上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

「逃げる女」★

2016-02-07 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
昨夜もブログに書きましたが、NHK「土ドラ」枠の「逃げる女」が面白い!
なんでこんなにクオリティが高いのに、視聴率2%台なのか…NHKは朝ドラと「ちかえもん」はしつこくPRしてるのに、このドラマは全然なし。なんか裏事情でもあるのでしょうか(笑)。
ぜひ再放送でもして、多くの方に見て欲しいです。土ドラって、いつも良いのが多い印象。夫婦善哉も下流の宴も土ドラだったっけ。

冤罪を認められ、8年ぶりに出所したヒロインを水野美紀。彼女と深く関わるベテラン刑事が遠藤憲一。遠憲さんとコンビを組む若手刑事に賀来賢人君。
水野美紀の幼馴染で、嘘の証言をした元同僚役に田畑智子。原田美枝子に高橋克典に…役者さん全てハマッてて上手いです。
水野美紀にしつこくついて回る「謎の女」を、仲里依紗ちゃんが演じていますが、凶暴で破綻してて、でも可愛くて甘えてくる。幾重にも「内部骨折」している表現がすごい。素晴らしい役造形としか言いようがない。
脚本は鎌田利夫さんとあるよ。他に何書いてるのかな?原作無しで書き下ろしですね。
内容は重くて暗いのに、海辺の街(長崎と佐世保?)の自然描写が美しく、山も川も橋も美しい。セットも凝ってるし。あのオーガニックのパン屋さんとか、窯が可愛いのよ。薪ストーブもおしゃれ。
第二話?で、夜の街を、賀来君演じる若手刑事が上司を尾行するシーンがあるんですが、住宅の壁に映る賀来君のシルエット。
そこに背後から、怪物のような巨大な影がヌオ~~~とおおいかぶさる…それが疑惑の上司。
ああいう描写は美術監督がやるんでしょうか。影を使った演出。素晴らしいセンスだと思います。「おおっ」と息を呑みました。
けっこう過激な描写もあるんですが、最近の傾向として民放よりNHKがすごいんじゃないでしょか。「虐待される子供」も扱っていますが、今のところ丁寧に慎重に描いていると思います。

もう来週が最終回で、だんだんと過去の謎が解明され、どういう結末を迎えるのか…。
「人はみんな、自分のルールに従って生きていて、それが正しいと思っている。でも、他人は、違うルールで生きているのだ」
というところが、大きなテーマかな。単なるサスペンスでない、奥深い人物描写がジンジンきます。
全編再放送を期待して詳しい内容は書かないでおきますが、良質の映画を見ている位の満足度あり★
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火村英生・第三話「めっちゃがんばれ」★

2016-02-07 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
やっぱり今季の連ドラは、暗い系ばかりお気に入りになってしまい、今のとこ「逃げる女」「ナオミとカナコ」「私を離さないで」がほぼ同列で最優秀作品賞。
どれも、女性二人が深く絡み合う面白さで共通してます。最優秀助演女優賞は「逃げる女」の仲里依紗ちゃんか、「ナオミとカナコ」の高畑さんで決まりですやろ。
しかし、私の好きなドラマって全て視聴率高くない。。。

さて、窪田君目当てで見ている「火村英生の推理」。一話より二話、二話より三話の方が面白い!三話は「准教授の身代金」でした。
この回は、下宿のおばあちゃん=夏木マリさんとアリス=窪田君が共謀して、火村先生にナゾをしかける場面が、もう可愛くて可愛くて
二人で「ぐふふ。ぐふふ」って子供みたいにほくそ笑んでいるところが、上手過ぎて笑いました(笑)。
かなり巧妙に仕組んだナゾかけも、火村先生は即座に解いちゃうんですが、やっぱり私はわからなかった。きっと一日中考えてもわからない(笑)。
難なく正解されてションボリしちゃうアリスを、火村先生が「次は頑張れ。めっちゃ頑張れ」と、頭ポンポンするんですが、ここも可愛すぎる
この、レトロな京都の下宿のミニコント、いいですねえ 毎回楽しみ。
部屋の後方の窓ガラスがちゃんと「古いガラス」になってて、もっとインテリアをじっくり楽しみたい!(そしてもっとモモちゃんの活躍も見たい!) 

本編の謎解きも、この「下宿でのイタズラ」とひっかけて、「連続するものなのに一つだけ欠けている」がキーとなっていますが、あのダンナの豪勢なお屋敷内の、「隠し部屋」なかなか良く出来ていますよねえ。
最初で犯人わかっちゃうんだけど、いやこれで終わりじゃないよね?二段、三段構えだよね?と思っていたら、やはり二段オチでした!
火村先生が、容疑者に「エサ」を与えて「食いつけ。ほら」とワナにハメるところ、推理をたたみかけていくところ、圧巻でした。マネージャーがアリスと火村を勘違いするところなんか、私は何とも思わなかったのに、重要なポイントだったのね。

加害者と被害者の関係性や、それぞれの心情を余り細かく描かないので、真犯人が解った時の余韻というかカタルシスが、どうもイマイチなんですが、このドラマって「一分の隙もない推理」そのものを楽しむものなのね。
そういう意味では原作に沿ってるな、と。ちなにみ有栖川さんはエラリィ・クィーンが大好きだそうですが、このクールな作りは、ちょっと似てるのかな。
私はアガサ・クリスティとか、パトリシア・ハイスミスの「心理系」が好きなので、こういう「推理ゲーム」に慣れてない 
でも、火村先生の「何に着目するか」が、面白いです。斎藤さんは初回からテンションを落とすことなく、なおかつちょっと「遊び」を演技に入れているような余裕を感じます。
「この犯罪は美しくない」という決めゼリフは、どうも視聴者に誤解を与えるように思うのですが、犯罪に「美」を見出してるのではなく、「整合性」のことを言っているんではないでしょか。
ここはまだ上手く文章化出来ないので…後に書きたいです。

窪田君は三話目にして「アリスになってきたあ~」と思いました
あの「わちゃわちゃ」とした動きは、原作からは感じられなかったので、多分創作なのでしょうね。でも、大阪人って「身振り手振り」が確かに大きいんだよ(笑)。東京の人みたいにクールじゃないの。
時々、アリスが「小学3年男子」みたいに見えるんですが(笑)、子供みたいなところも好き。まあ作家って子供っぽい人多いしね…。
そうか、作家だから好奇心は旺盛なんだ!そこもうちょっと強調した方が良くないかな。だから頼むから原稿書いてくれ(笑)。
あと、優香ちゃんはやっぱり良いです
紅一点だと「飾りの紅ショーガ」程度かしら…と思ってたら、火村とアリスをやりこめる役とは。小町さんがツンツンして怒るところ、大好物。もっと言ってくれーって思う(笑)。
生瀬さんは、あのままシリアスなのでしょうか!?
勿体ない感じ…せっかく生瀬さん登板ならば、もうひとヒネリ欲しいー。彼がいることで、「ドン」と重みが出るのはいいんですけど…「トリック」の影響が強いな、わたし(笑)。

ということで~次回(もう、今日!)は原作ファンにも人気の「ダリの繭」だそうです。「繭」のセットも凄いですね。火村とアリスのなところも、ますます期待してます
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