上砂理佳のうぐいす日記

3月31日(月)から4月6日(日)まで銀座中央ギャラリーの「10×10版画展」に銅版画小品を出品します★

死の淵より★

2013-12-26 | 13-14コンペとショー
「もうこれで終わり。みんな今までありがとう。そして“ごめん”」。

フリー終盤でリンクを飛ぶように滑っていく大ちゃんは、
そう全身で言っているかのようでした。
「謝ることなんてない。精一杯やったから、それでいいんだってば!」
泣きながら心で叫ぶ私。

「五輪に出ては欲しいが、ここで引退かもしれない」
という覚悟はもうかなり前から持ってました。
引退する選手の最後の舞台は、大抵が五輪シーズンの国内選手権ですから。
国内選で五輪切符が取れなかったら、「もはやこれまで」と身を引く。
トップ選手は「五輪」が一つの大きな区切りなのですから。
大ちゃんにあっては、そうであってはならない。全て終わるのはソチのあと。
なのになのに直前のケガで、もがき苦しむ大ちゃん。
今までもハンパない苦労の連続なのに、なぜにまたここで試練が来るのか。
多くの選手は、この全日本に照準を合わせて万全の状態で臨むのに、
手負いの大ちゃんが同じ土俵で戦えるワケないじゃないか。。。

テレビだと消してしまうけど、現場では全てを受け入れざるを得ないのでした。
ただただ、「頑張れ!ゴールにたどり着け!」と祈るのみ。
滑りきった…。棄権しなかった。良かった…(ノд〈。)゜。

複雑な感情で一杯で、とてもプログラムを味わうどころではありません。
滑る前の大ちゃんの表情も、まるでこれから自刃の場に向かう武士の如くでしたから。
手の傷の赤い血は、なんか象徴的だったな。。。

大ちゃんがこの一年を漢字一文字で表現したら、「難」だそうな。
人生は難しい。
難しいから面白いし、やりがいがある。
この「難」を乗り越えて、最後の五輪で、苦しみから解き放たれて欲しい。
そして今季のフリー・ビートルズのテーマ「愛」の境地に、辿り着いて欲しい★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする