中国の最西端、新疆ウイグル自治区のトルファンの東南に、唐代より後にあったウイグル高昌国時代の高昌故城と言う遺跡がある。広大な場所に日干し煉瓦で作られた寺院や塔、宮殿などが風化して残骸になって遺されている。
2001年の9月にここを訪れて遺跡の中を歩いていると、3人のウイグル族の少女達が近づいて来て、おみやげの鈴を買ってくれと言った。要らないと断ったが、様子がかわいかったので、インスタントカメラで撮って1枚ずつ渡すと大喜びして、「プレゼント」と言って鈴を1つくれた。それで甘くなってしまい、それぞれから鈴を買ってやると少女達は喜んで、その後はすっかり商売を忘れたように、私の傍について歩き、「日本のどこから来ましたか」とか「いくつですか」などと尋ねたりした。年齢を聞くと「12歳です」とか「学校に行っています」と答える。日本人の観光客を相手にしているうちに覚えたのだろうが、その日本語がとても上手で滑らかなのには驚いた。12歳というと私のその頃の一番上の孫娘と同い年だから、いっそうかわいく思った。
故城への入り口の所に戻ると、先程の少女達が仲間を連れて来て、それぞれ柘榴や葡萄、玉石の飾り物などを「プレゼント」と言いながら差し出した。帰る時には車の窓の傍に寄って来て「さよなら。また来てください」と口々に言いながら手を振って見送ってくれた。
国や民族は違っても子ども達は本当に無邪気でかわいいものだ。この少女達との短い出会いを思い出すと、今でも何かほのぼのとした気持ちになる。
*ウイグル族:中国全土に約860万人。主に新疆ウイグル自治区に居住。イスラム教を信仰。「客好きで礼儀正しく、目上を敬い目下を愛する。明るい」と言われている。
2001年の9月にここを訪れて遺跡の中を歩いていると、3人のウイグル族の少女達が近づいて来て、おみやげの鈴を買ってくれと言った。要らないと断ったが、様子がかわいかったので、インスタントカメラで撮って1枚ずつ渡すと大喜びして、「プレゼント」と言って鈴を1つくれた。それで甘くなってしまい、それぞれから鈴を買ってやると少女達は喜んで、その後はすっかり商売を忘れたように、私の傍について歩き、「日本のどこから来ましたか」とか「いくつですか」などと尋ねたりした。年齢を聞くと「12歳です」とか「学校に行っています」と答える。日本人の観光客を相手にしているうちに覚えたのだろうが、その日本語がとても上手で滑らかなのには驚いた。12歳というと私のその頃の一番上の孫娘と同い年だから、いっそうかわいく思った。
故城への入り口の所に戻ると、先程の少女達が仲間を連れて来て、それぞれ柘榴や葡萄、玉石の飾り物などを「プレゼント」と言いながら差し出した。帰る時には車の窓の傍に寄って来て「さよなら。また来てください」と口々に言いながら手を振って見送ってくれた。
国や民族は違っても子ども達は本当に無邪気でかわいいものだ。この少女達との短い出会いを思い出すと、今でも何かほのぼのとした気持ちになる。
*ウイグル族:中国全土に約860万人。主に新疆ウイグル自治区に居住。イスラム教を信仰。「客好きで礼儀正しく、目上を敬い目下を愛する。明るい」と言われている。