上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

その後…

2007-01-30 | 06-07 コンペとショー
 うーん。
全米のあった夜にヒドイ夢を見て、飛び起きて、ほとんど眠れなかった。
私のショックは続いているみたい。
でも今日が仕事のシメキリなんで、スケートの事を考えてる場合じゃないんだ。

全米のキス&クラの号泣…その後、カメラが切り替わって、ライサが「王座」で笑っている。なんて残酷なんだろう。
でも、全日本でも大ちゃんと織田君を対照的に映し出していたから、どこの国でも同じだろうか。
いやでも、日本の場合は「お互い、全力を尽くしました」感があったから「来年は殿がガツンとやってくるわよ」という趣があった。だって彼は若くて、大ちゃんもだけど「発展途上」の人だものね。二人のライバル関係が丁度いい相乗効果を上げているので、ある意味理想的だ。

…でもですね(あーもう行かねば。書いてる場合ではない)。
ジョニーの場合はちょっと違うのだ。ライサを意識してはいるだろうけれど、まだ「お尻に火がついていない」ように思う。ジョニーは。
そして私も「…まだライサとは差があるから、全米はジョニーはいつも必死で頑張るから…なんとかしてくれるだろう」と甘く思っていたのだ。
でも「現実を突きつけられた」。だからショックを受けているんだわ。

ジョニーは4回転も他のエレメンツも、個別でやれば成功してる筈。前にみた4-3-2も綺麗だった。加点つきそうなくらい。
でも「FSの4分半を通しで滑る練習」が不足してるんだと思う。スケカナ前に「FSはまだ通して滑った事がない」と言っていたのにも驚いたけど。キャンベルの時はSPのお披露目だったので、私は見抜けなかったのだ。
練習のFSでジャンプが全て(4T含む)入っているぐらいでないと。
本番では緊張してるから、80%のぐらいの出来でも勝てる…くらいに持っていっておかないと。多分、世界のTOPは席を空けてくれない。というか上の人のミス待ちになる。
でもあのFSを見ていたら、カナダ→ロシアと調子を上げてはきてるけれど、練習でも、4分半の中のジャンプは全て跳べてない。多分。そのまま全米に来てしまって、SPは持ちこたえられたものの、ロングで不安が出たのだと思う。

去年まではそれでも、他選手のミスや「格の違い」で、どうにかなっていたのよ。
でも冷静に考えたら昨年も全米は、FSでは3位(確か)でサボイにも抜かれていたのだわ。ライサのSPでのステップ転倒が無ければ、優勝はライサに持っていかれてた。
そこで「これは相当頑張らないとやばい!」…と、ジョニーは「覚醒」しなけりゃいけなかったのよ。イチから体力作りからやらなければいけなかった。いや、本格的にやっているのかどうは、私はわかりませんが。

ソルトレイクの頃は、ジャンプは7回までだし、コンボも2つまで。スピンやステップも今よりは楽だったと思う(楽という言い方はおかしいけど)。
あの時代の感覚だと、ジョニーはパーフェクトに出来る筈。
でも今は男子シングルのレベルが違ってきている。ジョニー陣営の感覚ではまだ、旧採点法のスタミナ配分のままでいると思う。
それと技術面ですが、大ちゃんにテクニカルアドバイザーとして本田君がついて良くなったみたいに、ジョニーには今、男性のコーチがもう一人必要ではないだろうか。ジャンプとスタミナををトータルで見てくれる指導者。
プリシラさんとは「母と子」のようになってしまって、厳しい父親役が必要なんではないか、と。プリシラコーチも、「4回転を入れて4分半を滑りきる」経験は無い訳で、その感覚が解る若手の男性コーチが、ジョニーにアドバイスしてくれたら…それだけでも、随分変わるんじゃないだろか。
私は、ペトレンコかボイタノ等等を推奨しますが、如何でしょうか。特にペトレンコはジョニーの資質とも合うと思うけどなあ(ペトさんはTSだから、スタッフとしては選手に関われないのか?)。

と、私がいくらここでシロート判断しても仕方ないというか、でも悔しくて悲しくてどうしたらいいのだ?状態というか。混沌としてるというか、僅差で負けるかもしれない…という危惧はあったものの、ここまでコテンパンとは思っていなかったから、今は全米のVも見返せないというか。
今のままでも、充分ジョニーのスケートは魅力的だし、もう一応「名を成した」人になってしまったので、これで満足すべきなのかもしれない。それに、ワールドではきっちり仕上げてくるのかもしれないし。
でも、私のワガママで言えば、オフ期にファッションショーに出たり、メディアにアイドル的に露出したりして欲しくないのだ。ストイックに、練習に打ち込んでて欲しいのだ。日の目を見なくて「今に見てろよ!」っていう状態のジョニーが好きなのだ。高価な毛皮にくるまってポーズをとっているジョニーは「虚像」という感じがして、実は余り好きでないことに、私はここ1年くらいで気付いた。
引退したらイロイロやって欲しいけど、今はスケートに打ち込んで欲しい。
ランビエールの「燃え尽き症候群」が言われているけれど、彼は必死に頑張って世界一にもなって、「目標を達成した」とも言えるのだから休みのも解る気がする。
ジョニーにも休息が必要かもしれない。でもまだ№1になっていないのに。これからなのに。今の男子シングルで3ヶ月でも休んだら、もう戻ってこれないと思う。というか、戻るのに半年~1年は費やす。

全米でリンクのミゾに嵌まって転倒して(丁度、今回のFSのラロシェ選手みたいな感じ)、そのまま棄権してブーイングを浴びた頃…その翌年、GPにも派遣されず、ブロック大会から勝ち上がって全米出場権を獲得。
トップ選手のワイス兄さんに比べたら随分下げた扱いを受けていたのに、FSで見事な完璧演技を披露して初優勝した頃。
あの頃の、「いちずにモクモクと」滑るジョニーの状態が、私はとても好きで心動かされていたのかもしれない。

今はまた「いち挑戦者」に戻ったわけで、私の中のジョニーは「ぐるりと一周」してきたことになる。
また、無垢なる気持ちで応援して「いつか世界チャンピオンになるよ!この子は!」といい続ける事が出来るだろうか。
でも、周りのほとんどが「ジョニー・ウェアー?それ誰?」って言ってた頃に「磨けば光る選手がいるのよ!」と胸で思っていた自分の方が、よっぽど幸せだったんだろうか。
こうして、皆に認められて一応の成功をおさめたけれど、「モクモクとした暗い情熱的」なものを感じられなくなったジョニーに、私はキャーキャー言えないのだ。言いたくない。結果を出せないジョニーが情けないという意味じゃない。「どうにかしよう」「なんとかしよう」と思って欲しいのだ。全てをかなぐり捨てて、必死になって欲しいんだ。
でも「僕はそういう選手じゃないし、それにやるべき事はやっている。僕なりに必死だよ。」…と言われたら「ごもっとも」なのだ。文句は言えないのだ。私は選手じゃないんだから。
だからと言って「手放しでジョニーの全てを肯定しよう」とも思えないのである。このへんの混沌とした気持ち。

…なんか支離滅裂ですが、独り言を吐露。
コメント (8)
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