中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

中国に少し触れて

2009-05-09 08:24:54 | 中国のこと
 先日、隣の市のある公民館の活動推進委員をしている旧い教え子に頼まれて、その公民館の市民対象の講座で、『中国の少数民族』という題で話をした。その折に配った資料の1つである。以前にあるところに投稿したものに少し手を加えた。


 2000年にある教え子に誘われて、初めて中国に旅して以来、病みつきになってしまい、これまでに42回訪れました。「通になったでしょう」などと言われることもあるのですが、とてもそんなものではありません。中国を理解するには、①国土は広大、②人民は多数、③歴史は悠久、ということを心得ておかなければならないと言われますが、実際に訪れて見ますと、そのことがよく分かります。ちょっとやそっとでは分からないのが中国という国だと思います。最近は反中国的な論を唱える人が多くなりましたが、いったいどれだけ中国のことを分かって言っているのだろうと思うことがありますね。所詮は「蟹は己の甲羅に似せて穴を掘る」の類なのかも知れません。

 私の浅い経験だけでも、中国について何か話すとなると、何から話したらいいのかと迷います。それで、ここでは取り敢えず中国に住む少数民族について触れてみましょう。中国の人口は13億人ですが、その90パーセント以上を占める漢族以外に55の少数民族がいます。日本人が中国人としてイメージしているのは、普通は漢族でしょう。ですから、例えば西の端の新疆ウィグル自治区に行きますと、そのようなイメージからは程遠いウィグル族が多く、これが中国かと思ってしまうほどです。また新疆の東の青海省にはチベット族が多く、ここでもまた「異国」を感じたりしたものです。それでも皆「中国人」なのです。

 私が出会った少数民族は、壮(チュワン)、苗(ミャオ)、回(フェイ)、ウィグル、カザフなど16民族に過ぎません。それでも青海省に行った時には、西安から私に同行した若い友人が漢族と回族、現地のガイドが蒙古族、ドライバーは満州族で、いかにも「中国的」でした。他にも壮族や土家(トゥチャ)族の友人もいます。それぞれ自分は何族ということをはっきり言いますし、壮族の友人のように、壮族であることに非常な誇りを持っていて、その文化を研究している者もいます。少数民族は独自の言語や、中には文字も持ち、民族独自の風俗・文化を強固に保持していることが多いのです。貴州省東南部の苗族の村を訪れた時などは、それが非常に強いことを実感し、とても印象的でした。

 このように「中国」と言いましても、簡単にひとつに括れないのが中国の姿だと思います。広大な国土にさまざまな人達が多様な暮らしをしている実態はなかなか理解できるものではありませんが、それでもごく局地的ではあっても実際に訪れて触れてみると、その一端が理解できてとても魅力的で、また来て見たいと思わされるのです。