北海道立函館美術館で、9/15~11/7の間、「棟方志功展」が開催されている。これまでも青森の棟方志功記念館などで何度か観ているが、何度観ても独特の力強い画風には飽きることがない。たまたま、今日、退職互助会の教養講座でこの鑑賞会が計画されていたので、それまで待っていた。
個人で行けば、1000円のところ、会からの補助もあって400円で観れる上に、前もって学芸課長の説明も聴けるからである。85名ほどの参加者だった。
全部で38点の作品が展示されていた。函館美術館での展覧会は3回目だそうだ。今回は、版木72枚を使った2m×全幅26mの「大世界の柵」の他にも、大作や連作など大型の作品も多く、ただでさえ力強さとボリューム感に富んだ志功の作品にこれまで以上に圧倒されるすばらしい展覧会だ。
志功は、自らの版画とは言わずに「板画」と称した。それは、板の中から生まれた絵画であるというが、そのことがよく解るような気がした。
地家学芸課長の説明
棟方志功の生い立ちやゴッホに影響されて「わだばゴッホになる」と画家を目指して上京したこと。しかし、油絵は3年連続帝国美術展に落選して、木版画の道へと進んだこと、そして独自の画風を確立して行った過程、その後の作風の変化や有名な作品の説明など30分ほど聞いた上で展示を観たので、とても解りやすかった。
中でも、色刷りだと思っていた作品が、「裏彩色」という彼独特の技法を用いていることが解り、新鮮な感じで観ることができた。
パンフレットからの切り抜き
美術館の前のナナカマドの紅葉