世界最大の口コミサイトを使い、実在しないウソのレストランを
でっち上げるというイタズラを思いついたバトラーさん。
バトラーさんはランキングを上げるため、
家族や友人に口コミを依頼。
口コミに一貫性を持たせるため、
「外で食事ができる」、「気分に合わせたメニュー」、「完全予約制」
という3つのコンセプトを定めた。
友人たちが次々にウソの口コミを投稿すると、起ち上げてからわずか2週間で
最下位だった順位は10000位を超えた。
MC:剛力彩芽は、「私たちも知らないうちにフェイクニュースを信じている可能性がある」
などと話した。設楽統は、「災害の時にもデマが流れたりする。
ちょっとしたイタズラ心でやったことが大変なことになる」などと語った。
架空のレストランを口コミサイトに起ち上げてから約3ヵ月後の2017年8月、
ランキングは最下位から250位まで上昇した。
すると、ニュージーランドの航空会社から、「機内映像で店を紹介したい」と連絡が入った。
企業からのオファーも相次ぐようになり、
時には企業の担当者とミーティングすることもあった。
架空のレストランのランキングが1位になったことで、
バトラーさんのもとには以前にも増して予約の電話が殺到した。
(予約が数ヶ月先まであると嘘を言う)
対応に追われる日々が続き、ひっそりサイトを閉じるか、ウソだと世間に告白するか、
バトラーさんは考え抜いた結果、
架空のレストランを現実世界で1日だけ、オープンすることを決めた。
以前予約の電話をしてきた客に連絡を入れ、オープンまでの5日間で準備を始めた。
MC:設楽統は、「ウソに引っかかると大変なことになる。自分の目で判断したものが一番良い」
などと話した。
架空のレストランを現実世界で1日だけオープンすることにしたバトラーさん。
迎えたオープン当日の2017年11月17日、友人の助けを借り、
16人前で合計約4500円の食材をスーパーで購入。
メインには、約150円の冷凍食品を用意した。
メインの冷凍食品には、色とりどりの食用花やトリュフを盛り付け、
即席スープのミネストローネには庭で取れたばかりの新鮮なパセリを添え、
デザートにはオリジナルチョコサンデーを用意した。
(見た目がオシャレで美味しそう。お客は懐かしい味で美味しいなどと話していた)
さらに助っ人として、DJにも声をかけた。
オープンテラスには、サクラの客8人がスタンバイした。
(彼らには、オシャレをしてくるように、そして美味しいなどとおしゃべりしてと頼んだ)
バトラーさんは、カメラ取材を理由に客からは食事代を取らなかった。
レストランのオープンから約3週間後、
バトラーさん自ら今回の出来事を記事にして発表した。
一躍時の人となったバトラーさんは、朝の情報番組に生出演。
バトラーさんの行為は、フェイクニュースが蔓延するネット社会への警鐘か、
それともただの悪ふざけなのか。
バトラーさんは当時を振り返って、
「全てがウソだとは思わないが、ネットの情報を鵜呑みにしてはいけない。
本物を見抜く力が必要で、それは現実世界でも同じこと。
トランプ氏がアメリカ大統領になったように、信じていたものも時に崩れる。
真実なんて意味がない」などと話した。
「バトラーさんのような人が真実が見えない世界を作っているのでは」との質問に、
バトラーさんは「フェイクという社会問題を提起するには
フェイクという手法を用いるしかなかった。僕が真面目に話しても誰も耳を傾けない。
でも今回のようなことをやったら世界中が耳を傾けた。
矛盾はしているがまず耳を傾けてもらうことが一番重要だった」などと話した。
「お客さんに申し訳ないという気持ちはあるか」という質問には、
「お金を払わせているわけではないし、大した時間だって奪っていない。
僕が伝えたかったことが彼らにとって教訓になるといいと思う」などと述べた。
設楽統は、「世の中は分からない部分での信頼関係で成り立っている。
世の中は信頼関係があるからこそ成り立っていて、
それがなくなるとグチャグチャになる」などと話した。