上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

雑誌ぞくぞくとランビエールと★

2008-10-18 | フィギュアこんな話も
えー。
紀伊国屋書店梅田店には、
・「WFS」(ジョニー表紙)
・「カッティングエッジ」(大ちゃん表紙)
・「GPシリーズオフィシャルガイド」(これも何故か大ちゃん表紙)
は平積みになってます。
「カッティング~」はビニールでくるまれてるので、立ち読み不可。サラリーマンで混み合う夕方、あのコーナーで「高橋大輔ピン表紙」のデカ本を手に取るのは、かなり勇気が要る…でも隣のOLさんが、WFSを熱心に立ち読みなさってたので、えいっ!と購入。あ、ジュンク堂堂島店ではビニールでくるまれてないので、座り読みして吟味出来ますね。ジュンク堂三宮店はどーも、雰囲気が好きじゃないなあ…やっぱ堂島がいいわ。
まだ「Days+」の感想も終わってないのに、ぞくぞく雑誌が出て、嬉しいんだか困るんだか。

「オフィシャルガイド」は、春の男子本の成功(?)に味をしめたのか、TOPページから男子特集。この時点ではジェフの引退は掲載されてるけど、当然のことながらランビエールは新シーズンへの抱負を語ってます。切ないー。
海外男子のインタビューは「通りいっぺん」というか、余り核心に触れてないのでちょっと物足りなかったけど。やっぱり、WFSの田村さんの取材が一番いいかなあ、海外男子は。
でも、インタビュー以外に挿入されている「小ネタ」が面白い。マニアックです。写真も良い。ルール改訂の解説も解りやすい(岡崎真氏解説)。みやけんによる「僕が女子に振り付けるならコレ!」の頁も面白い。
1800円は痛いけれど、もう今後こういう本は出ないかも…と思うと、やはりコレクションに加えてしまうのでした。
ああ、実業之日本社からも「パーフェクトガイド」が出るんですよね。そして「Days」も。おそろしや…「女子キャラクターブック」も買ってしまったのよね。働けよ、私。

ランビエールの引退ニュースが来ました。メール鳴る鳴る。
うーん。
さっき「COLORS」を読み返していたので、なおさら切ない。ランビ、この時は(東京ワールド直前)ディフェンディングチャンピオンだったのよね。
ジェフだけで相当の打撃なのに、ランビも…今季は比較的波乱が無いかなーと思っていただけに。ちょっと唐突だったかなー。それに、コーチも拠点も変えたばかりでしたしね。
でも「早すぎる!なんで!?」とは思わない。
バンクーバー五輪前にやめてしまうことは悲しいけれど、ランビエールはもう「充分やりきった!」感じがするからでしょうか。
2回世界タイトル獲って、五輪のメダルも獲って…彼はGPシリーズはスキップする事が多かったけど(確か1勝しかしてないのでは)、「ここぞ!」のチャンスで勝つ人、という印象が強い。
だから「チャンピオン」のまま去った…というイメージです。私の中では。

これは前にも書いたけど、ランビは強い「磁場」を自分で発生させる力があったと思うのですよ。
あの強いスピンのせいもあるけど、こう、満場のお客さんを「グーッ」と自分の体の中心に巻き込んでいくパワーがあった。
たとえ、ジャンプがボロボロの時でも…でも、イエテボリワールドでは、あの独特の「磁場」がやや弱い気がして、「あれ?」だったんですが。
やっぱり、東京ワールドの「ポエタ」が最高だったのかな。あれをナマで見られて、私、一生のお宝かもしれない。あれ、最後のスピンの時、もうお客さんの「ワーッ!」で音楽聞こえなかったものね。
ジェフのイエテボリのFS「アララト」のラストも、「高揚」の極みだったけど、ああいう瞬間があるから、フィギュアは病みつきになるのですね。

でも、実は私は近年のランビよりも「ちょっと昔」の彼が好き。
ソルトレイクシーズンで初めて演技を見て、その時は「スピンは上手いけど…他はちょっとね~うーん」だった。
でも、03-04シーズンのヨロ選で認識が変わった!
いつの間にか「踊れる人」「表現する人」に変身していた!
そして、4回転!
この04世界選手権で、初めてFSに2本の4回転を入れた!
確か、本番2週間前に初めて「4回転2本」の練習を始めて…普通、そんな無謀な事は誰もやらないと思うんですが、彼はやっちゃった。
この時は、地元ドイツのリンデマンが4回転1本(お手つき)ながら、見事なFSで銅メダル。ランビは僅差で4位。
でも、この時はじめて私は「ランビエール恐るべし!」と唸ったのでした。この決断力と舞台度胸はタダ者ではない、と。
そして翌年の05モスクワ世界選手権。
大本命プルシェンコが、満身創痍でFS前に棄権。
そして「打倒プルシェンコ!」の筆頭に挙げられていたGP2勝のジョニーが、怪我の影響もあってSPは転倒(これは思い出しても泣ける…リドカイン注射でしたね)。
ジョニーやジュベールを尻目に、スルスルスル~ッと初優勝をかっさらっていったのが、なんと、若きランビエールだったのでした。
この時の「歓喜のキス&クラ」は今でも覚えています。
泣いていたというか「信じられない!」「俺がー!優勝ー!ぎゃーっ!」というか。バクハツしていたランビ。
この頃の、「その他大勢」から一気にトップへ駆け上がっていくランビが好きで、荒削りなんだけど「ランビ磁場発生!」の魅力がなんともたまらないのでした。

東京ワールドの「ポエタ」あたりから、芸術派嗜好になっていったみたいで、私は「だんだんランビもプロっぽくなっていくなあ~」とボンヤリ思っていたのでした。
今年のDOI。ナハロさんとの共演を見て、更にその思いを強くしました。もう、ランビエールはプロスケーターの境地だよね~、と。
「プロに近付いた」「プロみたい」と思った時。
それは引退が近付いた時でもある。
カートもそうだったし、ヤグもそうだった。
でもランビは若いしね…どうなのかしら…「もう一周」出来るかしら…だとしたらその鍵を握るのは新コーチかな…と、混沌とした気持ちを抱えていたら、この引退発表。

私にとっては「憎らしいほど“ここ一番!”に強く、でもやっぱり憎みきれない?魅力的なスケーター」だったのですが、もう少し様々なプロで見ていたかった、というのはあります。
でもそれは、違う舞台で見せてくれたらいいのかな…故障の程度が良く解りませんが、彼が表現したいものと、体の調子が上手く折り合ってくれたらいいな、と思うばかり。
私は、自分が「表現」の仕事をしてるせいか、そっちの方が気にかかります。あまり「お疲れ様。今までありがとう」と言いたくない。だって、人生はまだまだこれかれも続くのよ。時間はたっぷりあるのよ。
やり方を変えて、自分の表現したいものを存分にやって欲しい。
それが、スケートなのか学業なのかまた別の仕事なのか、よく解らないけれど。「やりたい事」で幸せになって欲しい。
いや今も充分幸せなんだろか。
ヤグディンがね。今、アイスショーで滑ってて、余り幸せそうに見えないのでつらいのですね。私の思い込みかもしれんけど。
ランビエールは「幸せなスケーター」でいて欲しいわ。

書いていて、ちょっと泣けてしまいました★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする