世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

14歳の夏の風

2010年08月10日 | Weblog
今でこそ朝が苦手な私であるが中学時代は朝方の生活を好んでしていた。
父に買ってもらった白いアラーム時計が「小さな世界」を奏でるとすぐに起きて勉強机に向かっていた。
何をしていたんだろうか。たぶんその日の授業の予習か、小テストの勉強だろう。
兎に角、朝、起きていた。
テキストがないのに栃木放送のラジオ講座を聞いたり、途中から始まる宗教の時間の話に耳を傾けてもいた。

朝という時間は、夜のようにダラダラとは過ごさせてはくれない。
そして静か。
だから朝の方が集中できる。

父も前日酔っぱらって帰ると翌朝は早起きして、自分の部屋で仕事をしていた。
「会議の資料を作らなければ…うーん」とか言いつつワープロをカチャカチャ鳴らしていた。朝風呂を浴びたあと、真っ裸にタオル一枚の彼からはオーディコロンと煙草の匂いが漂ってきた。その背中を眺めつつ、大人って大変なんだなと思った。


6時50分には身支度を始め、朝食を摂り、クレアラシル(肌色タイプ)を額に塗ってから文鳥二羽の世話をし、「行ってきます」と家を出る。
十字路付近でるみちゃんと待ち合わせをして登校していた。

14歳。
中学3年生の夏。

ちょうど、B'zの「BLOWIN'」が流行っていた頃。
塾のヤンキーな先生があの歌を好きだった。
「I田先生ってB'zが好きみたいよ」
「カラオケボックスとかで歌うのかな?」
「誰と行くのかな…カラオケ」
「…彼女かな」
「え!いやだ~」
「でも10組の〇〇ちゃんが、I田先生と彼女がオリオン通りで腕を繋いで歩いているのを目撃したみたい」
「まじで?」
「まじで」
「大人じゃん~」

みたいな会話を朝、よくしていた。
るみちゃんと。

思春期特有の話のネタによく用いられていたI田先生。
中学生の我々から見たら、地元国立大学生である彼はカッチョエエ大人の象徴的存在だった。

学校に到着すると、朝の会が始まるまで女子と談笑。
さっきのI田先生話は同じ塾に通う子たちだけで話す。
クラスの子とはまた違った話題で盛り上がる。
女子という動物は、数あるネタの中からその場にふさわしい話題をうまく選択できるんである。あれは生まれ持った才能なのだろうか。


爆笑する友達の横顔を見ながら思う。
中学の夏服に袖を通すのはあと何回ぐらいなのだろうか。
来年、私はどこの学校の制服を着ているのかな。
…みんなと離れるの嫌だな。

そんな私の思いとは裏腹に、切ないほど速いスピードで、夏は過ぎていく。
風のように。

「受験まであと1年もないんだからな!」と学校でも塾でも言われた。

毎年家族で行っていた河原子海岸の民宿にも塾の宿題を持参。

塾の夏期講習、親はやりくりをして5教科分の授業を受けさせてくれた(←今の私の稼ぎでは到底無理)。

夏休みの三者面談で担任に「眠れない」と相談。暢気な担任ツネオは「昼間、そこら辺を走ってみろ。夜、眠くなっから。な?」と真面目にアドバイスをしていた。その日、安塚街道を暴走してみたが眠れなかった。心の中で「うそつき」と呟いたっけ。

14歳の夏。
中学最後の夏。

夜、夏期講習が終わる21時50分。
虫の音がうるさい夜道を自転車に乗り、父の誘導で帰る。
風呂上がりにラジオをかけるとあの時期よく流れてきたのが「BLOWIN'」。

先日、ネットの動画でたまたま観たB'zは、少女時代の夏を思い出させてくれた。
14歳の夏の風が、そっと吹いたような気がした。

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これでティファニーは朝飯前???

2010年08月10日 | Weblog
「ちょっと良いデスカ?」
と●●●ィ~(部長)に呼び出された。

手帳を持って役員応接室に向かう途中、
「私、何かしちゃったかしら」
と不安に思う。

なんつっても次期社長の●●●ィ~。
社内において、彼は∞の力を持っている。
キングオブうちの会社(未来)。
「アナタとはあまり話していないので。たまには」
とソファーに座る●●●ィ~。

話題は明明後日から私が向かうニューヨークのことだった。
彼は、数年前、五番街付近に住みながら勉学に勤しんでいた。
結婚してからは妻と1度、あの地を訪れたらしい。

会話は以下のとおり。

・セントラルパークは森だと思ってください。行くのならば日が昇っている間だけにすること。そしてそこらへんにいるリスには絶対に触らないこと。噛まれると病気になります。そして大きいですよ、リス。→調べてみたら、ちょっとした小型犬ほどの大きさなのな。
・ティファニーの上の階にも行ってみよう。
・自由時間の日、アナタ、なにも計画してないじゃないデスカ?ダメですよ!もったいない。
・セントラルパークのメリーゴーランドに乗りたいんデスカ?…嗚呼、ソウデスカ。
・アナタの泊まるホテルについて調べマシタ。→私だってまだ詳しく調べてないのに。
・オススメは「FAOシュワルツ」です。このオモチャ店は楽しいです。留学していたときに何度も行きました。
・留学中の彼の住所→ストリートビューで確認。本当に5番街の近くにあった。
・チャイナタウンの飲茶、美味しいですよ。
・「Breakfast at Tiffany's」は知ってるよね?→「ティファニーで朝食を」でしょ?和名で言ってくり。
・英語…大丈夫だよね?大丈夫でしょ?分からなかったら紙に書いて見せると良いですよ→てか、綴りの方が怪しい。

「で、どうしてニューヨークなの?」

キタ。
トドメの一発。

「部長が良いところだと仰っていたので行きたくなったのです」
と答えた。
本当だ。

そしたら彼、急に照れだした。

「良い土地ですので楽しんできてクダサイ。でも気を付けて行ってきてクダサイネ」
という言葉で終了。

毎日、工場に行く度に、工場長もニューヨークについて熱く教えてくれる。
その親身っふりを仕事のときも披露して欲しいと思うぐらいである。

それらから導き出されることは、ニューヨークは良い場所なのだろうということだ。
だから、皆様、色々と教えてくれるのだ。きっと。

皆様の親切なアドバイスを無駄にしないよう、気を付けて楽しんでこよう。