原価で分けていただいて、いつも御歳暮に利用している南茅部産真昆布
かつて2度勤務したことのある旧南茅部町字大船(現函館市大船町)の漁業者から昆布を分けてもらいに、30年来、今頃そのお宅にお邪魔している。
今日の話の中心は、「今年は漁業者にとって最悪の年だった」ということだった。
○台風が4度も来て、海が荒れて、養殖コンブや養殖ホタテの施設や定置網などが大きな被害を受けた。
○大雨の影響で、土砂や倒木が海に流れ出て、海の状態が最悪だった。
○シケ(時化)の日が多く、漁にも出られないし、養殖の仕事がどんどん遅れてしまった。
○水温が上がり、これまで獲れていた魚が全然獲れなくなった。特にこれまでの基幹漁獲物だったイカ、スケソウダラ、サケ、サンマ、イワシなどは悲惨な状態だった。
○海の状態が、これまでの長年の経験や常識では考えられないほど変わって、いろいろ工夫しても追いつかないし、効果が上がらない。
○台風の被害は、農家の場合はすぐに分かるが、漁業の場合は、海が収まってしまって、時間がたってからでないと分からないので、対応が遅れてしまう。
そんな話を聞いて、自然が相手の農業や漁業に従事する人たちは本当に大変だと再認識させられた。しかも、最近の気象異常は、今後も続く傾向のようなので、本当に気の毒だ。
そんな中で、店頭に並べば、10倍もの値段に跳ね上がる、懸命に育てて製品化した養殖コンブを浜値(原価)で分けてもらっているのは、申し訳ない気持ちで帰って来た。