上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

LA LA LAND~ハリウッドの底力~★

2017-05-10 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


ハリウッドの新作ミュージカルを見るなんて一体何年ぶりなんでしょう。いや製作されていたのかすら?知りません。
大ヒットしたら日本に輸入されるけど、近年まず来ないということは不振なのでしょうか。あ…オスカー獲った「アーティスト」もミュージカルかな。
アカデミー賞の「作品賞うっかり取り損ない」事件が起こったこともあり、友達にも勧められて、「LA LA LAND」見てみました。
平日昼間に小さな劇場で、お客さんはほぼ女性10人ぐらい。一度上映終了してたんだけど、また「平日限定」で上映復活。良かった^^

さすがオスカー。緻密でクオリティ高く、役者さん達も上手くて楽しめました。特に音楽と歌声が素晴らしく「ミュージカルっていいな♪」と再認識(私は昔っからミュージカル映画が好きです♪)
冒頭の「車の大渋滞で踊り出す」シーンは、ちょっとパルクールっぽくっていいですね。
赤・黄・緑・青…カラフルな原色が躍動していて最高に楽しい!ミュージカルが好きでない人には、目がテンになるでしょう(笑)。
道路のはる~か向こうの方まで車の上で人が踊ってたから、エキストラダンサーなんだろか?それともCG?車の上で踊るって難しくない?どうやって撮影したんでしょうね。

雇われピアノマンのセブと、女優志望でオーディションを受けまくるミアの物語です。
それぞれがまだ、自分の夢が叶っておらず、挫折感を抱きながら日々を送っています。
二人が偶然出会って恋に落ち…「冬」から始まり、「春」「夏」「秋」…そして「五年後」と時が経過していきます。
夏まっさかりの恋愛がうまくいってる頃は、二人で踊る踊る様々なシーンが出てきますが、私はプラネタリウムの星空をバックに踊るところが好き。
踊りはオーソドックスで、特に凝った振付は無い?ミアの足元がハイヒールからタップダンスのシューズに変わるところなんて好きだけど、ダンス自体は「忘れられない名振付」は無かったです。
やっぱり「雨に唄えば」のジーン・ケリーとか見ちゃうと、「もっとスゴイのを見たいよ!」って思っちゃう。主役のお二人は悪くはなかったですが、セブ役のライアン・ゴスリングは、もう少し踊って欲しかった!
上半身に「遊び」が無いので、ポケットに手を突っ込んでタップを踊っても、「粋」さが感じられず、やっぱりケリーやアステアは凄かったんだな~と思ってしまいます(あ、でもゴスリングのピアノは素晴らしかったです。吹き替え?かもしれないけど、あの指の動きは素晴らしい)。

そのまま恋は成就するのか…と思いきや、最大の試練がやってきて二人に亀裂が。ミアは夢をあきらめかけます。でもそれを救ったのはセブ。
セブの機転と情熱で、ミアはチャンスを掴み、そして二人は。。。
う~ん。
セブは身を挺してミアを救ってくれたのに、ミアはセブに何にもしてあげてないよ!
って、ちょっと怒りました(笑)。
最後はあらら。。。予想外の結末でした。映画冒頭が希望に満ちて華やかに始まったのに、最後のミアは黒い色のドレスを着ています。
カラフルな夢は終わって、これが現実…ということ?なんか、ミュージカルらしからぬ展開でした。見終わってモヤモヤ感が残るー。「あー良かったね」って言い合えないという(笑)。そのせいなのか、お客さんも無言で劇場を後にしてました。

私は車の事が良くわからないのですが、出てくる車ってみんなクラシックですよねー。セブがミアを迎えに来るオープンカーがカッコイイ!
一体いつごろの時代の設定なんだろ…でも、ミアがスマホをいじってるから現代か!?
映画の最後に「THE END」の文字が大きく出て、懐かしのハリウッド!って愛しさがこみ上げます。ジャズのライブハウス、演奏シーン、衣装…クラシカルなようでいて現代的でもあり、不思議な感覚でした。
音楽や演出は良いんだけど、なんせ後半の展開がアレなもんで、手放しで喜べないのがツライです。ミアに同情も出来なかったなあ。
最後は一応、二人は「夢を叶えた」ことになるんですが、でもそれがHAPPYなのかどうなのか。
私なら遠距離恋愛して頑張るよな…でも、若い時ってこんなもんだよね。
ほんのちょっとしたすれ違いから、もう戻れない距離になっちゃう。
これは、私が注意深く見てないからかもしれませんが、音楽と二人の心理の変化がうまくリンクせず、最後のミアの回想シーンでも「ググッ」と来ませんでした。結局ミアは、どちらを選びたかったの?
「愛と喝采の日々」なんかは、夢と現実の板挟みで苦しむ人間の心理が巧みに描かれていて、ドワーッと泣けるものがありましたが、そのあたりがちょっとこの映画は不満でした。

とはいえ、映画見ながら体がスイングしたのって久しぶりでした
豪華でお洒落な作りに、ハリウッドの底力を見せつけられた思いです。サントラ欲しい★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする