世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

輝きを取り戻したナンバリング

2011年07月26日 | Weblog
各部署から上がってくる稟議書を受付ける仕事は、私の業務のひとつだ。

吉熊上司より「最近、ナンバリングで打刻された数字が見えにくくなったから何とかせよ」という課題を与えられた。
ナンバリングとは、インクを含んだスポンジに金属製のナンバーが触れることで、紙にナンバーが刻印される事務用品だ。


まず、そのスポンジと専用のインクを購入。
新しいものを買うとそれだけで上手くいく錯覚に陥る。
今朝、さっそくそれらを入れ換えてみようとしたら、吉熊上司が「ナンバリング自体を洗わないか?」と進言。
よく見てみると、ナンバーにインクの塊がこびりついているではないか。
なるほど。数字を不鮮明にしているのはこれが原因なのかもしれない。

吉熊上司と給湯室に籠る。
お湯を張ったバケツにナンバリングをイン。
ナンバリングが肩(?)までお湯が浸かり、なんとも可愛い雰囲気であった。
「初めての入浴ですね」
とか言いながらほのぼのしてしまう。
ちょっとした沐浴状態である。

古い歯ブラシを持ってきて磨こうとした私に、彼は「貸して」と言い、素手で洗い始めた。
しかも彼のワイシャツは白だ。汚れてしまったら大変。
私はゴム手袋を嵌め、黒のワンピースを着ていた。

見る見る内に吉熊上司の指先は黒く染まっていった。
「私がやりますよ」と言いながら、私は思った。
すごいな、と。

部下に「やっておいて」と指示するだけでなく、言葉通り、自らの手を汚しながらも指導する彼の姿勢に深く脱帽した。
私はまだ後輩女子を指示する立場ではない。
でもそういうシチュエーションに遭遇したら、吉熊上司のように、自分の指示に責任を持てる人になりたいと思う。

バトンタッチされ、黙々と洗った。
額に吹き出る汗を拭いながら黙々と。
途中、他の上司が「これ使えよ」と洗剤を貸してくれ、見違えるぐらい綺麗になった。
天日干しをし、終了。

「おお~!!綺麗になったな」
ぴかぴかになったナンバリングを誰よりも喜んでくれたのは、吉熊上司であった。

他の人から見れば、些細なことかもしれない。
しかし、日常の手垢にまみれたルーティンワークが、ナンバリングと同様に再び煌めきに満ちたものになったという、本当に素敵な日であった。

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四半世紀来の愛用品

2011年07月26日 | Weblog
小学生の時から、この巾着袋を愛用している。

母ヨーコたんの手作りで、当初は給食クロス入れに使用していた。

ソフトな色合いの生地と暢気そうな牛の様子が愛らしくて、四半世紀も使用している。
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