令和2(受)1252 損害賠償請求事件
令和3年11月2日 最高裁判所第三小法廷 判決 その他 大阪高等裁判所
交通事故による車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条前段所定の消滅時効は,身体傷害を理由とする損害が生じた場合であっても,被害者が上記車両損傷を理由とする損害を知った時から進行する
またまた、たった3枚の大雑把判決文です。
事件概要は、次の通りです。
(1)平成27年2月26日,被上告人が所有し運転する大型自動二輪車と上告人が運転する普通乗用自動車が交差点において衝突する事故が発生した。
(2)被上告人は,本件事故により頸椎捻挫等の傷害を負い,通院による治療を受け,平成27年8月25日に症状固定の診断がされた。また,本件車両には,本件事故により損傷が生じた。
(3)被上告人は,平成30年8月14日,本件訴訟を提起した。被上告人は,本件車両損傷を理由とする損害の額について,本件車両の時価相当額に弁護士費用相当額を加えた金額であると主張し,同金額の損害賠償を求めている。
交通事故があって、人身事故になりました。後遺症が残りましたが、それも安定してきたので人身部分は請求できましたが、大型バイクの方は賠償請求しておらず、3年経ったので時効が成立し賠償の対象外と言われました。おそらく、自分の体の方ばかりに意識が行ってて、バイクの修理には考えが及ばなかったのでしょうか。この時効が成立しているかどうかが争点になりました。
最高裁は
(1)交通事故の被害者の加害者に対する車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の短期消滅時効は,同一の交通事故により同一の被害者に身体傷害を理由とする損害が生じた場合であっても,被害者が,加害者に加え,上記車両損傷を理由とする損害を知った時から進行するものと解するのが相当である。・・・車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権は,身体傷害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権とは異なる請求権であると解されるのであって,そうである以上,上記各損害賠償請求権の短期消滅時効の起算点は,請求権ごとに各別に判断されるべきものであるからである。
こりゃまた微妙な事を言い出しましたね。例えば、義足の人が交通事故に遭って、その義足が大破した場合、体と義足は別だから損害賠償請求権は別だということになりますか。一般論に戻して、ロレックスの時計が潰れて使い物にならなくなったでもいいです。これも別扱いですか?
(2)本件事故の日に少なくとも弁護士費用に係る損害を除く本件車両損傷を理由とする損害を知ったものと認められ,遅くとも平成27年8月13日までに本件事故の加害者を知ったものであるから,本件訴訟提起時には,被上告人の上告人に対する不法行為に基づく上記損害の賠償請求権の短期消滅時効が完成していたことが明らかである。
第三小法廷 裁判官全員一致
裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 戸倉三郎
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
全員微妙。今ひとつ感がありますね。もっと議論していいんじゃないですか?
令和3年11月2日 最高裁判所第三小法廷 判決 その他 大阪高等裁判所
交通事故による車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条前段所定の消滅時効は,身体傷害を理由とする損害が生じた場合であっても,被害者が上記車両損傷を理由とする損害を知った時から進行する
またまた、たった3枚の大雑把判決文です。
事件概要は、次の通りです。
(1)平成27年2月26日,被上告人が所有し運転する大型自動二輪車と上告人が運転する普通乗用自動車が交差点において衝突する事故が発生した。
(2)被上告人は,本件事故により頸椎捻挫等の傷害を負い,通院による治療を受け,平成27年8月25日に症状固定の診断がされた。また,本件車両には,本件事故により損傷が生じた。
(3)被上告人は,平成30年8月14日,本件訴訟を提起した。被上告人は,本件車両損傷を理由とする損害の額について,本件車両の時価相当額に弁護士費用相当額を加えた金額であると主張し,同金額の損害賠償を求めている。
交通事故があって、人身事故になりました。後遺症が残りましたが、それも安定してきたので人身部分は請求できましたが、大型バイクの方は賠償請求しておらず、3年経ったので時効が成立し賠償の対象外と言われました。おそらく、自分の体の方ばかりに意識が行ってて、バイクの修理には考えが及ばなかったのでしょうか。この時効が成立しているかどうかが争点になりました。
最高裁は
(1)交通事故の被害者の加害者に対する車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の短期消滅時効は,同一の交通事故により同一の被害者に身体傷害を理由とする損害が生じた場合であっても,被害者が,加害者に加え,上記車両損傷を理由とする損害を知った時から進行するものと解するのが相当である。・・・車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権は,身体傷害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権とは異なる請求権であると解されるのであって,そうである以上,上記各損害賠償請求権の短期消滅時効の起算点は,請求権ごとに各別に判断されるべきものであるからである。
こりゃまた微妙な事を言い出しましたね。例えば、義足の人が交通事故に遭って、その義足が大破した場合、体と義足は別だから損害賠償請求権は別だということになりますか。一般論に戻して、ロレックスの時計が潰れて使い物にならなくなったでもいいです。これも別扱いですか?
(2)本件事故の日に少なくとも弁護士費用に係る損害を除く本件車両損傷を理由とする損害を知ったものと認められ,遅くとも平成27年8月13日までに本件事故の加害者を知ったものであるから,本件訴訟提起時には,被上告人の上告人に対する不法行為に基づく上記損害の賠償請求権の短期消滅時効が完成していたことが明らかである。
第三小法廷 裁判官全員一致
裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 戸倉三郎
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
全員微妙。今ひとつ感がありますね。もっと議論していいんじゃないですか?