コメント欄はとじておきます。
北杜夫の「マンボウ最後の家族旅行」を読んだ。
どこを読んでも面白い。娘さんに言われて、ハワイに行き、帰ってから苗場に行き、
また帰ったら熱海に行き、箱根に行きと大変。
彼は昆虫マニアでした。作家などに、昆虫マニアが多いのはなぜなのかと思う。
手塚治虫も、ヘルマン・ヘッセもそうだった。有名な人々が昆虫に魅せられている。
数年前、NHKのドラマで彼の家族のドラマを見た。躁うつ病になったりの顛末だった。
この本が元になっていたのか!?
昔、「どくとるマンボウ航海記」が相当に面白い本でした。
「マンボウ最後の~」が彼の絶筆でした。初期の頃と最後の本を読んだことになります。
「楡家の人々」は多くの国で翻訳されている。知りませんでした。
TVドラマにもなったそうですが、それは見ていなかった。
本の終わりに奥様が「マンボウ家の50年」を書かれていた。
ドラマでも描かれていたけれど、躁状態の時は、株を買いまくり大変でした。
家のお金は全てなくなり、作家たちに借金を申し込んだり・・・
阿川弘之さん(サワコさんのお父様)と親しかった。
北杜夫さんは「阿川さんの家を見ろ! うちよりもひどいんだぞ!」
と言っていましたが、阿川先生のお宅でも
「北さんのお宅をみなさい。もっとひどいんだぞ」と言っていた。
奥様は早く「うつ」になってほしいと思っていた。
彼は精神科医だったけれど、誰でもなる病気なのですね。
彼は躁うつ病は治ると証明している。
娘さんの由香さんの「あとがきに代えて」: 父が残したユーモア
私が幼いころ、父は夏は躁病、冬はうつ病で、家族で海水浴にも遊園地にも
行ったことがなかったが、ここ数年は、毎月のようにどこかに出かけている。
父はよく語っていた。「生物でユーモアのあるのは人間だけです。だから
ユーモアをとても大事に考えています」と。
破産したこともあるが、家族が崩壊せず、いつも笑い声があふれていた。
「ユーモア」のお陰だろう。ユーモアは人間の賢さであり、
生きる知恵なのだと思うようになった。
長編は読みきれそうにないのですが、「楡家の人々」読んでみたい。