やがて時が来ました。ばらの精は別れを告げるため、少女にキスをします。空中を跳んで、窓から外に永遠に去っていってしまいました。少女はそこでハッと目が覚め「あの妖精は…まぼろしだったのだろうか。いや、本当にいたのだろうか?」と途方に暮れます。そこで暗転。物語は終わります。
この踊りは、大きな跳躍や回転、入り組んだターン、と高度な技術がてんこ盛りで、かつまた「男でもなく女でもない」神秘的ムード、「ばら」という華やかさ、も醸し出さねばならない。トップの男性舞踊手にとっていわば「試験」ともいえる難しいバレエだそうです。
初演したワスラフ・ニジンスキーというロシア人の男性ダンサーが、この「窓から大きな跳躍で入り、また去っていく」という部分で、空前絶後の高いジャンプをやってのけ、「まるでそのまま空へ羽ばたいていくかのようだった」という伝説を生んで有名です。
プルシェンコが、去年のフリーで「ニジンスキーへのオマージュ」を滑ってますが、彼はこの「伝説の天才・ニジンスキー」と、自分の天分を重ね合わせて表現したかったのではないかしら(あのフリーは「牧神の午後」のポーズなんか出てきて、面白かった)

私は今まで、ヌレエフ、デュポン、ルグリ、ルジマートフ…と、様々な男性ダンサーで「ばらの精」を見てきましたが、マラーホフはスカパーのTVドキュメントで見ました。舞台でナマを見てないから残念なんだけど、「純な少年っぽさ」「妖精的魅力」は彼が一番でした。「エレガンス」という点では、パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ。「異色」(?)はヌレエフ。「お色気・個性」はデュポン、かなー。
まず、この「全身ピンクの花びらで覆われた」衣装が似合う男性じゃないとね…。頭も花びらでおおわれている。下半身もぴったりしたピンクの薄いタイツですよ。で、筋肉ムキムキ(笑)。
回転ワザもハンパじゃない。そして「伝説の大ジャンプ」が美しく、やわらか~く出来る人でなくては。でも、少女を「夢のごとく」躍らせなければならないから、けっこう力強さもいるのですよ。
マラーホフは完璧でした。この人はジャンプがすご~く高いので定評があるのですが、「着地で足音がしない」ことでも、つとに有名です。そ~っとフワリと降りてくる。それは、足の裏で床を掴む技術が特に優れてるかららしいんですが(バレエの先生に聞いたけど、イマイチよくわかりません)。回転も「これでもか!」とはやらない。美しく回り、フワリと美しく終わる。またこのポジションが死ぬほど美しい!
手足がもともと長くて顔がちっこいんだけど、股関節が柔らかい人なので、足もまっすぐに高く上がります。アラベスク(片足で立ってもう片足を後方に90度上げる。片手は前方に、片手は後方に)のポーズだけで「はああ~~~」とタメ息が出るほど、美しいのですわ。いやはや、立ってるだけで絵になる(それはジョニーも同じ・笑)。膝から下が長くしなってて、足の甲が高い高い。指先の細やかさ。長い首から肩にかけてのライン、のまあ美しいこと。
止まっても動いても美しい。まさに「夢の中の妖精」って形容詞がピッタリ。難点は、美しすぎてパートナーの女性がかすんで見えてしまうところです(笑)。アレッサンドラ・フェリとも組んでたけど、いかがなものだろうか…。しかし最近、ロシアのディアナ・ヴィシニョーワがちょうど、年齢的・実力的に釣り合う形となり、パートナーを組んでますよね。私はまだこの二人でのパ・ド・ドゥは見てないのですが、マラーホフのインタビューやヴィシニョーワの資質を考えると、かなり「ナイス・カップル」に思えるのです。ほんと、男の人がズバ抜けて美しいと、女性は大変です。太れないし(笑)。
あ~この私のご贔屓のこの2人、ケッコンしないかなー(←暴言か…)。

ウラジミールの愛称は「ワロージャ」ですが、新書館からもマラーホフ写真集や彼オンリーのビデオが豊富に出ています。若い頃の彼は、ほーんと女の子みたい。ヨン様並みの美しい白い歯を見せてニカッと笑う。もうもう、超かわいい!写真集のタイトルなんて「神のナルシス」だもんね。いや、ワロージャは決して高慢なナルシストではありませんが(だと思う・笑)。
インタビューでも、謙虚で可愛らしい、でもハッキリとモノを言う性格が、随所にうかがえます。昔、同じバレエ団で踊っていた仲良しのバレエダンサー、イルギス・ガリムーリンが日本のバレリーナと結婚した、ということもあり(成澤淑栄さんだよね…確か)マラーホフも元々日本に縁が深いのですが、それに加えて来日公演のチャンスがとても多い。彼の芸術性とキャラクターが日本人の感性にピタリと合い、ここまでのロングラン・ブレイクとなった…と、えんえん10年以上も続く大人気っぷりを、私はそんな風に感じています。
あ、そうそう、マラーホフも日本語やドイツ語を勉強してたよね。まあ、世界中で仕事するからマルチリンガルである事は必要なんでしょうけど、語学への好奇心もジョニーに似てるような気がするのよね(こじつけ・笑)。
え~もう少し、バレエ話続きそうです~(^^;)
コメント (2)
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