屋久島空港を離発着する飛行機
日本最初の世界自然遺産の島・屋久島は、推定樹齢7200年とも言われる縄文杉に代表される巨大な屋久杉たち、花崗岩の巨岩・奇岩に覆われた最高峰宮之浦岳を初めとする1000mを超える47ものピークを持つ洋上アルプス、豊かな水が作り上げた幻想的で幽玄の苔の森や数知れない滝など・・・・自然好き・山好きには堪らないほどの魅力に満ちた島である。
10年前には妻と一緒に初めて屋久島を訪れ、屋久島観光のメインである縄文杉トレッキング、黒味岳~宮之浦岳~永田岳登山、白谷雲水峡トレッキング等を楽しんできた。
今回も、前回同様4泊5日のフリープランを利用し、モッチョム岳、太忠岳、愛子岳の登山と島内観光ドライブの計画で出掛けた。前回は、鹿児島から高速船トッピーを利用したが、今回は、1日目を移動日にしないで済む飛行機を利用した。
「1週間に10日雨が降る」と言われる屋久島だが、前回もGW明けに行き、5日間とも好天に恵まれたので、今回も同じ日程を組んだ。ところが、雨に当たったのは1日だけで済んだが、登山での展望に恵まれたのも1日だけだった。しかし、計画の登山も観光ドライブもすべて終えることができた。
また、北海道にいたときからの岳友で、前回もお世話になった山岳ガイドのYo君、さらに、8年前に移住したコンブさんご夫妻にも再会することができた。とくに、コンブさんとは、太忠岳に一緒に登ることができた。
前回に比べて山からの展望に恵まれなかったせいか、印象的には物足りなさが残った。しかし、巨大な屋久杉たち、花崗岩の巨岩・奇岩に覆われた山々、幻想的で幽玄の苔の森や数知れない滝などは十分に堪能できた。
特に、今回印象に残ったことは下記の2点である。
◎今でも残る「岳参り」の風習
初日の夜に訪問を受けたYo君から島内の登山地図を見せてもらったが、驚いたのが、観光地図には載っていない山の登山道がたくさんあることだった。
これは、古くから残る「岳参り」という風習に利用される登山道だそうだ。年に1~2度、各集落の代表者がその地域の神山に登って、島の守り神である「一品宝珠大権現」にお参りするというものらしい。
これは、わが国に多く見られる山岳信仰の一形態と考えられ、山岳を、その神秘的な崇高さから神の住まう場所として畏敬、崇拝するものである。
屋久島では、集落ごとに前岳、奥岳(いずれか一方の場合もある)を、その集落の崇拝する山(岳)を決め、ここにお参りをすることを岳参りと言っている。それゆえに、ほとんどの山には必ず祠が祀られているいるそうだ。前回も今回もそのいくつかを目にすることができた。
お参りは、主として青年たちにより行われ、穢れのない青年が2~4人(各集落により異なる)程度集落の代表として選ばれ、青年たちはお参りの2、3日前から行いを慎むとともに心身を清め、当日は浜の白砂やお神酒、集落の人達の賽銭を預かって山に登る。お参りの青年たちは、シャクナゲ(町民花)を1、2本持ち帰り、神様に供え、木を伐り出す許しを乞い、生活の無事を祈った。現在は、行われていない集落も多いそうだ。
◎きれいなお墓
驚いたのがお墓である。彼岸やお盆でもないのに、どの墓にも色とりどりの花が供えられていいて、墓の前には花や灌木が植えられていることだった。
そして、枯れているお花は1本も無く、すべての場所が生き生きとしたお花が生けてあることだった。コンブさんに聞いたら、花は買うのではなく、自生しているものや自分の家で育てている花を飾るそうだ。
しかも、お墓の持ち主が交代で毎日お掃除をしているらしいです。この毎日というのには驚かされる。先祖を大切にする気持ちがかなり強いことと、地域がかなり小さく分かれていて、地域ぐるみの助け合いの誠真がとても強いようだ。
◎3度目は、時期を変えて、ゆとりを持った日程で
今回ガスで展望に恵まれなかった太忠岳と愛子岳や諦めた石塚山などからの展望、まだ登れそうな山々、宮之浦岳の再訪、山肌一面を埋め尽くすというシャクナゲなどなど、今度は、時期を変えてテント持参で生活し、天気の良い日に山に登れるようなゆったりとした日程で再訪したいと思っている。
それぞれ20枚以上の写真とともに、詳しい山行記録は、下記のHPの方でどうぞ!
http://sakag.web.fc2.com (アップ完了)