最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

GPSを車につける行為はストーカー行為とはならない

2020-08-03 14:26:17 | 日記
平成30(あ)1528  有印私文書偽造,同行使,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反被告事
令和2年7月30日  最高裁判所第一小法廷  判決  棄却  福岡高等裁判所
 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成28年法律第102号による改正前のもの)2条1項1号にいう「住居等の付近において見張り」をする行為の意義

今回は、法文上の解釈の身にとどまったので2枚の判決文です。

日経新聞の報道です。
上告審で審理された事件の一つでは、男性被告(48)が2016年2~3月、別居していた当時の妻の車にひそかにGPSを取り付け、位置情報を取得したことがストーカー規制法違反の罪に問われた。
第1小法廷はストーカー規制法上の見張りについて「相手の住居などの付近で動静を観察する行為」を指すと判断し、男性被告は遠隔で位置情報を得ていたことからこの条件を満たさないと結論づけた。もう一つの事件でも同じ判断を示した。
検察側は「ストーカー規制法は凶悪犯罪を未然に防ぐことを目的にしている。GPSの除外は規制の趣旨に反している」と訴えていた。
  ・・・
同年9月の二審・福岡高裁判決は「見張りは自らの視覚などで相手の動静を把握する行為に限られる」と解釈し、GPSによって遠隔で動静を確認するのは見張りに当たらないと判断。被告が妻に近づいて注視した行為は有罪とし、量刑を懲役8月に変更した。


ストーカー規制法2条1項は
第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。


1 相手のことが好きか、相手にされなかったことへの怨念を抱いていること
2 場所の如何を問わず、行動を範囲を観察すること
の2つの要件になるようです。

判決文では、恋愛感情があったかどうかは分かりませんね。逃げられた女房に執着している可能性もあれば、離婚裁判を始めるための住所確認の可能性もあります。1は成立しません。
2については、ずっと付きまとうことになりますよね。
1審では、
被告人は,妻が上記自動車を駐車するために賃借していた駐車場においてGPS機器を同車に取り付けたが,同車の位置情報の探索取得は同駐車場の付近において行われたものではないというのであり,また,同駐車場を離れて移動する同車の位置情報は同駐車場付近における妻の動静に関する情報とはいえず,被告人の行為は上記の要件を満たさないから,「住居等の付近において見張り」をする行為に該当しないとした原判決の結論は正当として是認することができる。

条文を忠実に読めばそうなりますね。

裁判長裁判官 山口 厚 当然
裁判官 池上政幸 当然
裁判官 小池 裕 当然
裁判官 木澤克之 当然
裁判官 深山卓也 当然

しかし、じっと見ていたことで懲役6か月はやりすぎじゃないですか?罵倒したとか、はやし立てたとかじゃないんですよね。

例えば、親権を争っていた場合看護期間が長くなるほど連れ去ったほうに優位になることから、探偵なりGPSなり遣うのはある程度仕方ないのではないかと思いますが、どうなんでしょう。ハーグ条約を結んでおきながら国内法が整備されていないからこういう問題にもかかわってくると思いますよ。