2001年6月に中国の広西壮(チュワン)族自治区の西南部、ベトナム国境に近い地方を訪れた。旅行社のツアーコースなどには入っていない辺境の地だ。区都の南寧から車で6時間以上行くと徳保という小さな町に着く。この町には毎晩チュワン族の老人達が公園に集まってグループごとに合唱し合う「夜歌墟」という風習がある。この町出身のガイドの廖さんという青年の案内で出かけると、もう200人程が集まっていたが、日本人だと知れるとたちまち興味の的になってしまった。日本人は初めて見たと言う人もいた。
やがて10人くらいの男性達が輪を作って歌い始めた。まだ始まる時刻ではなかったようだったが、日本人が来てくれたということで歌ってくれたようだった。どの歌も短く、同じメロディーだが、その何部合唱かのハーモニーはとても力強く美しいものだった。男性達に続いて女性達が歌い始めたが、廖さんの通訳で、すべて中国と日本の友好を願う歌だと知った。例えば「日本と中国は一衣帯水の国です。一緒に力を合わせていきましょう」とか「過去の戦争は忘れて平和な未来を作りましよう」、「日本は科学技術の進んだ国です。いろいろと中国にしてくれて有難う」など10曲くらいも歌われ、感動してしまった。驚くのはその歌詞で、すべて即興で、しかも複雑な韻を踏んでいるとのことだ。
夜歌墟は真夜中近くまで続くが、本当にのどかで美しい風俗、文化だと思った。翌日は徳保の西の靖西という町を訪れたが、夜ベッドで横になっていると、どこからともなく歌声が聞こえてきた。ここでも夜歌墟があるのだ。その歌声を聴いていると、何か郷愁を誘われるようであった。
*壮族:少数民族中最も人口が多く、約1500万人。主に広西壮族自治区に居住。歌が好き。チュワン錦織は伝統的な工芸品で美しく、内外に知られている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/43/6710ee88638b1f29fa2ff29d39e671af.jpg)
やがて10人くらいの男性達が輪を作って歌い始めた。まだ始まる時刻ではなかったようだったが、日本人が来てくれたということで歌ってくれたようだった。どの歌も短く、同じメロディーだが、その何部合唱かのハーモニーはとても力強く美しいものだった。男性達に続いて女性達が歌い始めたが、廖さんの通訳で、すべて中国と日本の友好を願う歌だと知った。例えば「日本と中国は一衣帯水の国です。一緒に力を合わせていきましょう」とか「過去の戦争は忘れて平和な未来を作りましよう」、「日本は科学技術の進んだ国です。いろいろと中国にしてくれて有難う」など10曲くらいも歌われ、感動してしまった。驚くのはその歌詞で、すべて即興で、しかも複雑な韻を踏んでいるとのことだ。
夜歌墟は真夜中近くまで続くが、本当にのどかで美しい風俗、文化だと思った。翌日は徳保の西の靖西という町を訪れたが、夜ベッドで横になっていると、どこからともなく歌声が聞こえてきた。ここでも夜歌墟があるのだ。その歌声を聴いていると、何か郷愁を誘われるようであった。
*壮族:少数民族中最も人口が多く、約1500万人。主に広西壮族自治区に居住。歌が好き。チュワン錦織は伝統的な工芸品で美しく、内外に知られている。
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