Hさんは国の重要文化財である山形県の建築物を描きました。
「山形市郷土館」 日本画 F6
建築当時病院だったという旧済生館本館の復元建造物。
そのドーム形屋根、16角形の回廊、アーチ窓という
独特で複雑な形体を理解し捕らえるのはたいへんで、
デッサンにとても時間をかけました。
もみ紙を施し、岩絵の具に入ってからも形の修正は続き、
描いては消してを繰り返している内にいつになく
厚みと重みのある絵肌となりました。
近づいてみました。
もみ紙をした効果は空や木々、建物にあらわれています。
岩絵の具を厚く重ねでもHさんの持ち味である爽やかさや
色の明るさは損なわれず、描きこんだことで堅牢さが加わりました。
屋根には青空が、ステンドグラスには新緑が映りこんで
清々しい風の吹き抜ける心地のよい凛とした作品です。
Hさんの作品にはどれも清々しい光があふれています。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Hさんのページにたくさん掲載されています。
ぜひこちらもご覧ください。