メキシコ発の新型インフルエンザはしだいに世界各国に広がっている。当初は豚から人へと感染して「豚インフルエンザ」と呼ばれていたものが、人から人へと感染するようになったからだ。鳥インフルエンザのときにも、人から人へと感染するようになると非常な脅威になると言われていたが、幸いそのようなことは起こらなかった。今回の新型インフルエンザもそれが心配されている。
世界保健機構(WHO)は、この新型インフルエンザの呼称を「豚インフルエンザ」から「インフルエンザA(H1N1)」に改めることにしたようだ。各国の養豚業者などから「豚」という言葉を使わないようにとの申し入れがあったからだと言う。やはり風評被害を心配してのことだろう。例によってこのインフルエンザがニュースになると、すぐさま厚生労働省などに、豚肉を食べても大丈夫かという問い合わせが相次いだり、あるスーパーでは当店ではメキシコ産の豚肉は扱っていませんと表示したり、ある肉丼などを扱うチェーン店では定番の豚カツ定食の販売を中止したりと、加熱して適当な調理すれば豚肉には何の問題もないのに、相変わらずの浮き足立った反応だ。
テレビを見ていたら、東京のあるメキシコ料理店は、普段はいつも満席状態だったのに、報道された途端に客は激減して、店主は風評被害だと嘆き、メキシコ人の奥さんは客にメキシコの肉料理を勧めると逃げてしまうと言っていた。私は少々危機感が乏しいのか、このような反応をすることがどうしても理解できない。私たち日本人は風評に弱い国民性なのかと思ったりもする。十分に警戒し、注意することは必要だが、過剰な反応はかえって不安を引き起こすだけだ。
マスコミにも冷静であることを望みたい。これもテレビのニュースで見たことだが、ある新聞、スポーツ紙らしかったが、そこには「既にパンデミック」と大きな文字の見出しが映し出されていた。パンデミック、すなわち世界的な規模の大流行は、感染症流行の状態を示す指標の最高段階の「フェーズ6」というものだ。どのような内容の記事なのかは分からないが、WHOのような国際的な専門機関が世界各地の状況を慎重に検討して決めるようなことを、このような1新聞が訳知り顔で専門用語を使って軽々に書くことではない。社会の不安を掻き立てるだけだ。多くのマスメディアは慎重な報道姿勢をとるだろうが、それでも知らぬうちに不安を感じさせる伝え方になっていないか絶えず自戒するべきだと思う。
幸いわが国にはまだ感染者は発生していない。感染を疑われた高校生も女性も検査の結果、感染していないことが分かった。空の交通が格段に発達している時代だからこれからのことは予測できないし油断は出来ないが、徒に不安に駆られて浮足立たないようにしたい。
世界保健機構(WHO)は、この新型インフルエンザの呼称を「豚インフルエンザ」から「インフルエンザA(H1N1)」に改めることにしたようだ。各国の養豚業者などから「豚」という言葉を使わないようにとの申し入れがあったからだと言う。やはり風評被害を心配してのことだろう。例によってこのインフルエンザがニュースになると、すぐさま厚生労働省などに、豚肉を食べても大丈夫かという問い合わせが相次いだり、あるスーパーでは当店ではメキシコ産の豚肉は扱っていませんと表示したり、ある肉丼などを扱うチェーン店では定番の豚カツ定食の販売を中止したりと、加熱して適当な調理すれば豚肉には何の問題もないのに、相変わらずの浮き足立った反応だ。
テレビを見ていたら、東京のあるメキシコ料理店は、普段はいつも満席状態だったのに、報道された途端に客は激減して、店主は風評被害だと嘆き、メキシコ人の奥さんは客にメキシコの肉料理を勧めると逃げてしまうと言っていた。私は少々危機感が乏しいのか、このような反応をすることがどうしても理解できない。私たち日本人は風評に弱い国民性なのかと思ったりもする。十分に警戒し、注意することは必要だが、過剰な反応はかえって不安を引き起こすだけだ。
マスコミにも冷静であることを望みたい。これもテレビのニュースで見たことだが、ある新聞、スポーツ紙らしかったが、そこには「既にパンデミック」と大きな文字の見出しが映し出されていた。パンデミック、すなわち世界的な規模の大流行は、感染症流行の状態を示す指標の最高段階の「フェーズ6」というものだ。どのような内容の記事なのかは分からないが、WHOのような国際的な専門機関が世界各地の状況を慎重に検討して決めるようなことを、このような1新聞が訳知り顔で専門用語を使って軽々に書くことではない。社会の不安を掻き立てるだけだ。多くのマスメディアは慎重な報道姿勢をとるだろうが、それでも知らぬうちに不安を感じさせる伝え方になっていないか絶えず自戒するべきだと思う。
幸いわが国にはまだ感染者は発生していない。感染を疑われた高校生も女性も検査の結果、感染していないことが分かった。空の交通が格段に発達している時代だからこれからのことは予測できないし油断は出来ないが、徒に不安に駆られて浮足立たないようにしたい。