「星降る中部高地の縄文世界」の展示をしている長野県、山梨県の各ミュージアムには「黒曜石原産地」までの歩数と距離が示されています。その原産地へ行ってきました。「黒曜石のふるさと」とうたっている「長和町」にある「黒曜石体験ミュージアム」です。我が家からは国道20号線、国道142号線で和田峠を経て約24㎞!1時間余りの行程です。ここにあった歩数と距離の表示については最後に…
まずは国道20号線が横河川を渡る場所からの「富士山」です。
「木落し坂」のトンネルを抜けて「和田峠」のトンネルを抜けていきました。和田峠付近では紅葉も進んでいました。
「黒曜石体験ミュージアム」は「ブランシュたかやまスキー場」のすぐ近くにありました。その昔何度もこのスキー場には通ったのに、その頃は気づかなかった博物館…興味津々に見学してきました。「星くそ館」は山を登って星糞峠の近くにありました。
館内は「黒曜石」についての解説や実物の展示があって、体験教室も多く開かれているようでした。この地で採掘された黒曜石が青森県の遺跡をはじめ、多くの遺跡で発見されていてその交易は広範囲にわたっていたようです。中部高地の黒曜石原産地は何か所かあります。
黒曜石は火山から噴き出した溶岩が固まってできたものです。割れ口が鋭く加工しやすいので切れ味の良い石器の材料として使われました。ここでは縄文人たちが穴を掘って採掘したようです。
道具として加工されたものもたくさん展示されていました。
ここが発掘されたのは昭和30年頃のことだそうです。星糞とはキラキラ輝いて散らばっているとの意味合いだそうです
。
このミュージアムの隣には「明治大学 黒曜石研究センター」があり、その裏から星糞峠に登って行きます。
山の中は紅葉が進んでいました。急な階段もあって峠に着いた時は息が上がっていました。
星糞峠は標高1500m…この地で縄文人たちは黒曜石を採掘したようです。
「星糞峠」から「黒曜石鉱山展示室」まで行く林の中には黒曜石が散らばって落ちていました。拾ってはいけないと注意書きがありましたので写真だけ撮りました。
展示館の前には黒曜石の矢じりを付けた熊の上に縄文人が…
黒曜石鉱山展示室ではその地層と埋まっていた黒曜石の状況、それに発掘の当時の様子が再現されたいました。
この展示室にはスタッフがいなくて解説はプロジェクションマッピングでした。
この山のあちらこちらに採掘址があります。少しくぼみになっているところが多かったです。全部で200近くの採掘址が発見されているようです。
頂上付近で紅葉を眺めながらお弁当を食べ、下山しました。きれいな紅葉の様子です。
最後に「黒曜石原産地までの道のり」です。他のミュージアムでこの展示を見て、原産地とされているのはこの場所に違いないとやって来たので、ここの展示が「0」になっていないのに衝撃!これは何故?と、学芸員さんにお話を伺いました。それによるとこの展示で原産地としているのは「和田峠」だそうです!ここで表示されているのは「和田峠」までの歩数と距離だったのです!中部高地の黒曜石は「和田峠」が噴火したことによるものなので「和田峠」が基準点だそうです。ではそこに「0」の表示があるのか伺いましたが、それはないとのこと…ぜひ何らかの表示をとお願いしてきました。
中部高地の黒曜石産地のことはNHK「ブラタモリ」でも取り上げられましたが、タモリさんの行かれた「星ヶ塔」の採掘現場は通常は入れません。この星糞峠の現場で当時の採掘の様子や黒曜石を見ることができて良かったです。和田峠の方向を眺めつつ帰途につきました…