鳩山首相が退陣した。やっとと言う感じでもある。カネの問題で内閣発足当時から火種を抱えていたが、沖縄の米軍基地の問題でとうとう行き詰った。自民党など野党からは退陣せよ、解散せよと迫られていたが、いざ退陣となると今度は選挙目当てだと非難される。言い方もいろいろあるものだ。首相の肩を持つわけではないが、今の野党はどれも単独では政権を担うことはできないようだから、野党という立場は非難さえしていれば済むようで気楽なものとも思う。
辞任のニュースを理髪店のテレビで見たが、街の声ときたら首相を叩くものばかりで、中には「お坊ちゃん政治はもう結構です」と怖い顔でコメントしている中年の女性もあった。テレビ局の主観でこのような声ばかりを編集したのだろうが、何だか8ヶ月間良いことは何もしてこなかったようで、いかに庶民の声と言ってもこれでは少し偏っているのではないかと思った。どうも近頃のマスメディアは情報を垂れ流しして煽ることはするが、冷静な判断ができるような情報を提供することでは少し問題があるのではないか。
私自身は、政権交代したからと言ってそれほど劇的な変化が起こるとは思えなかった。どちらかと言うと前政権党のありように嫌気が差すムードの中で、何か変化が起こるのではないかという期待感が強まった結果だったが、あのような圧勝ではなかったほうが良かったような気がする。最近の議会運営にしても、前政権党がしばしばとってきた多数を頼んだ強引さも見られるようになった。前与党と野党が攻守交代した感じで、そのスタイルはあまり変わっていないようだ。戦後長く続いた政治風土は一朝一夕には変わるものではないのか。
沖縄の米軍基地の問題が結局は鳩山首相の命取りになったのだが、何しろこの問題は米国の意向に大きく左右される一筋縄では行かないもので、今の東アジアの情勢ではちょっとやそっとでは米軍は出て行こうとしないだろう。場合によっては解決には何十年もかかるかも知れない。そのような問題を「最低でも県外」とか「5月末までに決着」と言ったのは少し軽はずみだったと思う。だから自民党にまで公約違反だと叩かれた。結局は元の木阿弥になってしまったが、それでも戦後60年もたってもなお米軍が駐留し続けていている現実や、その中の沖縄県民の思いがどのようなものかということが改めて分かったことはあるのではないか。しかしどの野党も批判はするが、我が党ならこういう道筋で解決するなどとは言わない。
何か政治の未熟さばかりが表立ったようでもあるが、それでも例えば「事業仕分け」などでいかに税金の無駄遣いがされていて、天下った官僚に驚くほどの多額の給料を支払っていたことなどはこれまでの政権党のもとでは知ることはできなかっただろう。是は是、非は非と冷静に見ることが大切ではないか。
私がとっている新聞にある作家の次のような意見が載っていた。
「国民は選挙するだけで、後は政治に丸投げ。今ある政権をより良くする努力はせず、評論家のように文句ばかり言うシステムに慣れてきた。このままだといくら人や政権を変えても何も変わらない」
辞任のニュースを理髪店のテレビで見たが、街の声ときたら首相を叩くものばかりで、中には「お坊ちゃん政治はもう結構です」と怖い顔でコメントしている中年の女性もあった。テレビ局の主観でこのような声ばかりを編集したのだろうが、何だか8ヶ月間良いことは何もしてこなかったようで、いかに庶民の声と言ってもこれでは少し偏っているのではないかと思った。どうも近頃のマスメディアは情報を垂れ流しして煽ることはするが、冷静な判断ができるような情報を提供することでは少し問題があるのではないか。
私自身は、政権交代したからと言ってそれほど劇的な変化が起こるとは思えなかった。どちらかと言うと前政権党のありように嫌気が差すムードの中で、何か変化が起こるのではないかという期待感が強まった結果だったが、あのような圧勝ではなかったほうが良かったような気がする。最近の議会運営にしても、前政権党がしばしばとってきた多数を頼んだ強引さも見られるようになった。前与党と野党が攻守交代した感じで、そのスタイルはあまり変わっていないようだ。戦後長く続いた政治風土は一朝一夕には変わるものではないのか。
沖縄の米軍基地の問題が結局は鳩山首相の命取りになったのだが、何しろこの問題は米国の意向に大きく左右される一筋縄では行かないもので、今の東アジアの情勢ではちょっとやそっとでは米軍は出て行こうとしないだろう。場合によっては解決には何十年もかかるかも知れない。そのような問題を「最低でも県外」とか「5月末までに決着」と言ったのは少し軽はずみだったと思う。だから自民党にまで公約違反だと叩かれた。結局は元の木阿弥になってしまったが、それでも戦後60年もたってもなお米軍が駐留し続けていている現実や、その中の沖縄県民の思いがどのようなものかということが改めて分かったことはあるのではないか。しかしどの野党も批判はするが、我が党ならこういう道筋で解決するなどとは言わない。
何か政治の未熟さばかりが表立ったようでもあるが、それでも例えば「事業仕分け」などでいかに税金の無駄遣いがされていて、天下った官僚に驚くほどの多額の給料を支払っていたことなどはこれまでの政権党のもとでは知ることはできなかっただろう。是は是、非は非と冷静に見ることが大切ではないか。
私がとっている新聞にある作家の次のような意見が載っていた。
「国民は選挙するだけで、後は政治に丸投げ。今ある政権をより良くする努力はせず、評論家のように文句ばかり言うシステムに慣れてきた。このままだといくら人や政権を変えても何も変わらない」